2024年5月6日
円買い介入と英中銀に注目の1週間! 「5月6日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はドル円が一時160円を超える円安が進みました。
その後は円買い介入により、153円台まで下落してきています。
週末金曜日には雇用統計が市場予想を大きく下回ったこともあり一時151円台に突入しましたが、その後に発表されたISM非製造業景況指数の仕入れ価格が高い結果となっていることから金利が上昇し、ドル円は再度153円台で推移しています。
今週も円買い介入など円の動きがマーケットの中心となるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
RBA理事会
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:声明文の変化
RBA理事会は前回の声明文で追加利上げの可能性に関する文言を削除するなど、ハト派に傾いています。
今回の理事会でRBAがさらにハト派に傾くのか、前回の声明文を維持するのかに注目です。
声明文の中で利下げに関する文言などが出てきた場合は、豪ドル売りが大きく進むのではないかと注目しています。
英中銀
注目度:高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:MPC投票配分と利下げへのフォワードガイダンス、インフレーションレポート
前回の英中銀は利上げ支持のメンバーがいなくなり、9名中8名が据え置き支持、1名が利下げを支持しました。
今回の英中銀では前回同様に1名の利下げ支持と予想していますが、利下げ支持がどこまで増えるのか注目です。
また、予想では6月に利下げの可能性を考えています。
そのためのフォワードガイダンスが出てくるのかに注目しています。
その他、5月の英中銀は四半期に一度のインフレーションレポートが発表されます。
景気見通しと物価見通しが下方修正されるようであれば、6月利下げの可能性がさらに高まるのではないかと思います。
2)経済指標
米失業保険申請件数
失業保険申請件数は毎週発表されるため雇用指標の先行指標として注目されています。
失業保険申請件数の中でも継続申請に注目しています。
FRBは雇用市場に注目しており、強い雇用市場が確認されれば利下げ先送り観測が高まり、雇用市場にゆるみが確認できるようであれば利下げの可能性が高まるのではないかと思います。
英1~3月期GDP(速報値)
英国の経済状況を確認するGDPに注目しています。
今回は速報値のため市場予想と結果に乖離が出やすく、大きく動く可能性があります。
また、GDPの発表が英中銀、インフレーションレポートの発表の後のため、景気見通しとどのくらい乖離があるのかにも注目しておきたいと思います。
カナダ雇用統計
カナダは6月利下げの可能性が出てきています。
雇用が悪化していれば利下げの可能性がさらに高まるのではないかと思います。
カナダ雇用統計、特に失業率の結果に注目したいと思います。
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
米国は強い景気から利下げが先送りされています。
景況感を示すミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が市場予想を上回るのか注目です。
また、同時に発表される期待インフレ率にも注目です。
根強いインフレ圧力から利下げが出来ない状況のため、1年後の期待インフレ率が高いままであれば利下げが難しい状況が続くのではないかと注目しています。
3)要人発言
先週までに金融政策発表が大方終了し、次の金融政策に向けて要人発言に注目が集まります。
ECB・カナダ中銀・英中銀は6月利下げの可能性が高まってきています。
6月に利下げが実施されるのか、発言内容に注目しています。
また、6月に利下げが実施されたとして、年内の利下げ回数など追加利下げのペースについて発言が出てこないかにも注目しています。
FRBは強い経済と根強いインフレ圧力により利下げ先送り観測が高まっています。
一部では年内の利下げが出来ない可能性も予想される状況となっています。
利下げ開始を9月にするのか、12月にするのか、来年に持ち越すのか、発言内容に注目しておきたいと思います。
4)円買い介入
先週はドル円160円超えたことから円買い介入が始まり、3度もしくは4度の円買い介入でドル円は153円台まで下落してきました。
マーケットも円買い介入によって上値の重い展開を意識するようになっています。
このままドル円が153円~157円のどこかで落ち着くのか、再度157円を超えて160円を目指す展開となるのか注目です。
また、円買い介入がどの水準で実施されるのかにも注目です。
現在、ドル円の上値は157円くらいを想定していますが、155円を超える前に介入が実施されるようであれば、政府・日銀の考える上値の水準を155円に引き下げることを考えなくてはいけないと思っています。
そのほか、欧州や米国がいつまで介入を許容してくれるのか、海外の反応にも注意しておきたいと思います。
海外から介入に否定的な反応が出てきた場合は介入がしにくくなり、再度ドル円が上昇し始める可能性が出てくると思います。
ドル円の動きと水準、介入に関する発言などに注目です。
◎今週のイベントスケジュール
5月6日(月曜日)
東京市場休場(こどもの日の振替休日)
英国休場(アーリーメイバンクホリ
10:45 CNY 財新サービス業PMI
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
21:25 CHF ジョーダンSNB総裁発言
5月7日(火曜日)
01:50 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
02:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文
23:00 CAD カナダIveyPMI
23:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
5月8日(水曜日)
00:30 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
02:00 USD 米3年債入札
02:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
04:30 CAD ロジャースBOC副総裁発言
16:30 SEK スウェーデン政策金利発表
23:30 USD 原油在庫量
5月9日(木曜日)
00:00 USD ジェファーソンFRB副議長発言
02:00 USD 米10年債入札
02:00 USD クックFRB理事発言
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(4月26日分)、外貨準備高
20:00 GBP 英中銀金融政策・声明文・MPC投票配分・インフレーションレポート発表
20:30 GBP ベイリーBOE総裁記者会見
21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
21:15 EUR デギントスECB副総裁、チポローネECB専務理事発言
21:30 USD 米失業保険申請件数
5月10日(金曜日)
00:30 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
02:00 USD 米30年債入札
04:00 MXN メキシコ中銀政策金利発表
15:00 GBP 英1~3月期GDP(速報値)
20:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
20:30 EUR ECB理事会議事要旨(4月11日分)
20:45 GBP ディングラBOE外部理事発言
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
22:00 USD ボウマンFRB理事発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)・期待インフレ率
5月11日(土曜日)
01:45 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
03:00 USD 米月次財政収支
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)