トランプ次期大統領の行動と米英豪の経済指標に注目の1週間! 「11月11日週の注目点とイベントスケジュール」

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2024年11月11日

トランプ次期大統領の行動と米英豪の経済指標に注目の1週間! 「11月11日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週は米国大統領選挙の投開票が実施され、トランプ候補が圧勝しました。

同時に行われた連邦議会選挙で上院は共和党が過半数を獲得し、下院でも共和党が過半数を獲得する可能性が高い様子です。

これで来年以降(次回議会選挙までの2年間)はホワイトハウス・上下両院を共和党が掌握するトリプルレッドとなり、トランプ政権2.0が思うように政権運営が出来る状況になりそうです。

このことで、大統領選挙後は各国の首脳がトランプ次期大統領にコンタクトし、関係を築く動きが活発となっています。

プーチン大統領とは20分の電話会談だったそうですが、石破首相とは5分で終了したそうです。

 

また、英中銀やFOMCが開催され、どちらも予想通り0.25%の利下げを決定しました。

英中銀はインフレーションレポートで物価見通しを上方修正し、利下げ期待が後退するなどややタカ派姿勢となっています。

FRBも今後の利下げはデータ次第とし、利下げ期待が後退する展開となっています。

 

今週は米英豪の指標結果を見ながら、トランプ次期大統領の行動や発言によるリスク要因がマーケットの中心となっていくのではないかと考えています。

目次

◎今週の注目点

 

1)経済指標

 

英雇用統計・失業率・平均賃金

先日発表されたインフレーションレポートで物価見通しが上方修正されたことで、英中銀の利下げ期待が後退しました。

雇用統計では人件費に繋がる平均賃金の上昇率に注目。

予想以上に上昇していれば人件費の高止まりから物価の高止まりが懸念されるのではないかと思います。

 

 

 

豪四半期賃金指数

RBAは根強いインフレから利下げ時期は来年以降とタカ派姿勢を維持しています。

四半期賃金指数が予想以上の結果となれば、賃金(人件費)の高止まりでインフレの高止まりが懸念され、利下げ時期が先送りになるのではないかと思います。

そうすると他の利下げサイクルの中銀と金融政策の差から豪ドルが底堅い動きとなるのではないかと思います。

 

 

 

米CPI(消費者物価指数)

先日のFOMCでFRBは連続会合の利下げを決めましたが、今後はデータ次第としました。

12月FOMCも利下げ濃厚となっていますが、やや利下げ期待が後退してきています。

米CPI(消費者物価指数)が予想以上の高止まりしているようであれば利下げ期待が後退し、ドル買いが進むのではないかと思います。

12月のFOMCが据え置きとなる可能性は低いかもしれませんが、来年の利下げ回数が減少するのではないかと思います。

 

 

 

豪雇用統計・失業率・労働参加率

雇用者数の増加に加えて労働参加率にも注目しておきたいと思います。

雇用者数が増えても非正規ばかりでフルタイムが増えていなければ内容的にはよくない、雇用者数とともにフルタイムが増えていれば利下げ期待は先送りになるのではないかと思います。

雇用者数・フルタイムともに予想を下回る結果となれば、RBAのタカ派姿勢も後退するのではないかと注目しています。

 

 

 

米PPI(生産者物価指数)、失業保険申請件数

PPI(生産者物価指数)は商品になる前の部品や原材料などの仕入れ価格のようなものなので、PPI(生産者物価指数)が上昇すると遅れてCPI(消費者物価指数)の上昇に繋がる可能性があります。

そのためPPI(生産者物価指数)は物価の先行指標として注目されています。

PPI(生産者物価指数)が予想以上の結果となれば、物価の高止まりが懸念され利下げ期待が後退するのではないかと思います。

また、同時に発表される失業保険申請件数に注目です。

直近のFRBは雇用市場に注目しており、失業保険申請件数は毎週発表されるため雇用指標の先行指標として注目されています。

注目度が高いだけに予想と結果の乖離が大きければ大きな値動きに繋がると思い注目しています。

 

 

 

英GDP

英国では物価見通しが上方修正され利下げ期待が後退しています。

GDPの結果が予想以上に強い結果となればさらに利下げ期待が後退し、ポンド買いが進むのではないかと思います。

ただ、財政や物価高から景気後退の可能性も高く、予想を下回るのではないかとの予想もあり注目されています。

 

 

 

米小売売上高、輸入物価指数、ニューヨーク連銀製造業景況指数

米国は予想以上に強い経済から利下げ期待が後退しています。

小売売上高やニューヨーク連銀製造業景況指数が強い結果となれば、底堅い米景気で利下げ期待が後退するのではないかと思います。

また、同時に発表される輸入物価指数が高くなると物価高に繋がるので、こちらも利下げ期待に繋がると思います。

 

 

 

2)リスク要因

 

トランプ政権2.0

米国大統領選挙では共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にし、上院議会では共和党が過半数を獲得しています。

下院議会でも共和党が過半数を獲得する可能性が高く、ホワイトハウス・上下両院を共和党が主導権を握るトリプルレッドが予想されています。

そのため、トランプ政権2.0は米国内外に対して決めたいように政権運営が出来る状況になります。

そのうえでトランプ政権2.0が何を行うのか、世界中のトップがトランプ次期大統領にコンタクトをとって関係を作っています。

中でもロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったと言われています。

ウクライナに圧力をかける形でウクライナ情勢の終結を計るのではないかと注目されています。

また、イスラエル支援からイランとの関係が悪化し、中東情勢が悪化する可能性があるのではないかと懸念されています。

当分の間はトランプ時期大統領を中心に世界のリスク要因が動いていくのではないかと注目しています。

 

 

 

3)要人発言

 

FRB

FRBは11月FOMCで市場予想通り0.25%利下げを決定しました。

ただ、12月FOMCの追加利下げについてはデータ次第とし、追加利下げをしない可能性も残しました。

声明文では「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めている」との文言が削除され、記者会見では「最新のインフレ報告はひどくはなかったが予想より少し高かった」などインフレ懸念について触れられました。

12月FOMCに向けて、タカ派とハト派の発言が出てくると思われ、12月FOMCの利下げ期待が後退するような内容が多く出てくるとドル買いが進むのではないかと思います。

また、トランプ前大統領が大統領選で勝利したことで、来年のインフレ見通しや金利見通しに変化が出てこないかにも注目しておきたいと思います。

 

 

 

ECB

ECBは10月理事会で2会合連続で利下げを決定しました。

今後についてはデータ次第との姿勢も維持していますが、マーケットは12月の理事会での追加利下げをほぼ織り込んでいます。

12月理事会で大幅追加利下げの可能性があるのか、利下げに否定的な意見が出てくるのか、ECBメンバーの発言内容に注目です。

また、欧州ではドイツ政権の崩壊から政治的混乱が懸念されています。

ドイツ経済の停滞が欧州経済にどこまで影響があるのか、発言に注目しておきたいと思います。

 

 

 

BOE

英中銀は11月会合で市場予想通り8対1で利下げが決定されました。

同時に発表されたインフレーションレポートでは物価見通しが上方修正され、12月の利下げ期待は後退しています。

金利見通しでは「2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%」と予想されています。

この金利見通しを基準にどのような発言が出てくるのか注目したいと思います。

また、今週は雇用統計やGDPの発表が予定されており、結果を受けての発言にも注目しておきたいと思います。

 

 

 

RBA

RBAは主要中銀の中で唯一タカ派の中銀です。

他国と同調して利下げを進める必要はないとの姿勢を示しており、利下げ時期はもう少し先なのではないかと思います。

今週は雇用指標や賃金指数などの指標が予定されており、強い結果が続けばタカ派姿勢が続く可能性が高いと思われます。

また、トランプ政権2.0が中国経済に影響を与えるのではないか、中国とつながりの深い豪州経済にも影響が出るのではないかと注目されています。

トランプ政権2.0の影響について発言が出てくるのかにも注目です。

 

 

 

RBNZ

RBNZの年内理事会は11月が最後となり、次は来年2月まで理事会がありません。

そのため11月理事会でも予防的に大幅利下げを進める可能性があるのではないかと予想されています。

現在マーケットは0.5%の大幅利下げをかなり織り込んでいますが、0.75%の利下げもあるのではないかと一部予想が出始めています。

大幅利下げについて発言が出てこないか、発言内容に注目です。

 

 

 

BOC

カナダは連続利下げを決定し、先日の会合で0.5%の大幅利下げを決定しました。

12月会合の追加利下げの可能性が高いのではないかと予想されています。

また、トランプ政権2.0によりカナダと米国の貿易条件の変更、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に含まれる6年ごとの見直し条項を利用し、協定の再交渉を行う意向を示しています。

トランプ政権2.0になることでカナダの経済見通しに変化があるのか発言に注目しておきたいと思います。

 

 

 

日銀

日銀は追加利上げに注目が集まっています。

先日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り据え置きでしたが、その後の記者会見では12月の金融政策決定会合での利上げを匂わせるような発言が出てくるなど、植田日銀総裁のタカ派姿勢が目立ちました。

12月の会合で利上げに踏み切るのか、それとも据え置くのか、追加利上げに関する発言に注目です。

また、ドル高が進んだことでドル円は一時155円手前まで上昇しました。

155円を超えた場合、円安が進んだ場合に口先介入が出てくるのか、円買い介入の可能性があるのか発言に注目です。

 

 

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

11月11日(月曜日)

 

米国債券市場休場(ベテランズデー)

カナダ休場(リメンバランスデー)

 

08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月31日分)

16:00 NOK ノルウェーCPI(消費者物価指数)

 

 

11月12日(火曜日)

 

08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数

16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金

16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)

17:00 EUR レーン・フィンランド中銀総裁発言

19:00 EUR ユーロ圏・ドイツZEW景況感指数

23:00 EUR チポローネECB専務理事発言

 

 

11月13日(水曜日)

 

00:00 USD ウォラーFRB理事発言

00:15 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言

04:00 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言

07:00 USD ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言

07:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言

09:30 AUD 豪四半期賃金指数

18:45 GBP マンBOE外部理事発言

22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)

23:30 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言

23:35 USD ローガン・ダラス連銀総裁発言

 

 

11月14日(木曜日)

 

03:00 USD ムサレム・セントルイス連銀総裁発言

03:30 USD シュミッド・カンザスシティ連銀総裁発言

04:00 USD 米月次財政収支

08:00 AUD ブロックRBA総裁発言

09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率

17:30 EUR デギントスECB副総裁発言

19:00 EUR ユーロ圏雇用統計・失業率、GDP

21:30 EUR ECB理事会議事要旨(10月17日分)

22:00 GBP マンBOE外部理事発言

22:30 USD 米PPI(生産者物価指数)、失業保険申請件数

23:00 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言

 

 

11月15日(金曜日)

 

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ペルー・リマ、16日まで)

 

01:00 USD 原油在庫量

03:00 GBP ベイリーBOE総裁発言

03:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言

04:00 EUR ラガルドECB総裁発言

05:00 USD パウエルFRB議長発言

06:00 GBP ベイリーBOE総裁発言

06:15 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言

08:50 JPY 7∼9月期国内総生産(速報値)

16:00 GBP 英GDP

16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)

22:30 USD 米小売売上高、輸入物価指数、ニューヨーク連銀製造業景況指数

 

 

11月16日(土曜日)

 

00:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言

03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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