2023年5月22日
債務上限問題に注目の1週間! 「5月22日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はリスク要因がマーケットの中心となりました。
週前半から後半にかけて債務上限問題に関して前向きな発言が出てきたことで楽観視され、リスクオフは後退していました。
ただ、週末直前に債務上限に関する協議からマッカーシー下院議長が退出したとの報道が出たことで、イッキにリスクオフが進みました。
また、イエレン財務長官が銀行幹部らに「一連の銀行破
今週は重要指標に加えて、債務上限問題に対して残り期限が少なくなってきていることから、リスク要因が強く意識される展開となるのではないかと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
RBNZ理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げを織り込み済み
バイアス:ややNZドルの上値重い
ポイント利上げ幅と声明文
RBNZ理事会は0.25%利上げを織り込み済みとなっています。
なので、0.25%利上げには大きく反応はしないと思います。
ただ、RBNZはサプライズの多い中銀なので据え置きや0.5%の利上げが発表された場合は大きな値動きに繋がるのではないかと注目しています。
また、注目しているのは声明文で、今後の見通しで追加利上げの可能性があるのか、それとも利上げ終了が近いのか、声明文の内容から読み解きたいと思います。
追加利上げの可能性が高まればNZドル買い、利上げ終了の可能性が高まればNZドル売りで反応するのではないかと思っています。
FOMC議事要旨
FRBは5月FOMCの利上げで利上げ終了するのではないかとマーケットは予想していました。
ただ、地区連銀総裁などFOMCメンバーからは追加利上げを否定しないタカ派の発言が続いたことと、市場予想を上回る期待インフレ率などから追加の利上げ期待が高まりました。
その後パウエルFRB議長はタカ派発言をけん制するように利上げ終了を匂わせる発言をしています。
今後の追加利上げについてどのような検討がされたのか、どのようなポイントに注目しているのか、年内の利下げについて協議されたのか、議事要旨の内容に注目しています。
2)リスク要因
注目しているリスク要因は米債務上限問題と銀行信用不安の2点です。
債務上限問題に関しては、政府の資金が6月1日にも枯渇してしまう可能性をイエレン財務長官が言及しています。
このまま政府の借金の上限額である債務上限を引き上げなければ政府資金は枯渇し、債権の償還・利払いが出来なくなりデフォルトとなってしまいます。
また、一部の政府機関が閉鎖となり米国経済に大きく影響が出てしまいます。
そのため、5月中に債務上限引き上げに関する法案について合意出来るのかに注目が集まっています。
バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で合意出来るのか、マッカーシー下院議長は共和党下院議員を取りまとめることができるのかに注目です。
銀行信用不安に関しては、SVB破綻から始まり銀行の資金流出が続き連鎖破綻に繋がっています。
イエレン財務長官は銀行幹部らに「一連の銀行破
銀行からの資金流出、銀行への規制強化、破綻や合併など銀行に関するヘッドラインが出てこないか注目です。
3)経済指標
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
各国中銀によるハイペースの利上げ・引き締めで景気後退が懸念されています。
また、米国の債務上限問題や金融不安などから消費意欲の後退なども懸念され、景気後退がより加速するのではないかと懸念されています。
PMIは製造業やサービス業などの景気に敏感な担当者に今後の景気見通しについて質問し、結果を指数化したもので景気の先行指標として注目されています。
今回は速報値なので、市場予想と結果が乖離する可能性が高く、結果が市場予想を下回るようであれば景気悪化が懸念される展開になり、各国のインフレも低下、中銀の引き締めも後退するのではないかと思います。
各国の製造業・サービス業・総合PMI(速報値)の結果に注目です。
NZ小売売上高
RBNZはハイペースで利上げを続けています。
利上げの影響でニュージーランドの経済がどこまで後退しているのか、経済の状況を確認するため小売売上高の結果に注目です。
小売売上高の結果が市場予想よりも弱かった場合は利上げ終了が近付きNZドル売り、小売売上高の結果が市場予想よりも強かった場合は追加利上げの期待が高まりNZドル買いが進むのではないかと思っています。
英CPI(消費者物価指数)
英国インフレが低下しているのかCPI(消費者物価指数)の結果に注目です。
欧米英で最もインフレが高止まりしているのが英国です。
ただ、欧米英で最も引き締めに消極的だったのも英中銀です。
インフレ低下が見えてこないようであれば、さらに追加利上げの可能性が高まるのではないかと思います。
米GDP・失業保険申請件数
米国の経済状況の確認でGDPと失業保険申請件数を確認したいと思います。
GDPの結果が市場予想をよりも強ければ米国経済は底堅く推移しているとの確認に繋がります。
また、失業保険申請件数が少なければ雇用市場が逼迫しており、米国の強い経済に繋がります。
強い経済、雇用市場の逼迫が確認された場合は追加利上げ期待に繋がったり、織り込まれている年内利下げ期待の後退に繋がるのではないかと思っています。
豪小売売上高
先日のRBA理事会でサプライズ利上げが発表されています。
豪州の消費、経済がどのような状況なのか小売売上高の結果に注目です。
RBAの追加利上げについては見方が分かれており、小売売上高の結果次第で6月RBAの利上げ期待に変化が出てくるのではないかと注目しています。
英小売売上高
英国は欧米英の中でも最も物価高が進んでおり、追加利上げが予想されています。
物価高による消費低下が進んでいないか、利上げが経済に影響していないのか、小売売上高の結果に注目です。
PCEデフレーター
PCEデフレーターはFRBが重要視している指標なので結果に注目です。
FRBは利上げを終了しても他欧金利を継続するといっていますが、マーケットは年内1∼2回の利下げを織り込んでいます。
PCEデフレーターが市場予想を上回ればFRBの見通しに、PCEデフレーターが市場予想を下回ればマーケットの予想に近づくのではないかと思います。
◎今週のイベントスケジュール
5月21日(日曜日)
バイデン大統領発言(債務上限を巡り記者会見)
5月22日(月曜日)
17:45 EUR ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
20:30 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
21:30 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
23:15 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト、ビルロワ・フランス中銀総裁発言
23:50 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
5月23日(火曜日)
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:15 EUR デギントスECB副総裁発言
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ミュラー・エストニア中銀総裁発言
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:00 USD ローガン・ダラス連銀総裁発言
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:45 GBP ハスケルBOE外部理事発言
5月24日(水曜日)
02:00 USD 米2年債入札
07:45 NZD NZ小売売上高
11:00 NZD RBNZ理事会・政策金利・声明文発表
12:00 NZD オアRBNZ総裁記者会見
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
17:00 EUR ドイツIFO景況指数
22:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
23:05 USD イエレン財務長官発言
23:30 USD 原油在庫量
5月25日(木曜日)
02:00 USD 米5年債入札
03:00 USD FOMC議事要旨(5月3日分)
15:00 EUR ドイツGDP(改定値)
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米GDP(改定値)・失業保険申請件数・個人消費
23:00 USD 中古住宅販売保留
5月26日(金曜日)
01:30 GBP ハスケルBOE外部理事発言
02:00 USD 米7年債入札
10:30 AUD 豪小売売上高
15:00 GBP 英小売売上高
21:30 USD PCEデフレーター・耐久財受注
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・期待インフレ率
5月27日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント