2023年8月31日
米国物価指標PCEデフレーターに注目! 「8月31日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
一昨日発表されたJOLTS求人件数の結果が市場予想を大きく下回り米国の労働市場の緩みに注目が集まっていましたが、昨日発表されたADP雇用統計が市場予想を下回ったことでさらに米国労働市場の緩みが期待されるようになりました。
労働市場の緩みは人件費の低下に繋がり、物価の低下、FRBの追加利上げ観測の後退に繋がり、米金利の低下とともにドル売りが進みました。
米国のGDP改定値も下方修正されたこともドル売りにつながったと思います。
ドイツのCPI(消費者物価指数)は市場予想を上回り、ECBの追加利上げ期待に繋がりユーロ買いに繋がっています。
本日は景気後退が懸念されている中国のPMI、物価高で追加利上げ期待の欧州物価指標、FRBが最も重要視しているPCEデフレーターと重要指標が多数予定されています。
指標結果に注目しておきたいと思います。
目次
◎本日の注目点
1)経済指標
中国製造業・非製造業PMI
中国の不動産大手「碧桂園」のデフォルトリスクや昨年大きな話題となった中国不動産開発大手「中国
経済の先行指標として製造業・非製造業PMIに注目です。
ユーロ圏HICP(消費者物価指数)
先週発表のユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が市場予想を下回り、欧州の景気後退が懸念されています。
HICP(消費者物価指数)が市場予想を上回り高止まりした場合は、物価高と景気後退のスタグフレーションの可能性が高まります。
前日発表のドイツと併せて注目です。
PCEデフレーター
PCEデフレーターはFRBが政策判断に重要視している物価指標です。
今回発表される米7月のPCE総合価格指数は前年比3.3%と
PCE総合価格指数は昨年6月の6.8%をピークに低下傾向にありましたが、原油価格の上昇などにより下げ止まりつつあります。
このまま物価高が高止まりするようであれば、年内追加利上げの可能性が高まりドル買いが進むのではないかと思います。
2)金融政策
ECB理事会議事要旨
ECBは利上げ終了が注目されています。
ECB理事からは少しづつハト派の発言も出てきています。
前回のECB理事会で据え置きを支持した理事がどのくらいいたのか、今後の利上げ見通しについてどのように議論されたのか内容に注目です。
3)要人発言
先週、ジャクソンホール・シンポジウムを終えて、欧米の参加者も戻ってくる中で要人発言に注目したいと思います。
米国やカナダは追加利上げの可能性、また来年の利下げの可能性について発言に注目しています。
英欧や豪州などは物価高が続く中で景気後退が懸念されており、追加利上げをするのか、利上げ終了はいつなのかに注目しています。
また、日本に関しては円安が進んでおり、円安けん制発言や介入発言が出てくるのではないかと注目しています。
口先介入に関しては、発言のレベル感にも注目しておきたいと思います。
以下、去年の口先介入時のものです。
◎本日のイベントスケジュール
8月31日(木曜日)
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
16:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
16:15 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
16:15 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
16:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
20:30 EUR ECB理事会議事要旨(7月27日分)
20:30 EUR シュナーベルECB専務理事発言
21:30 USD PCEデフレーター、失業保険申請件数
22:00 USD コリンズ・ボストン連銀総裁発言
9月1日(金曜日)
01:00 EUR デギントスECB副総裁発言
10:45 CNY 財新製造業PMI