2023年3月6日
雇用統計にパウエルFRB議長の議会証言、豪・加・日の金融政策発表に注目! 「3月6日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週はスナク英首相とフォンデアライエン欧州委員長の間で北アイルランド議定書に合意と報道されるとポンドが大きく上昇しました。
中国はゼロコロナ政策からの転換で、製造業・非製造業PMIの発表で市場予想を大きく上回る結果が出てきました。
中国の経済回復は資源価格の上昇に繋がり、資源国通貨の下支えや中国の影響が大きいユーロの上昇に繋がっています。
また、欧州ではスペイン・フランス・ドイツ・ユーロ圏と軒並みHICP(消費者物価指数)が市場予想を上回り、予想以上の物価高が確認され、追加利上げ・ターミナルレート(利上げの最終水準)の引き上げが予想されユーロ上昇に繋がっています。
米国でも市場予想を上回るISMが確認され、今週の雇用統計に期待が高まっています。
今週は豪・加・日の金融政策発表をはじめ、雇用統計、パウエルFRB議長の議会証言などイベントが多い事からボラティリティの高い1週間になるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策発表
RBA理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げを7~8割織り込み済み
バイアス:豪ドル上値重い
ポイント:利上げ幅と今後の政策見通し
今回のRBA理事会では0.25%の利上げが予想されています。
ただ、前回の理事会以降に発表されたCPI(消費者物価指数)や四半期賃金指数、GDPなどが予想を下回っていたことから、据え置きの可能性も残っています。
据え置きが発表された場合は大きく豪ドルが下落するのではないかと注目しています。
また、声明文の内容でインフレ見通しや利上げのペースについてタカ派なのか、ハト派なのかにも注目です。
タカ派であれば豪ドル買い、ハト派であれば大きく豪ドル売りになるのではないかと注目しています。
カナダ中銀金融政策発表
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げと据え置きが五分五分(やや据え置き優勢)
バイアス:特になし
ポイント:利上げの有無と今後の見通し
カナダは直近のCPI(消費者物価指数)やGDPなど市場予想を下回っており、カナダ中銀は利上げを停止するのではないかと注目しています。
主要中銀の中で早く利上げをはじめて先行してきたカナダ中銀が利上げを停止すると、後を追随してきた中銀も利上げ停止が近づくのではないかと注目されています。
仮に利上げをした場合でも、今回の利上げが最後になるのか、今後の金融政策の見通しについて声明文がどのようになっているのか、内容に注目です。
日銀金融政策決定会合
注目度:高い
織り込み度:据え置きを7~8割織り込み済み
バイアス:円の上値重い
ポイント:政策変更があるのか、黒田日銀総裁最後の記者会見の内容
今回の日銀金融政策決定会合は黒田日銀総裁のもとでの最後の会合です。
さすがに最後の会合で政策変更はないのではないかというのが市場予想です。
ただ、日本の10年債利回りはYCC(イールドカーブ・コントロール)の誘導目標上限である0.5%に張り付いています。
YCC(イールドカーブ・コントロール)が限界で、政策変更を余儀なくされる可能性もあるのではないかと思います。
政策変更の可能性は1~2割程度ではないかと思っています。
政策変更の有無、またこれまでの金融政策についての総評について注目しています。
一定の成果があったとすると思いますが、YCC(イールドカーブ・コントロール)の限界や副作用について発言があるのであれば円高に動くのではないかと思っています。
2)経済指標
ADP雇用統計
米国では人手不足による人件費の高騰が底堅いインフレに繋がっているのではないかと見られています。
雇用統計の結果が予想以上になるようであれば、さらに強いインフレに繋がるのではないかと注目しています。
予想以上の結果が出てくるようであれば、週末のNFP雇用統計への期待が高まるのではないかと思います。
NFP雇用統計
米国のインフレは人件費の高騰が大きな要因と見られています。
NFP雇用統計が市場予想を上回るようであれば、ターミナルレート(利上げの最終水準)が上昇し5.5%を上回るのではないかと思っています。
特に注目したいのは平均時給です。
平均時給の上昇は人件費の高騰と受け止められ、インフレ上昇の大きな要因となるのではないかと思います。
次に失業率、雇用者数と注目したいと思います。
カナダ雇用統計
カナダ中銀金融政策発表の後に雇用統計が発表されるので、雇用統計の結果次第で注目度が変わるのではないかと思います。
カナダ中銀が利上げをした場合、今回の雇用統計が次回利上げに影響するのではないか、弱い結果が出てきた場合は利上げ停止観測が高まりカナダドル売りが進むのではないかと注目しています。
カナダ中銀が利上げ停止をした場合、雇用統計が強くても利上げに繋がらないとなるとカナダドルの上値は限定的になり、弱い結果が出てきた場合は大きくカナダドル売りが進むのではないかと思っています。
3)要人発言
パウエルFRB議長発言(議会証言)
四半期に一度の議会証言でタカ派な内容が出てくるのではないかと注目しています。
1月雇用統計をはじめ、CPI(消費者物価指数)やGDPなど市場予想以上の結果が出てきており、根強いインフレが確認されたことから0.5%利上げを含め、ターミナルレート(利上げの最終水準)の引き上げなどタカ派な内容になると予想されています。
逆にハト派な内容になるとサプライズでドル売り進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
FRB
FRBは3月22日にFOMCを控えて来週からブラックアウト期間に入ります。
一部では3月FOMCで0.5%利上げの噂もあり、ターミナルレート(利上げの最終水準)も5.5%以上に引き上げられるのではないかと予想されています。
ブラックアウト期間前にFOMCメンバーから3月利上げ幅とターミナルレート(利上げの最終水準)についてどのような発言が出てくるのか注目です。
ECB
欧州では予想を上回るHICP(消費者物価指数)の結果が出ています。
予想以上の物価高が確認され、追加利上げの可能性が高まっています。
3月ECB理事会では0.5%の利上げが予想されています。
今後の追加利上げについてどのような発言が出てくるのか、ターミナルレート(利上げの最終水準)がどの程度になるのか発言に注目です。
BOE
BOEは3月会
ただ、先週ベイリーBOE総裁は「現段
今後3月利上げやターミナルレート(利上げの最終水準)について、どのような発言が出てくるのか注目です。
日銀
日銀金融政策決定会合では黒田日銀総裁の最後の記者会見が注目されていますが、世界からは植田次期日銀総裁のもとでの金融政策に注目が集まっています。
YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正・撤廃、マイナス金利の解除について、どの時期に行うのか?
どのような手順で行っていくのか、植田次期日銀総裁はじめ日銀の発言に注目です。
◎今週のイベントスケジュール
3月6日(月曜日)
19:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
3月7日(火曜日)
00:00 CAD IveyPMI
09:30 AUD 豪貿易収支
12:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
19:15 GBP ウッズBOE副総裁発言
3月8日(水曜日)
00:00 USD パウエルFRB議長発言(米上院銀行委員会で金
03:00 USD 米3年債入札
03:30 CHF ジョーダンSNB総裁発言
06:55 AUD ロウRBA総裁発言
19:00 EUR ラガルドECB総裁、パネッタECB専務理事発言
19:00 EUR ユーロ圏GDP(確定値)
22:15 USD ADP雇用統計
22:30 USD 米貿易収支
22:30 CAD カナダ貿易収支
3月9日(木曜日)
バイデン米政権、2024会計年度の予算教書公表
00:00 USD パウエルFRB議長発言(米下院金融サービス委員会で金融政策や経済
00:00 USD JOLT求職
00:00 CAD カナダ中銀金融政策発表
00:30 USD 原油在庫量
03:00 USD 米10年債入札
04:00 USD ベージュブック(米地区連銀経済報告)
08:50 JPY 日本GDP
10:30 CNY 中国CPI(消費者物価指数)
21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)
22:30 USD 米失業保険申請件数
3月10日(金曜日)
00:00 USD バーFRB副議長発言
03:00 USD 米30年債入札
03:30 CAD ロジャースBOC副総裁発言
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
16:00 GBP 英GDP
16:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:00 EUR パネッタECB専務理事発言
22:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
22:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
3月11日(土曜日)
00:00 EUR ラガルドECB総裁発言
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
3月12日(日曜日)
米国・カナダ(北米)サマータイム移行