2018年12月27日
長期金利に関して質問に答えてみた!
記事を書いた人:岡ちゃんマン
目次
Q、よく長期金利とはどの金利のことを指すのですか? 何が重要なのですか?
A、まず、一般的に長期金利とは「10年国債利回り」のことを指すことが多いです。 長期金利についてまとめてみたいと思います。
1)長期金利とは
各国の10年物国債の利回りのことを長期金利と呼ぶことが多いです。 国債を表すときに使うのが「国債価格」と「国債利回り」です。
・国債価格 → 人気あり=価格上昇
人気なし=価格下落
価格の場合は、入札などをイメージしてもらうと分かりやすいと思うのですが、人気がある(需要がある)と価格は上昇して、人気がない(需要がない)と価格は下落します。
・国債利回り → 人気あり=利回り下落
人気なし=利回り上昇
利回り=利息と思ってもらえばよいと思います。 信用のある国(人気の国)は利息は安く、信用のない国(人気のない国)は利息が高い傾向にあります。
このように、「価格」と「利回り」では逆相関の関係にあります。
国債に関しては、以下にもまとめていますので併せて読んでいただけたらと思います。
2)長期金利は国の信用度
上記でも記載したように、人気によって国債の利回りは上昇したり下落したりします。
例えば、日本と北朝鮮が10年国債が同じ利息だったらどちらを買いますか?
当然、北朝鮮は帰ってこないリスクがあるので、日本の国債を買うと思います。 ただ、日本の利息と北朝鮮の利息が100倍違ったら北朝鮮の国債を買う人も出てくるかもしれません。 リスクとリターンのバランスだと思います。 信用度の高い国であれば利息をあまり払わずに国債を買ってもらえます。 信用度の低い国は、多くの利息を払わないと国債を買ってもらえません。 なので、利回りを見れば、その国の信用度を見ることが出来ます。
利回りとは、その国の信用度を表しているとも言えます。
では、信用度が下がるとはどういうことか? 景気後退、テロ、政治不安、災害、武力衝突、戦争など、国債の返還が心配になるようなことが起こると信用度が下がります。
逆を言えば、長期金利の利回りを見ていて、金利が上昇しているときは信用度が下がっている。 信用度が下がるようなことが起きているといえます。
長期金利を見ることで、景気後退、テロ、政治不安、災害、武力衝突、戦争などが起こったときに早く気付くことが出来ます。
3)長期金利は比較対象
上記のように、長期金利は国の信用度を表しています。 ただ、信用度を一つの国だけ見ていても、その信用度は高いのか?低いのか?わかりません。
そこで、他の国と比べたりします。 よく言われるのは「日米金利差」ではないかと思います。
日米金利差とは、日本の長期金利(日10年債利回り)と米国の長期金利(米10年債利回り)の差です。
米国の信頼度が下がると、日本の金利と米国の金利の差が縮まります。(現在は米長期金利のほうが、日長期金利よりも高いです)
米国の信頼度が下がる → 米ドルが売られる → ドル円が円高になる → 日米金利差が縮まると円高になる
このような関係になります。
このような相関関係にある金利の組み合わせは、まだまだたくさんあります。 為替は通貨単体で取引が出来ず、通貨ペアで取引をするので、上記のような国の信用度だけではなくて、他国との信用度の差を見ていくことも重要になってきます。
4)長期金利は景気の先読み
長期金利利回りが上昇すると、景気後退や政治不安など信用度が下がると言いましたが、これは悪い金利の上昇です。
長期金利利回りの上昇は大きく分けて2つあります。 今まで上記で書いてきたような、悪い要因で金利が上昇することが一つ。 もう一つが、良い金利の上昇です。 景気がよく、景気の過熱を抑えるための金利の上昇。 未来の金利上昇を先取りしたものです。
このような景気過熱からも金利は上昇します。
悪い上昇と良い上昇と2種類あるので見極めが大事です。
以上のように長期金利といっても色々な見方があります。 また、取引通貨ペアによっても、チェックする長期金利も変わってきます。 また、変化に気が付くためには、普段からの定期的なチェックが必要です。 何か変化を感じたら、そこに取引チャンスが待っていると思ってください。