2024年12月9日
年末の金融政策発表ラッシュ第1弾に注目! 「12月9日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は米国の雇用統計が市場予想をやや上回る結果となりましたが、利下げ先送りになるほどの結果ではなく、12月利下げ期待が8割を超えたことでドル売りで反応しました。
今週は金融政策発表ラッシュに加えて、来週の日米英の金融政策を控えて織り込みが進む展開が予想されます。
年内、今週と来週がピークになり、来週の金融政策発表が終われば年内の取引は大方終了し、世界のマーケットは冬休みに入るのではないかと考えています。
金融政策発表ラッシュと指標の結果に注目しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
RBA理事会
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きをほぼ織り込み済み
バイアス:豪ドルの上値重い
ポイント:来年の利下げに向けてハト派に傾いているのか
RBAは主要中銀の中で唯一のタカ派中銀です。
ただ、物価やGDPは弱くなってきており、そろそろ利下げに向けてハト派に傾いてくるのではないかと注目しています。
声明文で利下げについて触れられるのか、利下げに触れなくてもタカ派が後退しハト派となるのか、内容に注目したいと思います。
また、トランプ次期大統領による対中関税で中国経済が後退し、中国と経済的つながりが強い豪州の経済にも影響があるのではないか、RBAの金融政策に影響があるのかにも注目したいと思います。
カナダ中銀
注目度:高い
織り込み度:0.25%利下げは織り込み済み、一部0.5%の利下げ予想あり
バイアス:カナダドル上値重い
ポイント:利下げ幅と経済見通し
今回カナダ中銀は0.25%利下げは織り込まれており、先週の弱い雇用統計から0.5%の大幅利下げ予想が進んできています。
大幅利下げに踏み切るのか、利下げ幅に注目です。
また、声明文の内容に注目しています。
米国でトランプ次期大統領がUSMCA(米国・メキシコ・カナダ貿易協定)の見直しや追加関税について触れたことで、カナダ経済への影響が懸念されています。
トランプ次期大統領による経済への影響が金融政策に影響があるのか、来年の金融政策の見通しについて声明文の内容に注目です。
スイス中銀
注目度:やや高い
織り込み度:0.25%利下げを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利下げ見通しと地政学リスク
スイス中銀は追加利下げが予想されています。
来年の利下げ幅やスピードに注目です。
特に注目したいのは欧州やウクライナなどの地政学リスクについて触れられるのか注目です。
スイスはフラン高を嫌うため、一部ではマイナス金利の再開もあるのではないかと噂されています。
地政学リスクの影響と金融政策についてどのように触れられるのか声明文に注目です。
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利下げを織り込み済み、0.5%の利下げの可能性も出てきている
バイアス:ユーロの上値重い
ポイント:利下げ幅と経済見通し、地政学リスク
欧州は景気低迷を懸念して0.25%利下げが予想されており、一部では0.5%の大幅利下げ予想も出てきています。
今回の理事会で0.5%の利下げが実施されるのか注目です。
また、12月の理事会では欧州の景気と物価見通しが発表されます。
物価見通しが下方修正され、景気見通しが悪化していれば来年の利下げ幅拡大、利下げスピードの加速に繋がるのではないかと思います。
その他、欧州ではドイツやフランスの政権リスクやトランプ次期大統領による関税などのリスク、ウクライナ情勢などの影響が金融政策に影響するのかにも注意しておきたいと思います。
2)経済指標
米CPI(消費者物価指数)
FRBは物価と雇用を目標としており、雇用指標として注目度の高いCPI(消費者物価指数)の結果に注目が集まります。
雇用統計の結果を受けて12月FOMCの利下げ予想は8割を超えています。
CPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回れば利下げは確実となるのではないかと思います。
豪雇用統計・失業率・労働参加率
豪州の雇用状況を確認するため雇用統計に注目。
雇用や失業率が悪化していれば来年の利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
雇用や失業率が良くても労働参加率が低下していれば、正規ではなく非正規ばかりで雇用状況はよくないと受け止められるのではないかと思います。
米失業保険申請件数、PPI(生産者物価指数)
失業保険申請件数は毎週発表されるため雇用指標の先行指標として注目されています。
失業保険申請件数の悪化は失業率の悪化に繋がり、利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
また、PPI(生産者物価指数)はCPI(消費者物価指数)の先行指標として注目されています。
PPI(生産者物価指数)が予想以上に低下していれば、今後CPI(消費者物価指数)も低下していくのではないかと受け止められ、利下げ期待に繋がるのではないかと思います。
日銀短観
来週の日銀金融政策決定会合で利上げをするのか、据え置くのか予想が割れています。
中村日銀審議委員が「年内に利上げするかは日銀短観などのデータ
英GDP
英国の経済状況を確認するためGDPの結果に注目。
GDPの結果が弱ければ利下げ期待に繋がり、ポンド売りに繋がるのではないかと思います。
ウクライナ情勢や政府予算案など英国の経済にネガティブな要因があるため、市場予想を下回る可能性があるので注意しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
12月9日(月曜日)
08:50 JPY 日本国内総生産
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
22:00 GBP ラムズデンBOE副総裁発言
12月10日(火曜日)
12:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
22:30 USD 7∼9月期米非農業部門労働生産性(改定値)
12月11日(水曜日)
03:00 USD 米3年債入札
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
23:45 CAD カナダ中銀政策金利・声明文
12月12日(木曜日)
00:30 USD 原油在庫量
03:00 USD 米10年債入札
04:00 USD 米月次連邦財政収支
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
17:30 CHF スイス政策金利・声明文
22:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文
22:30 USD 米失業保険申請件数、PPI(生産者物価指数)
22:45 EUR ラガルドECB総裁発言(記者会見)
12月13日(金曜日)
03:00 USD 米30年債入札
08:50 JPY 日銀短観
16:00 GBP 英GDP
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
22:30 USD 米輸入物価指数
12月14日(土曜日)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント