2024年7月15日
先週に続き介入に警戒の1週間! 「7月15日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は市場予想を下回る米国CPI(消費者物価指数)や、ややハト派な内容となったパウエルFRB議長の議会証言からドル円の上値重くなりました。
木曜日のCPI(消費者物価指数)の結果が発表されたあとにドル円は介入のような下落、ドル円は約4円の下落となりました。
テレ朝は日銀関係者の話として介入実施と報じ、日経新聞は当座預金の増減予想から介入規模は3兆円規模とみられると報じています。
また、翌日金曜早朝には約1円の急落、日経新聞はレートチェックと報じています。
今週は米国指標以外にも英国や豪州、カナダなどの経済指標やECB理事会が予定されています。
指標やECB理事会と先週に続き為替介入に注目したいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
米小売売上高
強い経済の米国が少しづつ景気後退が懸念され始めています。
米国の経済を確認する一つの指標として小売売上高があります。
小売売上高が市場予想や前回値を下回る結果となれば景気後退が懸念され利下げ期待が高まるのではないかと注目しています。
カナダCPI(消費者物価指数)
カナダは追加利下げの期待が高まっています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想・前回値を下回るようであれば追加利下げの期待が高まります。
来週にカナダ中銀の金融政策発表が予定されているので、結果次第では大きな値動きに繋がるのではないかと注目しています。
NZ四半期CPI(消費者物価指数)
RBNZはややハト派に傾いているように感じています。
四半期CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回るようであれば年内利下げの可能性も出てくるのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英国は8月利下げ予想でしたが、少し後退し始めています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を上回るようであれば8月利下げの可能性が限りなくゼロに近づくのではないかと注目しています。
逆に市場予想を大きく下回るようであれば利下げの可能性が再度高まるのではないかと注目しています。
ベージュブック(地区連銀経済報告)
米国は少しづつ景気後退が懸念され始めています。
ベージュブック(地区連銀経済報告)の内容から景気後退が確認されるようであれば利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
豪雇用統計・失業率・労働参加率
RBAは追加利上げの可能性が残る、主要中銀で唯一のタカ派中銀です。
豪州の雇用統計が強い結果となると追加利上げの可能性が高まり豪ドル買いが進むのではないかと注目しています。
英雇用統計・失業率・平均賃金
英国は利下げ期待が後退しています。
雇用統計が強い結果となるようであれば利下げ期待が後退するのではないかと思います。
中でも注目したいのが失業率で、市場予想よりも弱い結果が出てくると政権からの利下げ圧力に繋がるのではないかと注目しています。
日本CPI(消費者物価指数)
日銀は7月金融政策決定会合で金融正常化に進むのではないかと注目されています。
CPI(消費者物価指数)の結果が強いものであれば金融正常化への期待が高まるのではないかと注目しています。
英小売売上高
英国経済の状況を確認するため小売売上高の結果に注目です。
英国は景気後退と物価高が注目されています。
小売売上高が弱い結果となると景気後退が懸念され、政権からの利下げ圧力に繋がるのではないかと思います。
カナダ小売売上高
カナダ中銀は追加利下げが注目されています。
小売売上高が市場予想を下回れば景気後退懸念から利下げ期待に繋がるのではないかと注目されています。
2)要人発言
パウエルFRB議長は先週の議会証言で年内インフレ低下の可能性に言及し、FRBはインフレだけ懸念しているわけではなく雇用市場・景気後退にも注視していると発言しています。
インフレからデュアルマンデートに重きを置き、年内2回の利下げの可能性を示唆しました。
月末にFOMCを控えて来週からブラックアウト期間に突入します。
今週は他のFOMCメンバーから年内2回の利下げについてどのような発言が出てくるのか、9月利下げスタートについて発言が出てくるのか注目です。
ECBは6月理事会で利下げを決定し、年内のこり2回の利下げ予想が多いようです。
2回以上の利下げ観測が出てくるようであればユーロ売りが進むのではないかと思います。
また、フランス下院議会選挙では予想外の左派政党が第1党となり政治不安が懸念されています。
政治不安が経済や金融政策に影響があるのかにも注目です。
英中銀は8月利下げ予想がメインシナリオとなっていましたが、昨日のMPCメンバーのインフレ懸念の発言から8月利下げ期待が後退しています。
8月利下げに前向きなのか、利下げ時期先送りなのかMPCメンバーの発言に注目です。
カナダは先週の雇用統計を受けて再度利下げ期待が高まっています。
追加利下げに後ろ向きな発言が出てくるのか、それとも追加利下げに前向きな発言が出てくるのか注目です。
豪州は強いCPI(消費者物価指数)の結果を受けて、追加利上げの可能性が出てきました。
追加利上げの可能性があるのか、発言内容に注目です。
3)リスク要因
円安・円買い介入
先週木曜21時半のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回りドル円が約1円下落したのち、ドル円は介入のような動きで一時157円台まで急落しました。
介入が実施されたとの確定報道はないものの、日銀関係者の話として介入の実施をテレビ朝日が報じ、当座預金の増減予想から介入規模は3兆円規模とみ
また、金曜早朝8時半ごろに再度介入のような動きでドル円が約1円強の下落、日経新聞はレートチェックと報じています。
一部では神田財務官が7月末で退任するにあたって「円安を食い止められなかった財務官」との不名誉にならないため160円を阻止しているのではないかと噂されています。
ホントかどうかはわかりませんが、160円台に再度突入することがあれば介入には注意しておきたいと思います。
また、実弾介入だけでなくレートチェックや口先介入にも注意しておきたいと思います。
フランス政治不安
フランスは極右政党の躍進や左派連合が第1党になり、過半数を獲得する政党がいない中で連立政権の樹立に向かって動いています。
今後、どのような政権が誕生するか注目ですが、どのような政権が樹立しても意思決定や債務管理が困難になるのではないかと、格下げの可能性が注目されています。
フランスの格下げにより独仏スプレットの拡大からユーロ売りに繋がらないか注目です。
4)金融政策
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:ユーロの上値重い
ポイント:年内追加利下げの可能性
ECBは6月の理事会で利下げを決定しました。
2会合連続で利下げはないとの予想で今回は据え置き予想となっています。
注目は年内の追加利下げの可能性と、追加利下げが実施されるなら回数と時期に注目でしています。
追加利下げに関するヒントが出てこないか、声明文やラガルドECB総裁の記者会見に注目です。
◎今週のイベントスケジュール
7月15日(月曜日)
11:00 CNY 中国GDP
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数
7月16日(火曜日)
01:30 USD パウエルFRB議長発言
05:35 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
18:00 EUR ドイツ・ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米小売売上高
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
7月17日(水曜日)
03:45 USD クーグラーFRB理事発言
07:45 NZD NZ四半期CPI(消費者物価指数)
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:30 USD 米建築許可件数
22:00 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
22:35 USD ウォラーFRB理事発言
23:30 USD 原油在庫量
7月18日(木曜日)
02:00 USD 米20年債入札
03:00 USD ベージュブック(地区連銀経済報告)
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
21:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文
21:30 USD 米失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
21:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見
7月19日(金曜日)
02:00 USD 米10年債入札
02:45 USD ローガン・ダラス連銀総裁発言
07:05 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
08:45 USD ボウマンFRB理事発言
15:00 GBP 英小売売上高
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:40 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
7月20日(土曜日)
01:45 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント