年内最後の金融政策発表ラッシュに注目! 「12月11日週の注目点とイベントスケジュール」

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2023年12月11日

年内最後の金融政策発表ラッシュに注目! 「12月11日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週はドル円のフラッシュクラッシュが大きく注目されました。

氷見野日銀副総裁がタカ派発言をしたことでマイナス金利解除期待が高まり円買いが進み始めました。

翌日、植田日銀総裁が首相と会談したことや、国会で「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」とチャレンジング発言をしたことで、12月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除に動くのではないかとの期待が一気に高まり、日本の長期金利は上昇し円買いが進みました。

その後欧州勢が引けて、NY市場の前場と後場の間の取引量が低下している時間にストップロスを巻き込んだドル円下落が起きたことをきっかけにフラッシュクラッシュに繋がりました。

 

今週は米国・欧州・英国など主要中銀でも注目度の高い金融政策発表ラッシュです。

金融政策発表ラッシュが終わると欧米は本格的に冬休みに突入します。

ポジション調整などの動きにも注意して、政策発表ラッシュを待ちたいと思います。

目次

◎今週の注目点

 

1)金融政策

 

FOMC

注目度:かなり高い

織り込み度:据え置きを織り込み済み

バイアス:米ドルの上値重い

ポイント:利下げ観測とドットチャート

 

今回のFOMCでは据え置きが織り込まれていて、注目は利下げ時期に移っています。

ブラックアウト期間の前にウォラーFRB理事が利下げについて発言したことで利下げ期待が高まりました。

その後、火消しをするように利下げについて否定する発言が続きました。

今回のFOMC声明文やパウエルFRB議長の記者会見で利下げについて議論されたなどの文言が出てくるようであれば、一気に利下げ期待が高まるのではないかと注目しています。

また、今回はドットチャートが発表されます。

前回よりも下方修正されていると思いますが、どこまで下方修正されているのかに注目です。

来年の利下げ回数が2回なのか、それとも3回なのか注目です。

 

 

 

スイス国立銀行

注目度:やや高い

織り込み度:据え置きを織り込み済み

バイアス:特になし

ポイント:利下げ見通し

 

欧州では経済が停滞しており、スイスにも影響が出ています。

スイスもいずれ利下げに動くのではないかと思われますが、ECBよりも先に利下げに動くのか時期に注目しています。

個人的には対ユーロでフラン高になるのを嫌うのではないかと思い、ECBよりも先に利下げに動くのではないかと思っています。

スイスの利下げ時期からECBの利下げ時期が分かるのではないかとスイス国立銀行の声明文に注目しています。

 

 

 

英中銀

注目度:高い

織り込み度:据え置きを織り込み済み

バイアス:ポンドが底堅い

ポイント:MPCメンバーの投票配分と利下げに関する言及

 

英中銀はタカ派の発言が続いていますが、利上げは終了し来年には利下げがあるのではないかと注目されています。

今回も据え置きになると予想されていますが、MPCの投票配分で据え置き票が前回よりも増えるのか?

満票で据え置きなや利下げ票が投じられないのか注目しています。

声明文で利下げに関する文言が入らないのか注目しています。

利下げ票や声明文に利下げに関する文言が出てきた場合はポンドが大きく売られるのではないかと注目しています。

 

 

 

ECB理事会

注目度:かなり高い

織り込み度:据え置きを織り込み済み

バイアス:ユーロが底堅い

ポイント:利下げに関する内容とスタッフ予想

 

ECBは景気後退から来年は4~5回の利下げがあるのではないかと注目されています。

声明文やラガルドECB総裁の記者会見で利下げについてどのように触れられるのかに注目です。

また、今回のECB理事会は景気とインフレ見通しが発表されます。

景気見通しやインフレ見通しが下方修正されていれば利下げ期待が高まるのではないかと思います。

どこまで下方修正されるのか、利下げについて触れられるのか注目です。

 

 

 

2)経済指標

 

英雇用統計

英国のインフレ要因の中に人件費の高騰があります。

雇用市場が緩んでくることによって賃金インフレは低下するのではないかと思います。

雇用者数や失業率から雇用市場の緩みを確認したいと思います。

また、同時に発表される平均賃金から人件費、労働コストが低下してきているのかにも注目しておきたいと思います。

 

 

 

米CPI(消費者物価指数)

年内最後のFOMCを翌日に控えてCPI(消費者物価指数)が発表されます。

FRBはインフレ抑制のためにハイペース利上げを進めてきましたが、物価指標であるCPI(消費者物価指数)が低下してきているようであればインフレ抑制の目的は達成したということになります。

そうなるとFRBの目的は景気の下支えに移るのではないか、ハイペース利上げを進めてきたことによる景気後退を緩和させるために利下げに動くのではないかと考えています。

利下げに動くためのハードルが下がるのか、CPI(消費者物価指数)の結果に注目です。

 

 

 

英GDP

英国は高インフレと景気後退の間で苦しんでいます。

利上げをやめて利下げに動くとなると長期金利利回りが低下し引き締め効果が薄くなり、再度インフレが進む可能性があります。

ただ、景気後退が一気に進んでいるようであれば緩和に動く可能性があります。

GDPが市場予想よりも大幅に下回る結果となるようであれば、インフレを横においてでも利下げ期待が多感るのではないかと思います。

雇用統計やCPI(消費者物価指数)と併せて注目しておきたいと思います。

 

 

 

米PPI(生産者物価指数)

PPI(生産者物価指数)はCPI(消費者物価指数)の先行指標として注目されています。

米国のインフレも少しづつ落ち着きを取り戻しつつなる中で、先行指標であるPPI(生産者物価指数)が低下しているのか注目です。

ちゃんと低下しているようであれば来年の利下げ期待に繋がり、再度上昇傾向などが出始めた場合はインフレの高止まりの可能性に繋がり利下げ期待の後退に繋がるのではないかと注目しています。

 

 

 

NZ四半期GDP

ニュージーランドはタカ派発言が続き、先日のRBNZ理事会で追加利上げの可能性について言及するなど、追加利上げに注目されています。

底堅い経済が確認されれば期待も高まるのではないかと、GDPの結果に注目しています。

 

 

 

豪雇用統計

豪州ではあと1~2回の追加利上げが予想されていましたが、追加利上げ期待が後退してきています。

雇用統計の結果から雇用市場の緩みが確認されるようであれば、さらに追加利上げ期待が後退するのではないかと注目しています。

失業率と併せて、どのくらいの人が労働市場に参加しているのか労働参加率にも注目しておきたいと思います。

失業率が低下したとしても、労働参加率が低ければ就職を希望している人が少ないから失業率が低下しているということになり、失業率の低下が良い結果とはいえない場合もあるので注意しておきたいと思います。

 

 

 

米失業保険申請件数

米国では労働市場の緩みが出始めているのではないかと注目されています。

その中で失業保険申請件数は毎週発表のため、速報性が高い指標として注目されています。

失業保険申請件数の中でも新規ではなく、継続申請の方に注目しています。

新規が多いのは転職なども含めて、新たに失業した人が多いということ。

継続申請が多いのは、失業者がなかなか新しい仕事に就けず、求職が少なくなってきていると受け止められます。

継続申請が多くなってきていることは景気後退につながる可能性が高いと思われます。

 

 

 

製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

欧米英ともに利上げは終了し、次は利下げ時期に注目が移っています。

製造業・サービス業・総合PMIは景気の先行指標として注目されており、景況感の悪化は利下げ期待に繋がります。

今回は速報値なので予想と結果が乖離することも多いので注目度も高く、マーケットの反応も大きくなりやすい指標です。

前回の数値より悪化しているのか、市場予想と比べてどうなのか、好不況の分近点「50」と比べてどうなのか、この3点に注目しておきたいと思います。

 

 

 

3)日銀金融正常化・円高

 

先週、氷見野日銀副総の発言に始まり植田日銀総裁がチャレンジング発言をしたことで、急激にマイナス金利解除期待が高まり日本の長期金利が上昇、円買いが大きく進みました。

取引量の少ない時期と時間にストップロスを巻き込んだことからフラッシュクラッシュに繋がりました。

来週に日銀金融政策決定会合を控えて、マイナス金利解除への期待が高まる場合は再度円買いが進み、ボラティリティの高い相場になる可能性があります。

FOMCやECB理事会が終了すると本格的に冬休み相場になり、急激に取引量が低下しフラッシュクラッシュに繋がる可能性があります。

日本の長期金利、マイナス金利解除に繋がる観測記事やヘッドラインには注意しておきたいと思います。

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

12月11日(月曜日)

 

16:00 NOK ノルウェーCPI(消費者物価指数)

 

 

12月12日(火曜日)

 

03:00 USD 米10年債入札

07:20 AUD ブロックRBA総裁発言

08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数

16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金

19:00 EUR ドイツ・ユーロ圏ZEW景況感指数

22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)

 

 

12月13日(水曜日)

 

03:00 USD 米30年債入札

08:50 JPY 日銀短観

16:00 GBP 英GDP

22:30 USD PPI(生産者物価指数)

 

 

12月14日(木曜日)

 

00:30 USD 原油在庫量

04:00 USD FOMC政策金利・声明文・ドットチャート

04:30 USD パウエルFRB議長記者会見

06:45 NZD NZ四半期GDP

09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率

17:30 CHF スイス国立銀行(SNB)政策金利発表

18:00 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見

18:00 NOK ノルウェー中銀政策金利発表

21:00 GBP 英中銀(BOE)政策金利・声明文・MPC投票配分発表

22:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文・スタッフ予想発表

22:30 USD 米失業保険申請件数・小売売上高

22:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見

 

 

12月15日(金曜日)

 

04:00 MXN メキシコ中銀政策金利発表

16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)

17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

19:00 GBP ラムズデンBOE副総裁発言

20:20 EUR バスレ・スロベニア中銀総裁、カジミール・スロバキア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、シクルーナ・マルタ中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言

22:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数

23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

 

 

12月16日(土曜日)

 

02:25 CAD マックレムBOC総裁発言

03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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