2021年11月7日
金融政策発表後の主要通貨の動きに注目! 「11月8日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はFOMCや英中銀(BOE)Super Thursdayなど注目度の高い政策発表がありました。
FOMCでは市場予想通りテーパリングの開始が発表され、予想通りの内容だった為Sell The Factの動きとなりました。
パウエルFRB議長のテーパリングと利上げは別という発言から、利上げ観測が後退していることもドル売りが進んだ要因の一つではないかと考えています。
また、英中銀(BOE)Super Thursdayでは、予想外の据え置きが発表されポンドは暴落しています。
英中銀は利上げをすると思われていましたが、投票配分7対2で据え置きとなりました。
利上げ票を投じたのはラムズデンBOE副総裁とソーンダースBOE外部理事の2名で、利上げに前向きと思われていたベイリーBOE総裁は据え置きに投票するなど、本当にサプライズな内容でした。
今週は政策発表などの重要イベントはありませんが、要人発言が多数予定されていて、重要指標もいくつか予定されています。
要人発言や指標などの結果を見ながら、政策内容を織り込む動きになるのではないかと考えています。
また、今週から米国はサマータイムを終了し、標準時に移行しているので指標発表時間やマーケットオープンの時間が1時間遅くなります。
目次
◎今週の注目点
1)要人発言
FRB
先日のFOMCでテーパリングの開始を発表し、FRBは今月から資産買い入れ額の減額を始めます。
計画通りに進めば、来年6月には資産買い入れを終了する予定です。
この後、22年後半に利上げがあるのか、23年は何回くらい利上げをする見通しなのかに注目が集まっています。
投票権を持つ要人たちの発言から利上げ期待を伺う展開になると思います。
BOE
先日の英中銀(BOE)では、利上げ予想を覆し据え置きを発表しています。
利上げ票を投じたのはラムズデンBOE副総裁とソーンダースBOE外部理事の2名。
利上げに前向きな発言をしていたベイリーBOE総裁は据え置きに投票しています。
これにより、12月の利上げ期待も後退している状況でポンドは大きく下落しています。
今週は英中銀MPCメンバーの発言から、12月や来年の利上げ期待についてどのような発言が出てくるのか、発言から再度利上げ期待を織り込んでいく動きになるのではないかと注目しています。
ECB
ECBは12月の理事会でPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の見直しをすると予想されています。
PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を3月で終了するのか、PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)に替わる資産購入を始めるのか、物価高に対してどのような対策をとるのかなどを要人発言から読み取りたいと思います。
追加の緩和姿勢を強めるようであればユーロの上値を抑えていくのではないかと考えています。
2)経済指標
米CPI(消費者物価指数)・PPI(生産者物価指数)
米国でも物価高が進み問題となっています。
今週は物価指標であるCPI(消費者物価指数)と、商品を製造するための原材料コストを計る指標であるPPI(生産者物価指数)が発表されます。
ともに上昇するようであれば、物価上昇を抑える為にFRBは利上げ期待に繋がるのではないかと注目です。
CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)の結果で米金利が上昇するのかと併せて注目です。
英GDP(7~9月期)(速報値)
英国は段階的にロックダウンを解除してきて、完全に解除をした後のGDPが発表されます。
どこまで経済が回復しているのか、GDPの結果に注目です。
特に今回は速報値なので、予想と結果が大きく乖離する可能性があるので要注目です。
豪雇用統計
先日のRBAではYCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲットを撤廃しましたが、声明文で利上げの時期までに「
ただ、今回の雇用統計の結果が良ければ、再度利上げ期待が高まるのではないかと注目しています。
ポイントは労働参加率で、どのくらいの人が仕事を求めているのかです。
豪州でもコロナ禍から仕事を求める人が減っており、求職者が少ないことから失業率が低下している状況です。
なので、労働参加率が回復したうえで、失業率が改善していれば利上げ期待に繋がるのではないかと予想しています。
3)リスク要因
パウエルFRB議長の後任
FRBや地区連銀総裁などによる株式投資が問題となっており、パウエルFRB議長もトランプ政権時に株価が下落する前に投資信託を売り抜けていたことが問題視されています。
このことから来年2月で任期満了を迎えるパウエルFRB議長の再任が難しくなってきています。
パウエルFRB議長の後任として最有力されているのはブレイナードFRB理事で、超ハト派です。
ブレイナードFRB理事が次期FRB議長として指名された場合は、利上げ期待が大きく後退するのではないかと思われます。
バイデン大統領は近々、次期FRB議長を発表すると言っているので早ければ今週にも発表されるのではないかと注意しています。
バイデン大統領はCOP26の参加で英国に行っているので、帰国後に発表するのではないかと予想しています。
英国vs欧州
英国と欧州の間で離脱を巡り対立が問題となっています。
北アイルランドの国境問題に加え、英国とフランスの間で漁業権を巡り対立が問題となっています。
特に英仏漁業権問題はお互いが制裁を口にしているだけに、制裁合戦に繋がるのではないかと注目しています。
この問題はポンドやユーロの頭を抑える要因となるのではないかと考えています。
中国リスク
中国では先週、保証した理財商品の支払いを
今週10日には中国恒大集団の利払
不動産バブルの崩壊による中国景気後退に要注意です。
また、本来は10月中旬に発表される米国の為替報告書ですが未だに発表されていません。
先日の米国貿易収支では過去最大の貿易赤字となっており、中国との貿易不均衡が拡大しています。
この問題を解決するために、トランプ政権時に第1段階通商合意を結んだのですが順守されていない状況です。
米国から為替報告書が発表され、米中貿易戦争に再度火がつかないか注目です。
◎今週のイベントスケジュール
11月7日(日曜日)
米国サマータイム終了(標準時に移行)
11月8日(月曜日)
ユーロ圏財務相会合
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月28日分)
22:10 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
23:00 USD クラリダFRB副議長発言
11月9日(火曜日)
EU財務相会合
00:30 USD パウエルFRB議長発言
02:00 USD ボウマンFRB理事、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(23年投票権)発言
03:00 USD 米3年債入札
03:50 USD エバンス・シカゴ連銀総裁(23年投票権)発言
16:45 EUR パネッタECB専務理事、レーン・フィンランド中銀総裁発言
19:00 EUR ドイツZEW景況感指数
19:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
22:00 EUR ラガルドECB総裁発言
22:30 USD 米PPI(生産者物価指数)
23:00 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
23:00 USD パウエルFRB議長、ブラード・セントルイス連銀総裁(22年投票権)発言
11月10日(水曜日)
00:30 GBP ブロードベントBOE副総裁発言
01:00 GBP ベイリーBOE総裁発言
01:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
01:35 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
03:00 USD 米10年債入札
03:30 USD カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(23年投票権)発言
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:30 EUR エルダーソンECB専務理事発言
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)・失業保険申請件数
11月11日(木曜日)
00:30 USD 原油在庫量
03:00 USD 米30年債入札
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率
16:00 GBP 英GDP(7~9月期)(速報値)
11月12日(金曜日)
米国債券市場休場(ベテランズデー)
01:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
04:00 MXN メキシコ政策金利発表
22:50 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
23:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言
11月13日(土曜日)
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数
02:10 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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