2022年5月8日
要人発言や米CPI(消費者物価指数)に注目! 「5月9日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目されていた英国と米国と豪州の政策発表がありました。
米国では0.75%の利上げも一部では予想されていましたが、市場予想通り0.5%利上げを発表し6月からQT(資産縮小)も決定しました。
今後2会合で0.5%利上げも示唆したことと、0.75%の利上げを否定したことで政策発表後はドル売りが進みました。
英国では市場予想通り0.25%の利上げ発表しました。
0.5%利上げ票に3名投じていたことから一時はポンド買いが進みましたが、その後は同時発表のインフレーションレポートでは景気見通しが下方修正されていたことから大きくポンド売りが進みました。
豪州では来週総選挙を控えていることから政策据え置きが予想されていましたが0.25%の利上げを発表し、豪ドル買いが進みました。
今週は政策発表ラッシュが過ぎたことで要人発言が多数予定されています。
また、米国注目のCPI(消費者物価指数)の発表も予定されています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
米CPI(消費者物価指数)
今週は米国で問題となっている物価高がどこまで進んでいるのかCPI(消費者物価指数)に注目です。
先週のFOMCで0.5%利上げを発表し、今後2会合でも0.5%利上げを示唆しているFRBですが、マーケットは0.75%の利上げを織り込もうとしています。
米国の物価が市場予想を上回っていた場合や、前月の結果を上回っていた場合は次回FOMCで0.75%の利上げをさらに織り込みドル高が進むのではないかと注目しています。
米PPI(生産者物価指数)
PPI(生産者物価指数)は製造過程の製品や原材料などの価格を指数化したものです。
原材料などの価格が上昇すれば、コスト増加に繋がり商品価格に転嫁され、結果的に物価上昇に繋がります。
PPI(生産者物価指数)が予想以上に上昇していれば、今後のCPI(消費者物価指数)上昇に繋がる可能性が高く、ドル買いに繋がるのではないかと注目されています。
英GDP
先週発表された英国のインフレーションレポートでは経済見通しが下方修正されポンド売りが進みました。
今週発表される1∼3月期のGDP速報値が予想を下回ると、見通しよりも景気後退が懸念され、引き締めが後退するのではないかとの懸念に繋がります。
今回は速報値なので予想と結果が大きく乖離する可能性があり、ポンド売りが大きく加速する可能性があるので注目です。
2)要人発言
FRB要人
FRBは先日のFOMCで0.5%利上げを発表し、6月からQT(資産縮小)スタートも発表しました。
パウエルFRB議長は記者会見で0.75%利上げの可能性を否定し今後2会合で0.5%利上げを示唆、市場では0.75%の利上げを予想する部分もあり一時はドル売りが進みました。
今週はFOMCが明けて、要人発言が多数出てきます。
今後2会合で0.5%利上げなのか、0.75%利上げの可能性はないのか、QT(資産縮小)の加速はないのか、発言内容に注目です。
再度0.75%の利上げを織り込むようであればドル買いが進む可能性が高いのではないかと注目しています。
ECB要人
ECBも年内利上げに踏み切るのではないかと注目が集まっています。
ECB要人発言からどのくらいタカ派が増えているのか、利上げ時期や利上げペースをどのように考えているのか発言内容に注目です。
利上げ期待が高まればユーロが底堅くなるのではないかと注目しています。
BOE要人
英国では物価上昇と景気後退が注目されています。
物価上昇を抑える為の利上げを優先させるのか、利上げをすることで景気を冷やす可能性があることから景気を優先させて物価上昇を放置するのか、英中銀がどちらに進むのか発言内容に注目しています。
先週の政策を見ると利上げ幅は0.25%に控えて、インフレーションレポートでは景気見通しを下方修正されていたところを見ると、物価よりも景気を優先させたのではないかと感じます。
そうなると利上げ期待は後退しポンド売りが進む可能性が高いのではないかと思います。
今週の要人発言から、英中銀の方向性に注目していきたいと思います。
3)リスク要因
ウクライナリスク
5月9日はロシアの記念日でウクライナ侵攻の節目になるのではないかと注目しています。
ロシアの侵攻が次のステップに進まないか、生物兵器や化学兵器、核兵器などを使用しないか注目です。
生物兵器や化学兵器や核兵器などを使用した場合は欧米も動き出すのではないか、制裁を強化するのではないかと思います。
欧米の制裁が強化された場合、資源などの価格上昇などのリスクにつながる可能性があるので注意しておきたいと思います。
円安リスク
欧米などで引き締め期待が高まり金利が上昇しています。
日銀は緩和政策を維持し、YCC(イールドカーブ・コントロール)の継続を発表、指値オペを実施しています。
世界的金利の上昇から日本の金利もつられて上昇した場合、指値オペの可能性があり、金利差拡大から円安が進む可能性があります。
最近のマーケットは円安が中心になることが多いので、金利と指値オペ、円安に注意しておきたいと思います。
中国リスク
中国ではコロナ感染拡大によりロックダウンの拡大と継続が注目されています。
中国はゼロコロナを目指し、強いロックダウンを実施していることから経済がストップ、景気後退が懸念されています。
中国の景気後退は世界的に影響することから、中国のロックダウン拡大や継続は世界の景気後退懸念に繋がるので注意しておきたいと思います。
ジョンソン政権リスク
先週末に実施された英国の地方選挙では与党が敗れ、ジョンソン首相の求心力はさらに低下しています。
昨年末のロックダウン中のパーティー問題などから首相辞任の可能性が高まっている状況での地方選挙大敗です。
ジョンソン政権崩壊の懸念からポンド売りが進むのではないかと注目しています。
政権交代の可能性が高まれば、EU離脱の交渉などにも影響するのではないかと注目しています。
今後のジョンソン政権に注意しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
5月9日(月曜日)
08:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(3月17日分)
22:00 GBP ソーンダースBOE外部理事発言
5月10日(火曜日)
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
20:40 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
21:30 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
5月11日(水曜日)
02:00 USD 米3年債入札
02:00 USD ウォラーFRB理事、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
02:20 EUR デギントスECB副総裁発言
04:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
08:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
15:00 EUR エルダーソンECB専務理事発言
17:00 EUR ラガルドECB総裁発言
21:20 EUR シュナーベルECB専務理事発言
21:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
23:30 USD 原油在庫量
5月12日(木曜日)
02:00 USD 米10年債入札
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(4月28日分)
15:00 GBP 英1∼3月期GDP(速報値)
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)・失業保険申請件数
5月13日(金曜日)
00:35 CAD グラヴェルBOC副総裁発言
02:00 USD 米30年債入札
04:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
16:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)(改定値)
16:00 EUR デギントスECB副総裁発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
5月14日(土曜日)
00:00 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言
01:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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