2023年2月27日
月末月初で指標・発言多数! 「2月27日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目された次期日銀総裁候補の植田氏の衆議院所信聴取・質疑が行われました。
所信聴取・質疑の間は1円幅で上下を繰り返しましたが、緩和政策の継続などハト派姿勢が意識され円売りが優位となりました。
その後発表されたもう一つの注目指標である米PCEデフレーターが発表され、予想を上回る結果が発表され、FRBのターミナルレート(利上げの最終水準)が伸びると予想され、金利は上昇ドル買いが進みました。
ドル円は一時136円後半まで上昇しました。
今週は月末・月初の週で注目指標も多く、要人発言も多数予定されているので、指標結果・発言で上下に動くボラティリティの高い1週間になるのではないかと思っています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
豪小売売上高
RBA理事会で追加利上げの可能性を確認するため経済指標に注目が集まっています。
豪小売売上高が予想よりも低下するようであれば景気後退が懸念され、追加利上げ期待が後退、豪ドル売りが進むのではないかと思います。
小売売上高が予想よりも弱かった場合は、経済停滞として翌日発表される豪四半期GDPも予想を下回るのではないかと思います。
カナダGDP
カナダは先日発表されたCPI(消費者物価指数)が予想を下回ったことで、利上げ停止が注目されています。
カナダGDPが予想を下回るようなことになれば、利上げによるカナダ景気の後退が確認され、利上げ停止の可能性が高くなるのではないかと思います。
利上げ停止の可能性が高まれば、主要中銀では先行して利上げ停止となりカナダドル売りが進むのではないかと注目しています。
豪四半期GDP
RBA理事会で追加利上げがあるのか、経済指標に注目が集まっています。
四半期GDPが予想以上に弱い結果となるとRBAによる追加利上げがしにくい状況となります。
GDPの結果と、結果を受けて豪金利がどうなるのか注目です。
中国製造業・非製造業PMI・財新製造業PMI
中国がゼロコロナ政策を止めて経済再開することで資源価格が下げ止まり、資源価格の底堅さは世界的物価高の高止まりに繋がっています。
中国製造業・非製造業PMIや財新製造業PMIの結果が予想以上の結果が出てきた場合は、資源価格の上昇に繋がる可能性があります。
特に製造業の結果が強かった場合は原材料となる資源価格が上昇する可能性が高いので注目です。
ドイツHICP(消費者物価指数)
欧州では予想よりも暖冬であったためエネルギー価格は上値が重くなっています。
エネルギー価格の上値が重くなっていることからHICP(消費者物価指数)の数字は前回値よりも低下すると思います。
注目はエネルギー価格や食料品を除いたコア指数に注目です。
コア指数が前回値よりも低下しているのか、予想よりも低下しているのかに注目です。
前回値や予想を上回ることになれば、3月以降の追加利上げ期待に繋がるのではないかと注目しています。
ISM製造業景況指数
先週発表された製造業・サービス業・総合PMIの速報値では米製造業PMIが予想を上回る結果となっています。
強い景況感はFRBによる追加利上げの追い風となります。
ISM製造業景況指数が予想を上回る結果となれば6月利上げの可能性も高まるのではないかと思います。
ユーロ圏HICP(消費者物価指数)
欧州では予想よりも暖冬であったためエネルギー価格は上値が重くなっています。
エネルギー価格の上値が重くなっていることからHICP(消費者物価指数)の数字は前回値よりも低下すると思います。
注目はエネルギー価格や食料品を除いたコア指数に注目です。
コア指数が前回値よりも低下しているのか、予想よりも低下しているのかに注目です。
前回値や予想を上回ることになれば、3月以降の追加利上げ期待に繋がるのではないかと注目しています。
ISM非製造業景況指数
先週発表された製造業・サービス業・総合PMIの速報値では米サービス業PMIが予想を上回る結果となっています。
非製造業の景況感が強い場合、経済の強さにも繋がりますが、人件費の高騰にも繋がるのではないかと思っています。
ISM非製造業景況指数が予想以上の結果となった場合は、6月利上げ期待が一気に高まるのではないかと注目しています。
2)要人発言
FRB
12月のFOMCでドットチャートからFRBのターミナルレート(利上げの最終水準)は5.1%と予想されています。
2月FOMCの利上げでFRBの金利は4.75%となっており、あと2回の利上げでターミナルレート(利上げの最終水準)に達します。
雇用統計、CPI(消費者物価指数)、製造業・サービス業・総合PMIの速報値、PCEデフレーターが予想以上の結果となり、6月利上げの可能性が50%を超えています。
今週もISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数などの結果を受けて、どのような発言が出てくるのか、利上げ期待が高まるのか注目しています。
ECB
ECBは先日の理事会で3月の0.5%利上げを示唆しており、5月以降は0.50%かもしれないし0.
ターミナルレート(利上げの最終水準)は3.7%程度が予想されています。
ECB要人発言から、5月以降の利上げペースやターミナルレート(利上げの最終水準)についてどのような発言が出てくるのか注目です。
また、今週はECB理事会議事要旨が発表されます。
議事要旨からターミナルレート(利上げの最終水準)や5月以降の利上げについてのヒントを見つけたいと思います。
BOE
英中銀は先日の金融政策発表で「インフレがピークに達した可能性がある
雇用統計では人手不足が確認でき、予想以上の賃金上昇が確認できています。
予想以上の賃金は人件費高騰で物価高に繋がるため、CPI(消費者物価指数)は予想を上回るのかと思われましたが、結果は予想を下回りました。
CPI(消費者物価指数)の下振れを受けて英中銀要人がどのような発言をするのか注目です。
インフレ後退について発言が出てくるようであれば利上げペースが後退、逆にインフレ警戒感などの発言が出てくるようであれば利上げペースが進むのではないかと注目しています。
日銀
先週の次期日銀総裁候補植田氏の衆議院所信聴取・質疑では、今まで通りの発言で日銀の緩和政策継続について発言。
インフレは一時的で来年には2%を下回ると発言しています。
今週も3月日銀金融政策決定会合について、4月以降の植田次期日銀総裁のもとでの金融政策についての発言に注目です。
YCC(イールドカーブ・コントロール)の調整や撤廃に関する発言、出口戦略・金融正常化について発言が出てくるようであれば、円高が進む可能性があるので注目です。
◎今週のイベントスケジュール
2月27日(月曜日)
18:00 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
22:30 USD 米耐久財受注
2月28日(火曜日)
00:00 USD 米中古住宅販売保留
00:30 USD ジェファーソンFRB理事発言
00:45 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
02:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
09:30 AUD 豪小売売上高
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)・GDP(改定値)
17:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(速報値)
19:15 GBP カンリフBOE副総裁発言
21:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
21:30 GBP マンBOE外部理事発言
22:30 CAD カナダGDP
3月1日(水曜日)
00:00 USD 米消費者信頼感指数
04:30 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
09:30 AUD 豪四半期GDP
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:45 CNY 財新製造業PMI
17:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
17:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
18:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
19:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
22:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
23:45 USD 米製造業PMI(改定値)
3月2日(木曜日)
00:00 USD ISM製造業景況指数
00:30 USD 原油在庫量
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 EUR ECB理事会議事要旨(2月2日分)
22:30 USD 米失業保険申請件数
3月3日(金曜日)
00:00 GBP ピルBOE主席エコノミスト
06:00 USD ウォラーFRB理事発言
10:45 CNY 財新サービス業PMI
17:30 EUR デギントスECB副総裁発言
17:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
17:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 EUR バスレ・スロベニア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁発言
18:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
23:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
3月4日(土曜日)
00:00 USD ISM非製造業景況指数
01:00 USD ローガンFRB理事発言
01:45 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
05:00 USD ボウマンFRB理事発言
06:45 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言