2022年3月20日
要人発言ラッシュの1週間! 「3月21日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は金融政策発表ラッシュでした。
FOMCでは長く続いたゼロ金利政策から離脱し、0.25%利上げを発表。
ドットチャートや声明文、記者会見から年内あと6回の利上げを示唆し、5月にはQT(資産縮小)スタートするのではないかと示唆されました。
タカ派な内容になったFRBとは対照的に英中銀はハト派な内容が発表されました。
2月の英中銀では0.5%利上げの可能性も見えてくる内容だったことから、先週の英中銀は全会一致で0.25%利上げが予想されていましたが、結果はカンリフBOE副総裁が据え置き表を投じ、8:1で0.25%利上げとなりました。
声明文でも内容がハト派に修正されていました。
日銀は安定の現状維持。
黒田日銀総裁の記者会見で、さすがに円安が進みすぎていると懸念が示されるかと注目されましたが、結果は緩和政策の維持を強調し、円安容認の姿勢が示されました。
今週は政策発表ラッシュが過ぎたことで多くの要人発言が出てきます。
政策について、今後について、どのような発言が出てくるか注目です。
目次
◎今週の注目点
1)要人発言
今週は要人発言が多数予定されています。
追加の利上げや引き締めなど、今後の金融政策について発言が出てこないか注目しています。
それぞれの注目ポイントは以下だと思っています。
FRB
先週のFOMCで0.25%利上げを発表し、残りのFOMCで毎回0.25%利上げが示唆されました。
ただ、ウォラーFRB理事は0.5%利上げについて言及し、一時ドル買いが進みました。
また、ハト派のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も引締めに前向きな発言をしていることから、今週も多くのFOMCメンバーから引き締めに関する発言が出てくるのではないかと注目しています。
発言後にドル買いが進むのか、金利が上昇するのか、値動きとともに注目です。
ECB
ECBは先日の理事会でAPP(資産購入プログラム)の前倒し終了を示唆しました。
次の注目は年内利上げの可能性です。
ウクライナ情勢による景気見通しと物価見通し、それに対するECBの対応について、それぞれのECB理事会メンバーがどのように考えているのか?
年内利上げの可能性があるのか?
発言内容に注目です。
BOE
BOEは先日の政策発表で0.25%利上げを発表しましたが、カンリフBOE副総裁が据え置き票を入れるというサプライズでポンド売りが進みました。
また声明文も前回のBOE政策発表の時よりもハト派となっていたことがポンド売りの要因となっています。
今週はBOE要人からタカ派の内容が聞こえてくるのか、それともハト派の内容が聞こえてくるのかに注目。
内容次第ではポンド売りが加速する可能性もあるので注目です。
RBA
先週発表された雇用統計では、コロナ禍から求職する人も増えたうえで失業率が改善するという、かなり雇用状況は回復してきています。
RBAは雇用に注目していただけに、ここまで雇用が回復してきている状況であれば物価上昇対応のため、利上げに踏み切るのではないかと期待が集まります。
要人発言から利上げに繋がるような発言が出てくれば、豪ドル買いが進むのではないかと注目しています。
日銀
先週の日銀金融政策決定会合では現状維持が発表され、黒田日銀総裁の記者会見では緩和維持を強調。
円安についても容認する姿勢が発表されました。
ただ、円安による輸入物価上昇、貿易赤字によるさらなる円安と、円安スパイラルに陥るのではないかとの懸念もあり、日銀や政府から円安懸念発言が出てくるのではないかと注目しています。
円安是正のような発言が出てきた場合、円高に振れる可能性があるので注意しておきたいと思います。
2)経済指標
製造業・サービス業・総合PMI
欧州や英国、米国では物価上昇が進み問題となっています。
物価上昇は消費意欲を低下させ、景気後退の懸念に繋がります。
製造業やサービス業など、これからの景気後退を懸念していないか、今後の景況感に注目です。
また、米国は逆イールドが発生しており、景気後退が強く懸念される状況なので景況感に注目、欧州や英国ではウクライナ情勢による景気後退が懸念されていることから景況感に注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英国では先週発表された英雇用統計では平均賃金が予想を上回り、先月以上の賃金上昇が発表されました。
人件費の高騰は物価上昇に繋がります。
また、ウクライナ情勢による物価上昇、エネルギー価格の上昇などから、物価上昇がかなり進むのではないかと注目しています。
物価上昇が予想以上であった場合は、追加利上げの可能性に繋がりポンド買いに繋がる可能性があるので注目です。
ユーロ圏消費者信頼感指数
欧州ではウクライナ情勢による物価上昇が問題となっています。
ウクライナは欧州向けの穀物などが戦争で輸出できない状況、ロシアへの制裁でロシア産の製品なども禁輸している状況です。
エネルギー価格の上昇も問題となっており、物価上昇は消費意欲の低下に繋がります。
ユーロ圏の消費がどこまで強いものなのか、悪化していないのか、消費者信頼感指数に注目です。
スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
スイスフランはウクライナ情勢による地政学リスクからフラン高が進んでいます。
スイス国立銀行(SNB)はフラン高を嫌い、フラン高が進んだ場合は介入の可能性に言及しています。
今週の政策発表でも現状のマイナス金利を維持し、フラン高懸念や介入などに言及するのではないかと予想しています。
3)ウクライナ情勢
ウクライナ情勢は停戦交渉を繰り返し、少しづつ終了に向けて進んでるのではないかと注目しています。
実際のロシアの侵攻などがすぐに解決するとは思えませんが、マーケットの材料としては終了に向かっていると思います。
少しづつ、ウクライナ情勢に関するヘッドラインにマーケットが反応しなくなるのではないかと注目、値動きとヘッドラインに注目です。
ただ、以下のような事が出てくると再度リスクオフが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
・ロシアが核を使用
・ウクライナだけでなく周辺国まで侵攻の噂
・新たな経済制裁やロシアによる報復
◎今週のイベントスケジュール
3月21日(月曜日)
06:45 NZD NZ貿易収支
16:00 EUR ドイツPPI(生産者物価指数)
16:30 EUR ラガルドECB総裁発言
18:00 EUR マクルーフ・アイルランド中銀総裁発言
21:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
23:00 USD パウエルFRB議長発言
3月22日(火曜日)
00:30 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
01:00 USD パウエルFRB議長発言
06:00 NZD NZ Westpac消費者信頼感指数
10:00 AUD ロウRBA総裁発言
16:20 EUR デギントスECB副総裁発言
18:35 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
22:00 EUR パネッタECB専務理事発言
22:15 EUR ラガルドECB総裁発言
23:35 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
3月23日(水曜日)
00:15 GBP カンリフBOE副総裁発言
00:15 CHF ジョーダンSNB総裁発言
02:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
03:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
06:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言(22年投票権)
16:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
21:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
21:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
21:00 USD パウエルFRB議長発言
23:30 USD 原油在庫量
3月24日(木曜日)
EU首脳会議
00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
00:30 EUR ビスコ・イタリア中銀総裁発言
00:45 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
04:00 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言(22年投票権)
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(1月18日分)
10:05 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言(22年投票権)
17:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 CHF スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
18:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
18:30 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見
18:30 EUR エルダーソンECB専務理事発言
21:30 USD 米耐久財受注・失業保険申請件数
21:30 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言(23年投票権)
22:00 USD マンBOE外部理事発言
22:00 EUR エルダーソンECB専務理事発言
22:10 USD ウォラーFRB理事発言
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
22:50 USD エバンズ・シカゴ連銀総裁発言(23年投票権)
3月25日(金曜日)
00:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
13:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
16:00 GBP 英小売売上高
18:00 EUR ドイツIFO景況感指数
22:10 USD ウォラーFRB理事発言
23:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)・中古住宅販売保留
3月26日(土曜日)
00:30 USD バーキン・リッチモンド連銀総裁発言
01:00 USD ウォラーFRB理事発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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