2023年4月3日
イースター前のISMや雇用統計に注目の1週間! 「4月3日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はFRBが政策判断に重要視しているPCEデフレーターが発表されました。
結果は市場予想をやや下回る結果となりました。
週末段階で5月FOMCの利上げ予想は据え置きと追加利上げが五分五分となっています。
今週発表の雇用統計の結果で大きく変化が出てきそうです。
また、今週末から来週月曜にかけてイースター休暇になります。
週末は休場となる国が多く、薄商いになります。
薄商いの中で雇用統計の発表があるので結果次第では激しい値動きになるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
RBA理事会
注目度:高い
織り込み度:据え置きと0.25%利上げが五分五分
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅と次回以降の利上げ見通し
3月のRBA理事会で「次回会合で利上げ休止について再検討する」
追加利上げと据え置きの予想がわかれているため、どちらの結果が出てきても大きく動くのではないかと注目しています。
また、追加利上げ、据え置き、どちらの結果が出てきたとしても、次の理事会での利上げについても注目が集まっている。
組み合わせとしては、
・4月利上げで5月以降利上げ停止
・4月利上げで5月以降はデータ次第
・4月据え置きで5月に追加利上げの可能性
・4月据え置きで利上げ終了
このようなパターンを予想しています。
4月利上げで5月以降はデータ次第という結果になれば豪ドルが買われるのではないかと予想、4月据え置きで利上げ終了となると豪ドルは大きく売られるのではないかと予想しています。
RBNZ理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げを大方織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:次回の利上げについて
金融不安も落ち着きを取り戻してきていることから、市場予想通り0.25%利上げが実施されると思います。
注目は声明文で、前回の声明文では「金融状況
お隣の豪州では利上げ停止が意識されており、NZの利上げ終了が近付いているのかに注目が集まっています。
声明文の内容がハト派に変化が見えるようであればNZドルの上値は重くなるのではないかと予想しています。
2)経済指標
ISM製造業景況指数
ISM製造業景況指数は製造業企業に対して、今後の景気のいくつかの項目について質問し、結果を指数化したもので景気の先行指標として注目されています。
特に景気の転換点で先行指標として注目されやすくなっています。
米国ではハイペースの利上げと金融不安から景気後退が一気に懸念される展開となっており、景気の先行指標としてISMにも注目が集まっています。
市場予想よりも結果が下回った場合、予想以上に景気後退が進んでいると受け止められドル売りが進むのではないかと注目しています。
また、金利が低下し、年内利下げの可能性も高まるのではないかと注目しています。
JOLT求人件数
米国の求人情報であるJOLT求人件数は労働市場の分析データの1つとして注目されています。
米国では人手不足を要因として人件費が高騰、物価高のの要因となっています。
労働市場がどの程度逼迫しているのか、市場予想を上回るのか下回るのか、結果に注目です。
ADP雇用統計
米国のインフレ要因の1つに人手不足があるため、雇用統計に注目が集まっています。
週末のNFP雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計の結果に注目です。
どの程度市場予想を上回る雇用者数が出てくるのか、それとも予想を下回る結果になるのか注目です。
ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景況指数は非製造業(サービス業)の企業に対して、今後の景気について質問し結果を指数化したもので、景気の先行指標として注目されています。
消費大国の米国はGDPのうち消費が占める割合が大きく、非製造業(サービス業)の景況感は重要視されています。
ISM非製造業景況指数の市場予想は好不況の分岐点「50」を上回る54.5が予想されており、結果が予想を下回るのか、50を割り込むことがないのかに注目しています。
金融不安が広がっただけに、消費意欲が低下しISM非製造業景況指数の結果が50を割り込むような結果になるとイッキに景気後退が懸念される展開になるのではないかと注目しています。
カナダ雇用統計
カナダ中銀による利上げは停止しており、年内の利下げが注目されています。
雇用者数が低下し、失業率が悪化しているようであれば年内の利下げが意識され、カナダドルが売られる展開が予想されます。
失業率がどこまで悪化しているのか注目です。
NFP雇用統計
物価上昇の要因の1つである人件費の高騰を確認するために平均時給が市場予想を下回るか、前回値と比べて低下しているのかに注目しています。
雇用者数と失業率よりも平均賃金に注目し、その上で失業率が悪化しているのかに注目したいと思います。
平均時給や失業率が悪化していた場合、5月FOMCの据え置き織り込みが進み金利低下・ドル安が進むのではないかと思います。
金利と併せて注目しておきたいと思います。
3)要人発言
FRB
5月FOMCの利上げ予想が五分五分になっており、利上げに織り込みが進むのか、それとも据え置きに織り込みが進むのか、要人発言に注目しています。
利上げに織り込みが進むようであれば少し金利高ドル買いが進む可能性はあると思いますが、ドルの上値は思います。
逆に据え置きが織り込まれるようであれば一気にドル売りが進むのではないかと注目しています。
ECB
先週発表された欧州の物価指標は、ドイツやフランスは市場予想を上回り、ユーロ圏は市場予想を下回る結果となっています。
ターミナルレート(利上げの最終水準)がどの水準になるのか、発言に注目です。
また、ドイツ銀行や南欧の銀行はもともと問題を抱えていたので、金融不安が根強く残っていないかにも注意しておきたいと思います。
BOE
英国の物価は高いまま10%台を維持しています。
5月以降の追加利上げがあるのか、ターミナルレート(利上げの最終水準)がどの水準になるのか発言に注目です。
また、英国がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加することが決まり、景気や経済や金融政策に影響するのかにも注目です。
◎今週のイベントスケジュール
4月3日(月曜日)
08:50 JPY 日銀短観
10:30 AUD 豪小売売上高
10:45 CNY 財新製造業PMI
15:30 CHF スイスCPI(消費者物価指数)
16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)
16:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
17:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
19:00 EUR シムカス・リトアニア中銀総裁発言
21:00 EUR ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
22:45 USD 米製造業PMI(改定値)
23:00 USD ISM製造業景況指数
4月4日(火曜日)
05:15 USD クックFRB理事発言
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文
18:15 GBP テンレイロBOE外部理事発言
19:00 EUR シムカス・リトアニア中銀総裁発言
23:00 USD JOLT求人件数
4月5日(水曜日)
中国、香港(清明節)、休場
01:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト
07:15 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文
11:30 AUD ロウRBA総裁発言
12:00 NZD オアRBNZ総裁発言
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
18:15 GBP テンレイロBOE外部理事発言
20:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
21:15 USD ADP雇用統計
21:30 USD 米貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
23:30 USD 原油在庫量
4月6日(木曜日)
10:30 AUD 豪貿易収支
10:45 CNY 財新サービス業PMI
17:30 GBP 英建設業PMI
21:30 USD 米失業保険申請件数
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
23:00 CAD カナダIveyPMI
23:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
4月7日(金曜日)
聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で豪州、NZ、香港、シン
(米国は株式・商品市場が休場、債券市場が短縮
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
4月8日(土曜日)
4月9日(日曜日)
統一地方選挙
植田氏が日銀総裁に就任