昨日、スイス国立銀行(スイス中銀)は市場予想通り0.5%利上げを実施し、追加利上げの可能性を示唆しました。

英国も市場予想通り0.25%利上げ実施し、今後のインフレは低下してくとの予想を示しました。

どちらも市場予想の範囲内であったことから反応は限定的でした。

 

また、一昨日預金保護に否定的な発言をしてリスクオフを進めたイエレン財務長官は、昨日の議会証言で発言を一転し預金保護に前向きな発言をしたことでリスクオフは後退しています。

 

本日は製造業・サービス業・総合PMI(速報値)の結果と、銀行信用不安に関するリスクムードについて注目していきたいと思います。

◎本日の注目点

 

１）製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

 

欧米英ともに中銀によるハイペースの利上げで景気後退が注目されています。

今回の製造業・サービス業・総合PMI(速報値)は、SVB破綻の影響による銀行・金融不安は結果に反映されていないと思います。

その上で、どこまで景況感を保てるのかに注目です。

すでに景況感の悪化が見えた場合は、SVB破綻の影響を受けるとさらに景況感が悪化するのではないかと思います。

 

 

 

２）リスク要因

 

SVB破綻に始まり、世界的な銀行・金融不安につながっています。

もともと問題を抱えていたクレディスイスはUBSに買収という形で、スイス国立銀行の融資を受けることになりました。

主要6中銀(FRB・ECB・日銀・英中銀・カナダ中銀・スイス国立銀行)は4月末まで金融システム保護のため、協調オペを発表しています。

このことで銀行・金融不安が落ち着きを取り戻して一時リスクオフが後退しましたが、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ（S＆P）がスイス金融大手UBSの格付け見通しを「ネガティブ」に変更。

また、クレディスイスの劣後債・AT1債が無価値になったことで再度リスクオフが大きく進んみましたが、その後リスクオフが巻き戻しています。

その後、イエレン財務長官が預金保護の対象を大幅に拡大しないと発言したことで、やっと落ち着き始めていた金融不安が再燃しリスクオフが進みましたが、翌日には「正当化される場合、預金保護のために追加措置を講じる用意がある」と発言すると、根強い金融システム不安に関する思惑はやや後退しリスクオフムードが後退しています。

世界的な金融不安が今後どのように進んでいくのか、リスクオフが進むのか、後退するのか注目です。

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

 

3月24日(金曜日)

 

16:00　GBP　英小売売上高

17:15　EUR　フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:30　EUR　ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

18:00　EUR　ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

18:30　GBP　英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

21:30　USD　米耐久財受注

21:30　CAD　カナダ小売売上高

22:30　USD　ブラード・セントルイス連銀総裁発言

22:45　USD　米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

 

 

3月25日(土曜日)

 

00:30　EUR　センテノ・ポルトガル中銀総裁発言

01:00　GBP　マンBOE外部理事発言

02:00　USD　ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

3月26日(日曜日)

 

欧州・英国がサマータイムへ移行