ハイペース利上げの影響が出ているのか米住宅指標に注目! 「3月29日の注目点とイベントスケジュール」

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2023年3月29日

ハイペース利上げの影響が出ているのか米住宅指標に注目! 「3月29日の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

昨日は注目されていたバーFRB副議長(銀行監督担当)の金融不安に関する議会証言は、前日に証言内容の原稿が出ていたことから大きなサプライズもなくマーケットの反応は限定的でした。

新たなヘッドラインも出てこなかったことから金融不安はやや後退し、リスクオフもじわじわと後退しています。

 

本日もリスク要因に注意しながら、米国の住宅指標に注目した起きたいと思います。

目次

◎本日の注目点

 

1)リスク要因

 

米地銀SVBの破綻に始まり、米国では中小地銀を中心に取り付け騒ぎが広がりリスクオフが進み、影響は英欧まで広がりました。

スイスではもともと問題を抱えていたクレディスイスに飛び火、クレディスイスはUSBに買収されることになりました。

USBに買収されたことで一旦は落ち着きを取り戻すかと思いましたが、クレディスイスが発行していたAT1債(劣後債)が無価値になったことで、世界的に劣後債などの債権不安が広がり金融不安に繋がりリスクオフが進んでいます。

米当局は全預金保護を発表し、主要6中銀(FRB・ECB・日銀・英中銀・カナダ中銀・スイス国立銀行)は金融安定のため強調オペすることを発表するなどして金融不安の払しょくに動いたことで、少し落ち着きを取り戻しリスクオフは後退するかに思えましたが、先週イエレン財務長官は議会で、預金保護の対象を大幅に拡大するつもりはないと発言したことでイッキに金融不安が再燃し、リスクオフが進みました。

翌日には前日の発言を否定し、預金保護のために追加措置を講じる用意があると発言し、週末にはイエレン財務長官は金融安定監視評議会を招集し、銀行部門の現状について議論するなど金融不安が落ち着くように動いています。

SVBの買収報道で、米国のリスクオフは後退し、先週大きく下落したドイツ銀行の株価は反発上昇したことでリスクオフは巻き戻しています。

本日も次のリスクオフの材料が出てこないか、銀行・金融に関するヘッドラインに注目です。

 

 

 

2)経済指標

 

豪CPI(消費者物価指数)

豪州では3月分のRBA理事会議事要旨で「次回会合で利上げ休止について再検討する」などの見解が示され、RBAの利下げ停止や一部では7月にも利下げに動くのではないかとの見方も出てきています。

今回のCPI(消費者物価指数)が予想以上に低下していた場合は、7月利下げの可能性が高まり、豪ドル売りが加速するのではないかと注目しています。

 

 

 

米中古住宅販売保留

米国ではFRBによるハイペースの利上げでローン金利が上昇し、住宅市場の低迷が注目されています。

住宅市場が低迷すると引越しが少なくなり、引っ越しのタイミングで売れるはずの家具や家電の販売が低迷、景気後退やインフレ低下に繋がります。

このことから、住宅関連の経済指標に注目が集まっています。

 

 

 

3)要人発言

 

FRB

3月のFOMCで発表されたドットチャートから予想されるターミナルレート(利上げの最終水準)は5.1%に据え置かれています。

記者会見でパウエルFRB議長は年内の利下げを否定しており、年内利下げがないのであれば5月に0.25%利上げを実施するとターミナルレート(利上げの最終水準)に達します。

ただ、マーケットは5月FOMCで据え置き、年内利下げを織り込み始めています。

FRBとマーケットの間の見通しで乖離が出てきており、この乖離についてFOMCメンバーがどのような発言をするのか注目です。

追加利上げや年内の利下げ否定をマーケットに織り込ませるような発言が出てくるようであれば、ドルは底堅く推移するのではないかと思います。

 

 

 

ECB

米国やカナダ、豪州では利上げの終了が見えています。

欧州では米国よりも高いインフレが確認されており、利上げも出遅れたことからECBによる追加利上げが期待されています。

今週はHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されることから、物価高が確認された場合に追加利上げの可能性について発言があるのか、物価高の鈍化が確認された場合に利上げ終了について発言があるのか注目です。

追加利上げに積極的な発言が出てくるようであればユーロ買いが進むのではないかと注目しています。

 

 

 

BOE

英中銀は市場予想通り0.25%利上げを実施しています。

声明でインフレ持続の兆しがあればさらなる利上げが必要と示されたものの、CPI(消費者物価指数)は4~6月期は大幅に低下し、2月発表のインフレーションレポートで予想した数字よりも低い水準になるとインフレの低下を示唆しました。

ただ、英中銀の金融政策発表直前に発表されたCPI(消費者物価指数)は市場予想を上回り、前回値よりも高い数字となっておりインフレの加速が確認されています。

その上で2月発表のインフレーションレポートで予想した数字よりも低いインフレとなると予想しているのか、追加利上げに積極的にならなくてもよいのか、MPCメンバーの発言に注目です。

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

3月29日(水曜日)

 

09:30 AUD 豪CPI(消費者物価指数)

17:00 EUR カジミール・スロバキア中銀総裁発言

23:00 USD 米中古住宅販売保留

23:00 USD バーFRB副議長発言(議会証言)

23:30 USD 原油在庫量

 

 

3月30日(木曜日)

 

01:30 CAD グラヴェルBOC副総裁発言

02:00 USD 米7年債入札

03:50 GBP マンBOE外部理事発言

05:40 EUR シュナーベルECB専務理事発言

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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