昨日のECB理事会は一部で米銀破綻の影響で欧州銀行にも破綻の不安が広がっていることから0.25%利上げの可能性が浮上していましたが、市場予想通り0.5%利上げを発表しました。

ECB理事会が0.5%利上げを発表したことで、市場では金融システムが不安定化するとの警戒が高まり、株価は失速しリスク・オフのユーロ売りが進む場面がありました。

 

欧州では「クレディ・スイスがスイス中銀から、最大500億スイスフランを借り入れをする」との報道が流れたことで欧州の銀行株が上昇、米国では「JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーなど大手銀行は経営危機に陥っている米地銀ファースト・リパブリック・バンクへの支援策を検討。資本注入が含まれる可能性もある」「複数の銀行がファースト・リパブリックに約300億ドルを支援する」との報道が相次いだことから銀行株が上昇しリスクオフは後退しています。

 

本日は来週のFOMC前の重要指標であるミシガン大学消費者信頼感指数が発表されます。

期待インフレ率の結果次第では米ドルが大きく動くのではないかと注目しています。

◎本日の注目点

 

１）経済指標

 

ミシガン大学消費者信頼感指数

ミシガン大学消費者信頼感指数と同時に発表される期待インフレ率に注目です。

物価抑制のためにFRBは利上げを続けているので、期待インフレ率が高いままだと利上げ継続観測が高まると思っています。

また、消費者信頼感指数が強い結果となると底堅い経済となり、利上げの追い風となるのではないかと注目しています。

 

 

 

２）リスク要因

 

先週末のSVB破綻で、米国では連鎖破綻が懸念される展開となりリスクオフが進んでいました。

米当局が預金保護を発表し、FRBが金融政策ではなく銀行規制で対応するのではないかとの報道が出たことで落ち着きを取り戻していました。

ただ、米銀破綻の影響は欧州まで飛び火し、欧州株価は大きく下落しました。

また、クレディスイスの筆頭株主であるサウジ国立銀行が追加支援の可能性を否定したことで、クレディスイスの株価は24%安の過去最大の下落率を記録しました。

クレディスイスの信用コストはリーマンショック級まで低下しており、欧州を通して金融危機の再来になるのではないかとリスクオフが進んでいます。

その後、米国ではJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴなど米銀11行が合計300億ドルの無保険預金を米地銀ファースト・リパブリック・バンクに預け入れると発表したことで米銀株は上昇しています。

欧州では「クレディ・スイスがスイス中銀から、最大500億スイスフランを借り入れをする」との報道が流れたことで、欧州株が上昇するなどリスクオフは少しづつ後退しています。

次の銀行不安が出てこないか、リスクオフが進まないか注目です。

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

 

3月17日(金曜日)

 

16:00　EUR　シムカス・リトアニア中銀総裁発言

23:00　USD　ミシガン大学消費者信頼感指数・期待インフレ率(速報値)

 

 

3月18日(土曜日)

 

02:00　USD　ベイカーヒューズ社リグカウント