昨日はドル信認低下が意識されるなか、WSJ紙が「トランプ大統領が景気後退の責任をパウエル大統領に押し付けるための布石を敷いている」と掲載し、FRBの独立性の危機について指摘するとドル売りが加速し、ドル円は日本時間午後に節目の140円を割り込んで昨年9月16日以来の安値となる139.89円まで下落しました。

 

NY市場では一部通信社が「トランプ米政権は日本・インドと貿易合意に近づている」報じ、「ベッセント米財務長官は非公開イベントで『米中間の緊張緩和はごく近い将来に訪れると確信している』と話した」と伝わったほか、レビット米ホワイトハウス報道官は「中国との関係は良い方向に進んでいる」「トランプ大統領は中国との合意に向けて準備を進めている」などと発言したことで投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、米国の「トリプル安（株安・債券安・通貨安）」を巻き戻す動きが活発化、米国株相場が大幅に上昇、円売り・ドル買いが加速し、ドル円は5時過ぎに一時141.67円と日通し高値を更新しました。

 

本日は欧米英で製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。

関税による影響が懸念される中で、PMIの結果に注目です。

また、トランプリスクにも注意しておきたいと思います。

◎本日の注目点

 

１）経済指標

 

製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国で製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が発表されます。

各国ともトランプ関税の影響が注目されており、今後の景況感がどこまで悪化しているのか、PMIの結果に注目です。

大幅に悪化していた場合は、通貨売りが大きく進むのではないかと注目しています。

 

 

 

２）リスク要因

 

本日もトランプ(関税)がマーケットの中心となるのではないかと思います。

日米関係では関税に加えて非関税障壁(消費税や規制など)や、為替(円安誘導)が交渉されるのではないかと思います。

24日には加藤財務相がG20財務相・中央銀行総裁会議のため訪米し、日米財務相会談が行われるのではないかと思います。

円安是正や貿易に関する交渉結果が出てきた場合は株価や為替に影響が出てくるのではないかと思います。

また、米欧関係でも協議が進んでいますが、欧州は抑止力として米国への一部輸出品に規制を導入する提案を策定中と報復の準備も進めています。

最も注目されている米中関係ですが、米国が対中を145％、中国が対米を125％に引き上げ、中国は米国が再度関税を引き上げても対抗しないことを示唆しましたが、先週、中国政府は国内航空会社に「ボーイング機の受取り停止」を指示するなど関税以外での報復を進めています。

米中関係のさらなる悪化、新たな関税などが発表された場合は大きな影響が出るのではないかと思います。

さらに、相互関税のほか、医薬品などに対しても関税を考えていると発言していただけに、新たな関税に関するヘッドラインが出てこないかにも注意しておきたいと思います。

 

 

 

◎本日のイベントスケジュール

 

 

4月23日(水曜日)

 

G20財務相・中央銀行総裁会議

 

16:15　EUR　フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

16:30　EUR　ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:00　EUR　ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:30　GBP　英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

19:00　EUR　クノット・オランダ中銀総裁発言

19:30　GBP　ピルBOE主席エコノミスト発言

22:00　USD　グールズビー・シカゴ連銀総裁発言

22:30　USD　ウォラーFRB理事、ムサレム・セントルイス連銀総裁発言

22:45　USD　米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

23:00　USD　米新築住宅販売件数

23:30　USD　原油在庫量

 

 

4月24日(木曜日)

 

02:00　USD　5年債入札

02:15　GBP　ベイリーBOE総裁発言

03:00　GBP　ブリーデンBOE副総裁発言

03:00　EUR　ビルロワ・フランス中銀総裁発言

03:00　USD　ベージュブック(米地区連銀経済報告)

04:15　EUR　レーンECB専務理事兼主席エコノミスト

07:30　USD　ハマック・クリーブランド連銀総裁発言