2021年8月22日
注目のジャクソンホール・シンポジウム開催! 「8月23日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は夏休みシーズンで閑散相場の中、アフガニスタン問題が話題となり、リスクオフが進みました。
円高・フラン高が進み、債券市場に資金が流入しました。
アフガニスタン問題は難民問題やテロなど、他の地政学リスクに波及する可能性があるので今後も注目したいと思います。
今週は注目のジャクソンホール・シンポジウムが開催され、夏休みをとっていたマーケット参加者が戻ってくると思われます。
少しづつ、取引量が戻ってきてボラティリティが出てくるのことを期待しています。
目次
◎今週の注目点
1)ジャクソンホール・シンポジウム
今週末に、注目が集まっているジャクソンホール・シンポジウムが開催されます。
コロナ感染拡大により、オンライン形式に変更されたようですが、注目のパウエルFRB議長のスピーチは今の所27日23時に変更はないようです。
ポイントはFRBのテーパリング開始時期です。
最もタカ派なシナリオは、ジャクソンホール・シンポジウムでテーパリングの開始を示唆し、9月FOMCで開始というシナリオです。
次にタカ派なシナリオは、9月以降の雇用を確認して、12月のFOMCでテーパリング開始というシナリオ。
最もハト派なシナリオは、雇用の最大化や物価上昇率の平均化を強調して、テーパリング開始を先送りというシナリオです。
市場予想としては12月テーパリング開始ではないかと見ています。
市場予想よりもタカ派になればドル買い、市場予想よりもハト派となればドル売りになるのではないかと考えています。
また、テーパリングの話以外に金融政策に関する発言が出てこないか、FRB以外の発言が出てこないかにも注目です。
今まで夏休みをとっていたマーケット参加者が、ジャクソンホール・シンポジウムを期に戻ってくると思うので、トレンドが転換・起点にならないかにも注目です。
2)経済指標
製造業・サービス業・総合PMI
今週は欧米英で製造業・サービス業・総合PMIが発表されます。
コロナ感染者数が拡大してきている状況で、景況感が後退しないか注目されています。
今週発表のPMIは速報値なので、予想と結果が大きく乖離する可能性があります。
予想よりも多幅に下回る結果が出てきた場合は、リスクオフに繋がる可能性があるので要注意です。
PCEデフレーター
PCEデフレーターはFRBが金融政策の判断材料として注目していることから注目されています。
今週発表のPCEデフレーターが予想を大きく上回ると、インフレ懸念からFRBによるテーパリング前倒し期待に繋がるのではないかと見ています。
テーパリング期待が高まれば、ドル買いに繋がると思われます。
3)リスクオフ
先週はアフガニスタン問題によりリスクオフが進み、リスクオフがマーケットの中心となりました。
アフガニスタン問題は一旦収束するかと思われましたが、今週もリスクオフが注目される1週間になりそうな気がしています。
リスクオフに影響しそうなリスクはアフガニスタン問題・中国リスク・コロナ感染拡大の3点です。
アフガニスタン問題はタリバンが進攻、新政権樹立を目指していますが、欧米や国連などは反対姿勢をとっています。
タリバンの報道官は、女性の人権などに融和な姿勢を発言していたので、このまま膠着状態で落ち着くかと思われていましたが、欧米は圧力を強め、アフガニスタンからは多くの人が国外へ逃げようとしています。
今後もアフガニスタンを巡り地政学リスクが進む可能性があります。
また、過激派によるテロの可能性や、アフガニスタンからの難民問題など、アフガニスタン問題から地政学リスクが波及する可能性にも注意しておきたいと思います。
中国リスクでは米中リスクと規制リスクに注意したいと思います。
なかでも規制リスクに注目してて、最近の中国当局による規制が中国株価、世界的な株価下落に影響を与えています。
上海総合指数やハンセン指数が下落しないかなど注目しておきたいと思います。
コロナ感染拡大は景況感と規制に注目しています。
米国や英国はコロナと共生を目指してワクチン接種が進んだことで規制を解除、経済活動を再開しています。
コロナ感染拡大により再度規制の可能性を感じると、今後の経済見通し、景況感の悪化に繋がり、リスクオフに繋がるのではないかと懸念しています。
欧州は規制解除に慎重なので、コロナ感染拡大は規制解除の先送りに繋がり、景況感の悪化に繋がり、リスクオフに繋がると思われます。
景況感の悪化によるリスクオフに要注目です。
また、オセアニアではゼロコロナ目指していることから、感染が拡大すると規制強化に繋がり景気後退に繋がります。
豪州は売りトレンドが加速、NZは利上げ期待の後退から売りトレンドにつながるかもしれません。
コロナ感染者数と規制の状況に注目です。
◎今週の注目通貨
1)米ドル
スタンス:買い目線
ポイント
・ジャクソンホール・シンポジウム
・PCEデフレーター、GDP(改定値)
ジャクソンホール・シンポジウムやPCEデフレーター、GDP(改定値)で、テーパリング期待が高まればドル買いが進むと思われます。
また、リスクオフが進めば避難通貨としてドル買いが進むと思われます。
売り要因としてはジャクソンホール・シンポジウムで最もハト派なシナリオになった場合や、債務上限問題が懸念されるような展開になった場合ではないかと思われます。
注目指標としては米株価指数、米金利、VIX指数、ドルインデックスに注目しておきたいと思います。
2)ユーロ
スタンス:売り目線
ポイント
・製造業・サービス業・総合PMI
・ドイツ選挙
・アフガニスタン問題
PMIの発表で景況感の悪化が見えてくるとユーロの重しになると思われます。
またドイツ総選挙による不透明感、アフガニスタン問題によるテロや難民問題など、地政学リスクによるユーロの重しが懸念されています。
ハト派姿勢を強調している欧州中銀(ECB)もユーロの重しとなっています。
対して買い要因が少なく、指標結果が良くて一時的に買われる可能性はあります。
もう一つ注意しているのがスイスの動きです。
地政学リスクの高まりでフラン高が進んでいることから、スイスの中央銀行によるユーロ買いフラン売り介入が気になります。
一時的なユーロ買いには注意しながら、ユーロを売っていきたいと思います。
3)NZドル
スタンス:売り目線
ポイント
・コロナ感染者数とロックダウン
・リスクオフ
NZドルの買い要因は利上げ期待。
コロナ感染者数がゼロになり、ロックダウンが解除されれば利上げ期待が高まりNZドルが買われると思われます。
ただ、先週売られた分の買い戻しだけで、それ以上は難しいと考えています。
経済指標の好結果が出てきても買われにくくなっていたので、下落圧力のほうが強いような気がしています。
コロナ感染者数が増加、ロックダウンが延長されれば、利上げ期待が後退しNZドル売りが加速。
世界経済の後退やリスクオフが進むと、資源国通貨であるNZドルは売られやすくなると思います。
リスクオフやコロナ感染者数を気にしながら、NZドル売りのチャンスを探していきたいと思います。
4)豪ドル
スタンス:売り目線
NZドル同様にコロナ感染者数とロックダウン、リスクオフの影響で豪ドルは売られやすい状況と考えています。
また、中国の規制強化による影響も大きいと思います。
豪ドル売りの注意点として、豪ドル売りが溜まっているので、調整買いが入ることを懸念しています。
リスクオフの後退や感染者数の減少、ロックダウンの解除などがキッカケで調整買いが入るのではないかと注目しています。
注目指標として、上海総合指数やハンセン指数、VIX指数などに注目しています。
5)ポンド
スタンス:様子見
英国では感染拡大がピークアウトするのか注目されています。
経済指標が良い数字が出ているものの、コロナ感染者数は多いままです。
感染者数の拡大がピークアウトするか、感染者数に関係なく重症者数が低下するなど、コロナとの共生が見えてくればポンドが買われるのではないかと見ています。
今のところは、コロナの状況を様子見といったところだと思われます。
経済再開による景況感の改善か、コロナ感染者数の増加による景況感の悪化か、PMIに注目です。
◎今週のイベントスケジュール
8月23日(月曜日)
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
8月24日(火曜日)
07:45 NZD NZ四半期小売売上高(4~6月期)
15:00 EUR ドイツ4~6月期GDP(改定値)
23:00 USD 米新築住宅販売戸数
8月25日(水曜日)
07:45 NZD NZ貿易収支
17:00 EUR ドイツIFO景況指数
21:00 MXN メキシコ4~6月期GDP(確定値)
21:30 USD 米耐久財受注
23:30 USD 原油在庫量
8月26日(木曜日)
ジャクソンホール・シンポジウム
02:00 USD 米2・5年債入札
15:00 EUR ドイツGfk消費者信頼感指数
20:30 EUR ECB理事会議事要旨(7月22日分)
21:30 USD 米4~6月期GDP(改定値)・新規失業保険申請件数
23:10 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
8月27日(金曜日)
ジャクソンホール・シンポジウム
02:00 USD 米7年債入札
10:30 AUD 豪小売売上高
16:30 SEK スウェーデン4~6月期GDP
21:30 USD PCEデフレーター
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
23:00 USD パウエルFRB議長発言(ジャクソンホール・シンポジウムでスピーチ)
8月28日(土曜日)
ジャクソンホール・シンポジウム
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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