2021年7月11日
パウエルFRB議長の議会証言に政策金利、重要指標と材料豊富な1週間! 「7月12日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は急なリスクオフが進み、資源国通貨である豪ドルやNZドル、カナダドルが大きく売られました。
カナダドルはOPECプラス閣僚級会合の決裂による原油価格の下落も売り要因の一つとなっているかもしれません。
リスクオフにより、円やフランは大きく買われています。
先週のリスクオフの要因は、中国説や東京緊急事態宣言によるオリンピック無観客説など様々な説が挙げられていますが、どれも明確な要因はなく説明できていません。
相場はたまに理由なき動きがあるので、複合的な要因が重なりリスクオフになったのだと思います。
この流れが今週も続くのかは注意しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)パウエルFRB議長議会証言
今週パウエルFRB議長は米議会で証言が予定されています。
6月のFOMCではタカ派な内容が出てきたことで早期のテーパリングや利上げ期待が進みました。
ただ、7月の雇用統計はイマイチな結果だったことから、早期のテーパリングや利上げ期待は落ち着いています。
今週の議会証言でテーパリング開始の時期に関するヒントが出てきてタカ派な内容となるのか、インフレは一時的として緩和継続を支持しハト派な内容となるのか注目です。
2)政策金利発表
カナダ政策金利
先週のカナダ雇用統計では雇用者数は増加していたものの、正規雇用は減り、非正規雇用が増えており、失業率は悪化していた。
先週の雇用統計が良い結果が出ていれば今週の金融政策発表でもう一段階の引き締めが期待されていたが、結果がイマイチだったためもう一段の引き締めに動くか微妙な状況になっている。
もう一段の引き締めに動けばカナダドルが買われると思うが、据え置きだった場合は米国のテーパリング期待が進めばドル買いからカナダドルが売られる可能性があるのではないかと予想しています。
資産買い入れ額の減少が発表されるのか、また資産買い入れ額減少のヒントが出てくるのか要注目です。
RBNZ理事会
先週NZ系の銀行がRBNZは今年11月にも利下げをするとの予想を出したことで、NZドルが大きく買われる場面がありました。
ニュージーランドはコロナの抑え込みに成功し、経済正常化がかなり進んでいます。
雇用も回復しておりインフレもかなり進んでいるようです。
このような状況から利上げ予想が出ていると思われています。
今週の理事会で利上げとはならないと思われますが、ヒントが出てこないか注目が集まります。
トルコ政策金利
トルコは6月のCPI(消費者物価指数)前年比が17.53%とインフレ懸念が進んでいます。
ただ、エルドアン大統領は第2四半期の成長率は20%以上を予想と楽観的、インフレは利下げをすれば解決するとの持論から中央銀行に利下げ圧力をかけています。
中央銀行が圧力に負けずに政策金利を据え置くことができるか注目です。
日銀金融政策決定会合
日銀は今回も現状維持で無風通過だと思っています。
ただ、声明文と記者会見だけは注意して見ておきたいと思います。
3)経済指標
雇用統計
今週は豪州と英国で雇用統計が発表されます。
どちらもコロナ禍からどこまで雇用が回復しているか雇用に注目が集まりますが、豪州雇用統計には特に注目しています。
先日のRBA理事会で緩和政策の継続が発表されましたが、ニュージーランド同様に経済正常化が進みインフレも進んできています。
先月の雇用統計では失業率が5.1%と、コロナ前の水準まで戻してきています。
4%台の戻すようなことがあれば完全雇用も近づき、テーパリング・利上げ期待が進むのではないか注目しています。
CPI(消費者物価指数)
今週は米国と英国でCPI(消費者物価指数)、ニュージーランドは四半期CPI(消費者物価指数)、欧州ではHICP(消費者物価指数)の改定値が発表されます。
米国や英国、ニュージーランドでは物価上昇が進めばテーパリングや利上げ期待に繋がるため注目が集まっています。
また、欧州では北欧州と南欧州で経済格差が懸念され、北欧州ではインフレ懸念から早期の引き締め論が上がっています。
北欧州と南欧州のインフレ格差に注目です。
4)リスクオフ
先週木曜日は世界的に株価は下落、資源価格も下落、円やフランは買われ資源国通貨が売られるといったリスクオフが大きく進みました。
金曜日は少し戻したものの、まだまだ油断できない状況です。
リスクオフの要因は中国の中国企業の海外上場規制や、日本で東京が4回目の緊急事態宣言に踏み切りオリンピックを無観客にしたこと、デルタ株のコロナ感染拡大など色々と挙げられています。
また、今まで緩和マネーにより株価はバブル状態にあり、各国中銀が引き締めに転じ始めたことで利益確定売りが続いたことで株価が下落してリスクオフに繋がったとの意見もあります。
どのリスクオフ要因もありそうで、どの要因もそこまでリスクオフに繋がる要因ではないような気もします。
明確なリスクオフ要因が分からないのが正直なところで、今週も急なリスクオフが出てくる可能性がるので注意しておきたいと思います。
5)米金利
今週は米国債入札が続き、米金利が大きく動く可能性があるので注目しています。
米金利は米国の引き締め期待から一時は1.7%を超えて上昇していましたが、直近では1.3%台まで下落してきています。
米金利は低下したものの、米ドルは堅調に推移していることから、再度米金利が上昇し始めるともう一段のドル高が進む可能性があるので要注目です。
◎今週の注目通貨
1)米ドル
選手はドル売りが進んだが、基本はドル買い戦略で見ています。
進んだドル売りはいい押し目になるのではないかとドル買いのチャンスをうかがっています。
今週は米CPI(消費者物価指数)やパウエルFRB議長の議会証言など材料は豊富なので、チャンスを探したいと思います。
2)カナダドル
先週はOPECプラス閣僚級会合の決裂で原油価格の下落から、カナダドルの下落に繋がりました。
今週も原油価格の下落には注意しておきたいが、基本は買い目線でいます。
カナダはコロナワクチンの接種が進み経済正常化も進んでいます。
原油価格が暴落しない限りは、カナダドルは底堅く推移し上昇するのではないかと押し目を探しています。
3)豪ドル
ドル買いが進めば相対的に売られやすい通貨だと思っています。
今週の雇用統計で良い数字が出て、引き締め期待が高まり再度買われやすい通貨の入るのか、現状維持でドル買いによる相対的に売られる通貨になるのか注目しておきたいと思います。
また、リスクオフが進めば、豪ドル売りで戦略を組みたいと思います。
4)NZドル
今週はRBNZ理事会もあり、利上げ期待が進むのか注目ています。
豪ドル同様、利上げ期待が進まなければドル買いによる相対的に売られやすい通貨に入ると思います。
ただ、利上げ期待が進めば買われやすくなると思っています。
政策金利発表と声明文の発表から、買われやすい通貨に入るのか、売られやすい通貨に入るのか注目しておきたいと思います。
5)ユーロ
先週発表されたECBの金融政策の戦略見通しはハト派な内容を強調するものでした。
緩和政策を継続するとしたことでユーロの上値は重しとなったと思います。
今週もユーロの上値は重たく、基本はユーロ売りで考えていきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
7月12日(月曜日)
ユーロ圏財務相会合
7月13日(火曜日)
EU財務相理事会
01:00 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
02:00 USD 米3年債・10年債入札
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
7月14日(水曜日)
02:00 USD 米30年債入札
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(改定値)
16:30 SEK スウェーデンCPI(消費者物価指数)
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)
23:00 CAD カナダ政策金利・声明文発表
23:30 USD 原油在庫量
7月15日(木曜日)
米独首脳会談(ワシントン)
01:00 USD パウエルFRB議長議会証言(米下院金融サービス委
02:00 GBP ラムスデンBOE副総裁発言
03:00 USD ベージュブック(米地区連銀経済報告)
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率
11:00 CNY 中国GDP(4~6月期)
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
17:00 EUR イタリアHICP(消費者物価指数)(改定値)
19:00 GBP ソーンダースBOE外部理事発言
21:30 USD 米新規失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:30 USD パウエルFRB議長議会証言(米上院銀行委員会で金融政策や経済情勢に関
7月16日(金曜日)
00:00 USD エバンス・シカゴ連銀総裁発言
07:45 NZD NZ四半期CPI(消費者物価指数)(4~6月期)
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米小売売上高
22:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
7月17日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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