2024年9月16日
日米英の金融政策発表ラッシュに注目の1週間! 「9月16日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は米国CPI(消費者物価指数)の結果を受けて9月利下げ予想が0.25%に傾きましたが、PPI(生産者物価指数)の結果を受けて再度0.5%利下げ予想が高まってきました。
注目されていたECB理事会は市場予想通り利下げが発表されましたが、その後の記者会見で追加利下げに関するヒントがなかったこと、翌日以降の欧州要人発言から利下げに関するヒントが見えてこないことからユーロ買いが進んでいます。
今週は日米英の金融政策発表ラッシュです。
日米は市場予想が割れており、どのような結果が出てきても大きく動く可能性があるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:0.25%の利下げと0.5%利下げが分かれている
バイアス:ドルの上値重い
ポイント:利下げ幅と年内利下げ見通し
金利先物市場からみる予想では今回0.5%の利下げ、年内1.0%の利下げが予想されています。
ただ、0.25%利下げを予想しているところも多く、利下げ予想が割れている状況です。
この状況だと0.25%の利下げと0.5%利下げ、どちらの結果になっても大きく動くのではないかと思います。
もし、0.25%の利下げだった場合は一旦ドル買いが進むと思いますが、年内の利下げ見通しが1.00%のままであればドル買いは限定的となるのではないかと思います。
ただ、年内の利下げ見通しが0.75%だったり、それ以下であればドル買いが進むのではないかと思います。
利下げ幅が0.5%だった場合はドル売りが進むのではないかと思います。
ただ、年内の利下げ見通しが1.00%であればドル売りは限定的、利下げ見通しの結果が1.00%以上であればドル売りで反応すると思います。
英中銀MPC
注目度:高い
織り込み度:据え置きが8割織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:年内の利下げ見通し
英中銀は前回会合で利下げを決定しており、前回の利下げでは利下げ支持が5名、据え置き支持が4名と僅差であったことから今回は据え置きが予想されています。
今回のMPC投票配分でどの程度の利下げ支持が投じられるのかに注目です。
ギリギリで据え置き、4名の利下げ支持であればポンドが売られやすくなるのではないかと思います。
また、声明文などから年内の利下げ見通しが、追加で0.5%の利下げであればポンドの上値を抑えるのではないかと思います。
0.25%の利下げだと期待ハズレでポンド買いで反応するのではないかと思います。
日銀金融政策決定会合
注目度:かなり高い
織り込み度:据え置き予想が優勢、0.25%利上げの可能性もあり
バイアス:円買い圧力が強い
ポイント:利上げの有無と引き締めの見通し
日銀は追加利上げの可能性が注目されていますが、前回の利上げやその後の強気発言で株価が暴落するなどマーケットが混乱しました。
その事から追加利上げには慎重になるのではないかとの予想が多いようです。
追加利上げが実施されれば大きく円買い、株価下落でリスクオフも進むのではないかと注目しています。
据え置きであった場合でも声明文や記者会見で強気な内容が見えた場合、こちらも株価下落と円買いが進むのではないかと思います。
日銀は発表時間が決まっておらず、据え置き(変更なし)の場合は発表が早く、追加利上げ(政策変更あり)の場合は発表が遅れる傾向が強いです。
12時半を過ぎても発表がない場合は追加利上げの期待が高まるのではないかと思います。
発表が遅れれば遅れるほど観測やフライングの値動きが出てきて、マーケットが荒れる可能性があるので注意しておきたいと思います。
2)経済指標
ニューヨーク連銀製造業景況指数
米国の経済のうち、ニューヨークの製造業の景況感を確認するため、ニューヨーク連銀製造業景況指数に結果に注目です。
FOMCの利下げ予想が0.25%と0.5%で割れており、どちらに傾くのか少しでも材料が欲しいところです。
そのためニューヨーク連銀製造業景況指数の結果が市場予想と大きく乖離した場合は、FOMCの利下げ予想に大きく影響するのではないかと注目しています。
カナダCPI(消費者物価指数)
カナダの経済は後退しており、先日発表の雇用統計でも市場予想よりも失業率が悪化していました。
今回のCPI(消費者物価指数)が市場予想通りもしくは下回る結果となれば、カナダ中銀の物価目標達成に近づくのではないかと思います。
そうなると経済を下支えするためにも追加利下げの期待が高まるのではないかと注目しています。
米小売売上高
米国の経済状況を確認するため小売売上高に注目です。
FOMCの利下げ予想が割れているため少しでもヒントが欲しい状況です。
小売売上高の結果が市場予想と大きく乖離していた場合、利下げ予想がどちらに傾くのではないかと思います。
利下げ予想が傾けばドル買い・ドル売りが出てくるので注目しておきたいと思います。
英CPI(消費者物価指数)
翌日に英中銀MPCが控えている状況でCPI(消費者物価指数)が発表されます。
市場予想では今回のMPCは据え置き予想ですが、今回のCPI(消費者物価指数)の結果が市場予想を大きく下回る結果になれば翌日のMPCで利下げ期待が高まるのではないかと注目しています。
追加利下げの期待が高まればポンド売りが進むのではないかと思います。
NZ四半期GDP
ニュージーランドの経済状況確認のため、四半期に一度発表されるGDPの結果に注目です。
GDPが市場予想を下回るようであれば、利下げ期待が高まりNZドル売りが進むのではないかと注目しています。
豪雇用統計・失業率・労働参加率
豪州の雇用統計に注目しています。
豪州は主要国の中で最もタカ派なので、すぐに利下げに繋がる可能性は低いですが、経済や雇用状況が悪化していれば利下げ期待が高まるのではないかと注目しています。
また、市場予想よりも強い結果となれば、追加利上げの噂も出てくるのではないかと注目しています。
英小売売上高
英国の経済状況確認のため小売売上高の結果に注目です。
小売売上高の結果が弱ければ、年内あと2回の利下げ期待が高まるのではないかと注目しています。
カナダ小売売上高
カナダは物価が低下しており、景気後退が懸念されています。
小売りの結果が市場予想を下回れば景気悪化と受け止められ、追加利下げの期待が進むのではないかと注目しています。
◎今週のイベントスケジュール
9月16日(月曜日)
東京市場休場(敬老の日)
16:00 EUR パネッタECB専務理事発言
17:10 EUR デギントスECB副総裁発言
21:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数
9月17日(火曜日)
18:00 EUR ドイツ・ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
21:30 USD 米小売売上高
9月18日(水曜日)
02:00 USD 米20年債入札
08:50 JPY 日貿易収支
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
16:15 EUR ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
20:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
21:30 USD 米住宅着工件数
23:30 USD 原油在庫量
9月19日(木曜日)
03:00 USD FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート
03:30 USD パウエルFRB議長発言(記者会見)
07:45 NZD NZ四半期GDP
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
16:15 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
17:00 NOK ノルウェー政策金利発表
20:00 GBP 英中銀MPC・政策金利・声明文・MPC投票配分発表
20:00 TRY トルコ政策金利発表
21:30 USD 米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
23:00 USD 米中古住宅販売件数
23:40 EUR シュナーベルECB専務理事発言
9月20日(金曜日)
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合・政策金利・声明文発表
15:00 GBP 英小売売上高
15:30 JPY 植田日銀総裁発言(記者会見)
21:30 CAD カナダ小売売上高
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
9月21日(土曜日)
00:00 EUR ラガルドECB総裁発言