2023年11月19日
感謝祭を控えて週前半に注目の1週間! 「11月20日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は円安が進みドル円は一時151.96円を記録し、円買い介入の警戒感が高まりました。
注目されていた米CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回る結果となったことから、FRBの利上げは終了という見方が強くなり、来年6月FOMCでは利下げ確率が50%を超えるなど利下げ期待が高まり米金利は低下しています。
主要通貨に対するドルの強さを表すドルインデックスは低下傾向にあり、買われ続けた米ドルの調整売りが進んでいます。
CMEが発表するシカゴ先物市場での円ショートポジションは一気に増加しており、昨年の介入前の水準を超えています。
ただ、発表された数字は先週の火曜日までのポジションです。
先週末の円買いは含まれておらず、先週末の円買いは感謝祭などの連休を控えて溜まった円売りポジションの調整ではないかとの見方が強いようです。
今週は週後半が連休でマーケット参加者が少なくなることから週前半の動きに注目が集まっています。
特に米国経済指標などは週前半に前倒しで発表されます。
連休前のポジション調整の動きなども併せて注目しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
カナダCPI(消費者物価指数)
12月の金融政策を前に最後の物価指標として注目されています。
カナダ中銀も利上げは終了すると予想されており、順調に物価が低下していれば利上げ終了が確実視されます。
また、予想以上の物価低下が確認されれば、今後は景気関連の経済指標次第では来年の早期利下げが注目される展開となりカナダドルが売られるのではないかと注目しています。
ミシガン大学消費者信頼感
11月に発表された雇用統計やCPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を下回ったことで、FRBの利上げは終了、来年の6月には利下げ予想が50%を超えてきています。
期待インフレ率が順調に低下していれば、景況感に注目。
景況感が悪化していれば利下げ期待が高まるのではないかと思います。
今回は速報値なので注目度も高く、予想と結果が乖離しやすく値動きが大きくなりやすいので注目です。
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
各国の中銀は利上げを終了し、次は利下げ時期に注目が移っています。
欧州や英国では景況感が好不況の分岐点である50を下回っており、早期の景気後退が予想され、来年の早い時期に利下げが実施されるのではないかと注目されています。
景況感で注目度の高いPMIがどこまで悪化しているのか、市場予想を下回るのか注目です。
米国では欧州と比べて底堅い景気が注目されています。
前回のPMIでは製造業・サービス業・総合ともに好不況の分岐点の50を上回っています。
今回の予想も分岐点付近となっており、50を上回るのか下回るのか注目です。
雇用統計やCPI(消費者物価指数)の結果が市場予想よりも悪化していたことから来年の利下げ期待が高まっており、PMIの結果が市場予想を下回り50を割り込むようであれば利下げ期待も大きく高まるのではないかと思います。
カナダ小売売上高
カナダ中銀の利下げに注目が集まる中、カナダの景気に注目です。
カナダの消費がどこまで活発なのか、消費が低下傾向にあるのか、小売売上高に結果に注目です。
小売売上高が弱い結果となれば消費意欲が低下と受け止められ、利下げ期待が高まりカナダドルが売られるのではないかと注目しています。
2)金融政策
RBA理事会議事要旨
11月のRBA理事会では5会合ぶりに追加利上げが発表されました。
その後発表されたRBA四半期金融政策報告ではCPI(消費者物価指数)の見通しは上方修正され、インフレ低下の見通しも後ずれしています。
RBA理事会議事要旨からはインフレ見通しをどのように見ていたのか、金利見通しはどのように考えているのか、12月のRBA理事会で追加利上げのヒントになるものが出てこないか注目です。
FOMC議事要旨
FRBの利上げサイクルは終了したとの見方が広がっており、次は利下げ時期に注目が移っています。
11月FOMCの議事要旨から景気見通しやインフレ見通しについて、据え置き決定の要因を確認したいと思います。
そのうえで来年の利下げのヒントになるような内容が出てこないか注意しておきたいと思います。
ECB理事会議事要旨
欧州では景気後退が懸念されており、利下げ時期に注目が集まっています。
10月のECB理事会で利下げについて議論がなかったのか、今後の金利見通しについてどのような議論があったのか議事要旨の内容に注目です。
3)要人発言
欧米英ともに主要中銀では利上げサイクルは終了し、マーケットの注目は利下げ時期に移っています。
欧州や英国ではすでに景気後退が懸念されています。
強い経済、底堅い経済と思われていた米国でも少しづつ経済が緩み、来年の前半で利下げがあるのではないかとの予想が50%ほど出てきています。
要人発言から景気後退や利下げに関する発言が出てきた場合には利下げ織り込みが進み金利は低下、通貨売りが進むのではないかと思います。
どの中銀からはじめに利下げについて発言が出てくるのか、発言内容に注目です。
4)リスク要因
感謝祭休暇
今週末は木曜日に米国が感謝祭で休場、日本も勤労感謝の日で休場です。
金曜日は感謝祭の翌日で米国市場は短縮取引となります。
米国は感謝祭と感謝祭の翌日はしっかりと休むため、ポジション調整なども出てきます。
経済指標も前倒しの発表となるため週前半は米ドルの動きには要注意、特にマーケットオープンやクローズ、ロンドンFIX付近での急な動きには要注意です。
連休中には薄商いの中、製造業・サービス業・総合PMI(速報値)の発表があるので、想定以上の動きにならないかにも注意しておきたいと思います。
日銀・政府当局
ドル円は一時151.96円まで上昇し、神田財務官は「スタンバイです」と発言し介入警戒が高まりましたが、ポジション調整や米金利の低下からドル円は150円割れて推移し介入警戒感は後退しています。
今の所は円買いに動く要因が見えてこず、逆に市場予想を下回る日本のGDPなどから緩和政策の長期化が予想される中、週末の感謝祭などの連休を控えて円キャリートレードのポジション調整のため円買いが出たとの見方が強いようです。
なので、再度円安トレンドでドル円が上昇した場合は介入に関する発言が出てくることもあるので注意しておきたいと思います。
また、今までの円安トレンドが終了するのかにも注目しておきたいと思います。
以下、去年の口先介入時のものです。
◎今週のイベントスケジュール
11月20日(月曜日)
14:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
22:00 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
11月21日(火曜日)
03:00 USD 米20年債入札
03:45 GBP ベイリーBOE総裁発言
04:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
06:45 NZD NZ貿易収支
08:00 AUD ブロックRBA総裁発言
09:15 GBP ベイリーBOE総裁発言
09:30 AUD RBA理事会議事要旨
18:05 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
22:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
22:45 EUR マッコールECB理事発言
11月22日(水曜日)
オランダ総選挙
00:00 USD 米中古住宅販売戸数
01:00 EUR ラガルドECB総裁発言
02:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
03:00 USD 米10年債入札
04:00 USD FOMC議事要旨(11月1日分)
22:30 USD 米失業保険申請件数、耐久財受注
23:10 EUR エルダーソンECB専務理事発言
11月23日(木曜日)
東京市場休場(勤労感謝の日)
米国市場休場(感謝祭)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感(速報値)・期待インフレ率
00:30 USD 原油在庫量
01:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
01:45 CAD マックレムBOC総裁発言
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 SEK スウェーデン政策金利発表
18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
20:00 TRY トルコ金融政策発表
21:30 EUR ECB理事会議事要旨(10月26日分)
11月24日(金曜日)
米債券・株式・商品市場は短縮取引(感謝祭翌日)
04:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言
06:45 NZD NZ小売売上高
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR ドイツGDP(改定値)
18:00 EUR ラガルドECB総裁、ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
18:00 EUR ドイツIFO景況指数
21:00 EUR デギントスECB副総裁発言
22:30 CAD カナダ小売売上高
23:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)