2024年3月25日
月末・四半期末・年度末週・イースター休暇突入で実需の特殊フローに注目の1週間! 「3月25日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は日銀が金融政策決定会合でマイナス金利を解除し、ETFやJ-REITの新規買い入れを停止するなど異次元緩和を終了することを決定しました。
ただ、長期国債の買い入れは継続するなど通常の金融緩和政策を継続することを発表しました。
結果を受けてマーケットは円売りで反応し、ドル円は152円手前まで上昇しています。
FOMCでは注目されていたドットチャートが年内3回利下げ予想で変更がなかったものの、来年と再来年の利下げ予想は縮小されていました。
パウエルFRB議長はインフレ見通しなどが上方修正されたにもかかわらずに、年内の利下げ見通しには変更がないと示唆するなどハト派色が強く、ドル売りが進みました。
スイスでは市場予想で3割程度だった利下げが発表され、サプライズな結果にスイスフランが大きく売られました。
英中銀は利上げ支持をしていたMPCメンバーが据え置き支持に変わり、ベイリーBOE総裁の発言でも利下げに前向きな内容になっていることからポンドの上値は重くなっています。
今週は重要指標もありますが、月末週で四半期末週、年度末週でもあることから実需の特殊フローが出てくる可能性があります。
また、円安が進んでおり、円買い介入に関する発言やレベル感に注目しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
豪CPI(消費者物価指数)
予想:3.5%
前回:3.4%
RBAは先日の理事会で追加利上げに関する文言を削除するなどハト派にスタンスを変更しています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回り、前回値よりも低下していれば利下げ期待が高まり、豪ドルが売られるのではないかと注目しています。
豪小売売上高
予想:0.4%
前回:1.1%
RBAは先日の理事会で追加利上げに関する文言を削除するなどハト派にスタンスを変更しています。
小売売上高が市場予想を下回り、豪経済の悪化が確認されればRBAの利下げ期待が高まり、豪ドルが売られるのではないかと注目しています。
英GDP
予想:-0.3%
前回:-0.3%
英国はテクニカルリセッション入りしており、マイナス幅が大きくならないか注目しています。
ベイリーBOE総裁は利下げに関する発言をするなどハト派色も強くなってきており、利下げ期待が高まっていることから、結果が悪ければ利下げ期待がさらに高まりポンド売りが進むのではないかと注目しています。
ドイツ雇用統計
予想:5.9%/1.00万人
前回:5.9%/1.10万人
ドイツはECB最大の経済国で、ドイツ経済が悪化している場合は利下げ期待に繋がると考えています。
景気が悪化し、雇用市場が悪化していないか、ドイツの雇用統計に注目です。
米GDP、失業保険申請件数
予想:3.2%、
前回:3.2%、21.0万件
米国のGDPはプラス圏で強い経済が確認されています。
予想通り強い結果が出てくれば利下げ期待は後退するのではないかと考えています。
また、FRBは雇用市場に注目しており、毎週発表されることから雇用の先行指標として注目されている失業保険申請件数にも注目したいと思います。
失業保険申請件数の中でも特に、新規よりも継続が悪化していないかに注目しておきたいと思います。
カナダGDP
予想:0.8%
前回:1.1%
カナダ中銀は早ければ6月にも利下げするのではないかと予想されています。
カナダの景気が悪化していないかGDPに注目です。
景気が悪化していた場合は利下げ期待が高まるのではないかと考えています。
ミシガン大学消費者信頼感指数
予想:76.6
前回:76.5
ミシガン大学消費者信頼感指数は景気の先行指標、景況感指標として注目されています。
また、同時に発表される期待インフレ率にも注目です。
1年先の期待インフレ率がどこまで低下しているのか、FRBが予想しているインフレ見通しに沿っているのか注目です。
フランスHICP(消費者物価指数)
予想:2.7%
前回:3.0%
ドイツに次ぐ欧州の経済大国であるフランスの物価がどこまで停会してきているのか、HICP(消費者物価指数)に注目です。
物価の低下が確認されればECBの利下げ期待に繋がるのではないかと注目です。
PCEデフレーター
予想(コア):2.5%(2.8%)
前回(コア):2.4%(2.8%)
FRBが最も注目している指標であるPCEデフレーターが市場予想を下回り、前回値よりも低下していれば利下げ期待が高まるのではないかと思います。
市場予想通りや市場予想を上回る結果となれば利下げ期待が後退し、ドル買いが進むのではないかと注目しています。
2)要人発言
金融政策発表ラッシュが先週で通過したことで、次の金融政策に向けて注目が移っています。
FRBは年内利下げ回数が3回と予想されており、利下げ期待が後退し年内2回の利下げになるのではないかと注目されています。
また、11月には大統領選挙も控えており、選挙期間中の利下げの実施などにも注目が集まっています。
ECBは6月の利下げが既定路線となりつつあります。
一部ではさらに利下げの前倒しもあるのではないかと注目されています。
英中銀は先日の金融政策発表で利上げ支持はいなくなり、ベイリーBOE総裁は利下げについて前向きな発言が出てきており、利下げ期待が高まっています。
利下げに関する発言が今後増えてくるのか、ハト派スタンスが強くなるのか注目されています。
スイス中銀はサプライズの利下げを発表し、追加利下げが出てこないか注目されています。
また、スイスはフラン高に対する介入などの発言にも注目しておきたいと思います。
最後に日本は円安が進み、152円が強く意識されています。
円安が進み再度152円に近付いた場合、口先介入が出てこないか注目です。
介入に関する発言とレベル感に注目しておきたいと思います。
3)季節要因
今週は、月末週であり、四半期末週、日本は年度末の週でもあります。
米国などキリスト教系の国ではイースター休暇に入ります。
そのため実需の特殊フローが出てくる可能性があります。
東京・欧州・NYそれぞれの市場のオープン・クローズ前後、また仲値やロンドンFIXなどは大きな特殊フローが出やすいので注意しておきたいと思います。
金曜日は週末・月末・四半期末・年度末がイースター休暇の初日で、多くの国が休場で取引量が激減しているという状況でPCEデフレーターなどの指標が発表されます。
値が飛ぶ、約定しにくいなどのリスクがあるため、ポジション調整はしっかりとしておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
3月25日(月曜日)
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(1月23日分)
19:00 EUR ラガルドECB総裁発言
21:00 USD 米建築許可件数
21:25 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
23:00 USD 米新築住宅販売戸数
23:15 GBP マンBOE外部理事発言
23:30 USD クックFRB理事発言
3月26日(火曜日)
02:00 USD 米2年債入札
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
21:30 USD 米耐久財受注
23:00 USD 米消費者信頼感指数
3月27日(水曜日)
02:00 USD 米5年債入札
04:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
09:30 AUD 豪CPI(消費者物価指数)
10:00 JPY 田村日銀審議員発言
17:30 SEK スウェーデン中銀政策金利・声明文発表
18:00 EUR チポローネECB専務理事発言
23:00 CHF スイスSNB四半期報告書
23:30 USD 原油在庫量
3月28日(木曜日)
米債券市場短縮取引(聖金曜日の前営業日)
02:00 USD 米7年債入札
07:00 USD ウォラーFRB理事発言
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(3月19日分)
09:30 AUD 豪小売売上高
16:00 GBP 英GDP
17:55 EUR ドイツ雇用統計
21:30 USD 米GDP(確定値)、失業保険申請件数
21:30 CAD カナダGDP
22:45 USD シカゴPMI
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・期待インフレ率
3月29日(金曜日)
豪州、NZ、香港、シン
米国は株式・債券・商品市場が休場(聖金曜日(グッドフライデー)の祝日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
02:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:30 USD 米PCEデフレーター
3月30日(土曜日)
00:20 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
00:30 USD パウエルFRB議長発言