雇用統計・ISM・RBA理事会に注目! 「7月3日週の注目点とイベントスケジュール」

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2023年7月4日

雇用統計・ISM・RBA理事会に注目! 「7月3日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週はジャクソンホール・シンポジウムに次いで注目されているECBフォーラムで日米英欧の中銀総裁がパネルディスカッションで金融政策について発表。

物価高抑制のため金融引き締めを進める米英欧と緩和政策を継続する日本の金融政策の差が明確となりました。

このことでドル買い円売りが進み、ドル円は145円目前まで上昇しています。

 

昨年の介入レベルである145円を目前に、財務省や政府からは口先介入が続いており、円買い介入に注目が集まっています。

 

今週は雇用統計やISMなど重要指標が多く予定されており、7月FOMCの利上げを見極める展開となるのではないかと思っています。

目次

◎今週の注目点

 

1)金融政策

 

RBA理事会

注目度:高い

織り込み度:0.25%利上げを7割織り込み済み(据え置きの可能性3割程度)

バイアス:豪ドルが底堅い

ポイント:追加利上げと利上げ見通し

 

6月のRBA理事会議事要旨の内容から、6月の利上げは利上げ派と据え置き派で意見が分かれていたことが判明し、RBAはハト派寄りだということが見えてきました。

そのうえで、豪州の5月消費者物価指数(CPI)が市場予想の6.1%や4月の6.8%を大幅に下回る5.6%になったことでハト派据え置きの可能性が急上昇しています。

今回の理事会で据え置きが発表され、今後の利上げについてもデータ次第となるようであれば一気に豪ドル売りが進む可能性があるので注目しておきたい。

利上げが実施された場合でも、声明文の内容では豪ドル売りに進む可能性があるので注意したいと思います。

 

 

 

FOMC議事要旨

6月のFOMCでは据え置きが決定され一時は利上げ停止が噂されましたが、現在は年内2回の追加利上げが織り込まれています。

6月の据え置きは一時停止の据え置きだったのか、一回様子見の据え置きだったのか、議事要旨の内容に注目しています。

7月以降の追加利上げについて前向きな内容が出てくると、7月利上げが既定路線になる可能性が高いのではないかと思っています。

 

 

 

2)経済指標

 

ADP雇用統計

米国のインフレ要因の1つに人手不足があるため、雇用統計に注目が集まっています。

週末のNFP雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計の結果に注目です。

どの程度市場予想を上回る雇用者数が出てくるのか、それとも予想を下回る結果になるのか注目です。

 

 

 

ISM非製造業景況指数

ISM非製造業景況指数は非製造業(サービス業)の企業に対して、今後の景気について質問し結果を指数化したもので、景気の先行指標として注目されています。

消費大国の米国はGDPのうち消費が占める割合が大きく、非製造業(サービス業)の景況感は重要視されています。

金融不安が広がっただけに、消費意欲が低下しISM非製造業景況指数の結果が50を割り込むような結果になるとイッキに景気後退が懸念される展開になるのではないかと注目しています。

 

 

 

カナダ雇用統計・失業率

カナダ中銀は一度利上げを停止しましたが、高止まりする物価高で追加利上げを発表しました。

その後発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と予想と一致するも、前月の+4.4%から伸びが鈍化し、伸び率は約2年ぶりの低い水準となったことから7月の追加利上げの確率は6割から3割程度に低下しています。

今回の雇用統計で雇用市場のゆるみが確認されれば、人件費の低下から物価は低下、利上げ期待の後退につながるのではないかと注目しています。

 

 

 

NFP雇用統計・失業率

物価上昇の要因の1つである人件費の高騰を確認するために平均時給が市場予想を下回るか、前回値と比べて低下しているのかに注目しています。

雇用者数と失業率よりも平均賃金に注目し、その上で失業率が悪化しているのかに注目したいと思います。

平均時給や失業率が悪化していた場合、年内利下げ期待が進み金利低下・ドル安が進むのではないかと思います。

金利と併せて注目しておきたいと思います。

 

 

 

3)リスク要因

 

日銀介入リスク

ドル円は昨年の介入水準である145円の攻防が続いています。

政府や財務相からは円安をけん制する発言が出てきており、介入リスクが高まっています。

口先介入のレベルは中程度から重い発言に近づいていいます。

今後、「介入をいつでもやる用意がある」といった発言や三者会合、米国との調整などが出てくると介入の可能性がより高まり、レートチェックが出てきた場合はいつ介入が実施されてもおかしくない、介入の準備はできたと受け止められるのではないかと考えています。

日銀・政府・財務相の発言に注意しておきたいと思います。

 

 

 

米株価暴落リスク

米国はFRBによるハイペース利上げの影響で少しづつ景気後退が表面化しています。

製造業・サービス業・総合PMIやISM製造業景況指数は景気悪化のサインが見えており、このまま景気後退となれば株価は下落するのではないかと思います。

そのうえで注意しておきたいのがSVB破綻から始まった中小銀行の規制強化です。

銀行規制強化は引き締め効果と同様の効果があるため、FRBが利上げを停止しても引き締め効果が続き、株価下落を引き起こすのではないかと思います。

米株下落によるリスクオフには注意しておきたいと思います。

 

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

7月4日(火曜日)

 

米国休場(独立記念日)

 

13:30 AUD RBA理事会・声明文

 

 

7月5日(水曜日)

 

01:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言

02:00 EUR ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁発言

10:45 CNY 財伸サービス業PMI

16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)

16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)

17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)

17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)

20:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言

 

 

7月6日(木曜日)

 

03:00 USD FOMC議事要旨(6月14日分)

05:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言

21:15 USD ADP雇用統計

21:30 CAD カナダ貿易収支

21:30 USD 米貿易収支、新規失業保険申請件数

21:45 USD ローガン・ダラス連銀総裁発言

22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)

23:00 USD ISM非製造業景況指数

 

 

7月7日(金曜日)

 

00:00 USD 原油在庫量

17:30 EUR デギントスECB副総裁発言

21:00 MXN メキシコCPI(消費者物価指数)

21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率

21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給

23:30 GBP マンBOE外部理事発言

 

 

7月8日(土曜日)

 

01:45 EUR ラガルドECB総裁発言

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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