2023年11月13日
米CPI(消費者物価指数)や英指標、要人発言に注目の1週間! 「11月13日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は大きなイベントもなく、様子見ムードが続く1週間でした。
パウエルFRB議長の発言が思ったよりもタカ派だったことから米金利は上昇し、一時は150円を割れていたドル円は再度151.60円まで上昇しています。
今週は米CPI(消費者物価指数)など重要指標がいくつかありますが、それ以上に要人発言が多数予定されています。
先週のように発言をキッカケで動くこともあるので注意しておきたいと思います。
また、英国では多数の経済指標が多数予定されているので、英指標にも注意しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
英雇用統計
英国は人出不足による人件費の高騰が物価高の大きな要因となっています。
雇用統計では人件費にあたる平均賃金に注目です。
平均賃金が高止まりしているようであれば物価も高止まりする可能性があり、スタグフレーションの可能性が高まるのではないかと平均賃金の結果に注目しています。
米CPI(消費者物価指数)
FRBは物価抑制のためハイペースで利上げを進めてきました。
FRBの利上げは終了ではないかとマーケットは織り込んでいますが、FRBは追加利上げの可能性を残しています。
CPI(消費者物価指数)の結果が大きく上振れするようなことがあれば追加利上げの期待が高まる可能性があります。
逆にCPI(消費者物価指数)の結果が下振れした場合は、利上げ終了を完全に織り込むのではないかと思っています。
CPI(消費者物価指数)の結果と米金利の動きに注目したいと思います。
英CPI(消費者物価指数)
英中銀は2会合連続で据え置きを選択し、利上げ終了に向かっていると予想しています。
極端に物価上昇が確認されれば追加利上げの可能性も出てくると思いますが、市場予想通りや予想を下回る結果になれば利上げ終了の可能性が高まるのではないかとCPI(消費者物価指数)の結果に注目しています。
米PPI(生産者物価指数)
PPI(生産者物価指数)は製造過程の仕入れ価格などの指数なので、PPI(生産者物価指数)が上昇するとコスト増となり、最終商品・製品価格の上昇につながります。
そのため、PPI(生産者物価指数)はCPI(消費者物価指数)の先行指標として注目されています。
順調にPPI(生産者物価指数)が低下してきているのか、物価は低下していくのか、結果に注目です。
豪雇用統計
RBAは先日の理事会で追加利上げを発表し、さらなる追加利上げの可能性を残しています。雇用が強ければ景気の底堅さや人件費の高止まりなどから追加利上げの可能性が出てくるのではないかと注目しています。
雇用者数や失業率とともに、フルタイムなのかパートなのかなど労働参加率にも注目しておきたいと思います。
英小売売上高
英国は景気後退と物価高・金利高から消費意欲が低下し、さらに景気後退が加速するのではないかと思われます。
どの程度の消費意欲があるのか、小売売上高に注目です。
市場予想を下回るようであれば消費低下、景気後退が確認されるのではないかと思います。
2)要人発言
FRB
12月のFOMCに向けて追加利上げがあるのか要人発言に注目です。
先日のFOMCで年内追加利上げの可能性は残したものの、金利の上昇が利上げの代替手段となっているとして金利上昇リスクに言及しました。
また、中東リスクや政府機関の閉鎖リスクなどにも言及し、追加利上げに対しては消極的な姿勢でした。
ただ、先週のパウエルFRB議長の発言がややタカ派であったことから米金利は高止まりしています。
金利上昇、中東リスク、政府機関の閉鎖などリスク要因に加えて、経済指標の結果を受けて利上げの可能性が高まるのか、利上げ終了なのか、発言を受けて金利はどう動くのかと合わせて注目しておきたいと思います。
ECB
ECB理事会では利上げ終了の可能性が高まっています。
また、欧州は景気後退が進んでおり、景況感も悪化しています。
来年には利下げがあるのではないかと注目されています。
景気・景況感についてどのような発言が出てくるのか、利下げについて発言が出てくるのか注目です。
英中銀
先日の英中銀で据え置きを発表し、MPCの投票配分も据え置き票が増えていました。
英国は米欧と比べ物価は高止まり、景気は大きく悪化しており、スタグフレーションの可能性がかなり高くなっていて、英中銀は利上げ終了し、早い時期に利下げがあるのではないかと注目されています。
今週は英国の景気や物価を確認するために経済指標が多数発表されます。
指標結果を受けて発言内容に変化がないか、来年の利下げについて発言が出てこないか注目しています。
日銀・政府当局
ドル円は一時151.76円まで上昇し、神田財務官は「スタンバイです」と発言し介入警戒が高まっています。
雇用統計などが市場予想を下回ったことで一時150円割れしましたが、円安トレンドは変わらず再度円安が進んでいます。
円安が進み再度高値を更新した場合に介入について発言があるのか、発言に変化が出てくるのか注目です。
「スタンバイ」との発言は昨年の介入前に出てきていることから、「スタンバイ」はかなり介入警戒レベルの高い発言ではないかと思います。
以下、去年の口先介入時のものです。
◎今週のイベントスケジュール
11月13日(月曜日)
17:15 EUR デギントスECB副総裁発言
20:55 GBP ブリーデンBOE副総裁発言
22:50 USD クックFRB理事発言
11月14日(火曜日)
01:05 GBP マンBOE外部理事発言
08:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
16:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
16:45 CHF ジョーダンSNB総裁発言
17:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
17:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
18:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
19:30 USD ジェファーソンFRB副総裁発言
21:00 GBP ディングラBOE外部理事発言
22:15 EUR エルダーソンECB専務理事発言
22:30 USD 米CPI(消費者物価指数)
22:45 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
11月15日(水曜日)
02:45 USD クールズビー・シカゴ連銀総裁発言
08:50 JPY 日本GDP
09:30 AUD 豪賃金物価指数
16:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
22:30 USD 米PPI(生産者物価指数)、ニューヨーク連銀製造業景況指数、小売売上高
23:30 USD バーFRB副議長発言
11月16日(木曜日)
00:30 USD 原油在庫量
03:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
20:00 USD クックFRB理事発言
20:30 EUR ラガルドECB総裁発言
21:10 USD バーFRB副議長発言
22:30 USD 米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:30 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
23:15 EUR デギントスECB副総裁発言
23:25 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
11月17日(金曜日)
00:35 USD バーFRB副議長発言
00:45 GBP ラムズデンBOE副総裁発言
02:00 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
16:00 GBP 英小売売上高
17:00 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
17:30 EUR ラガルドECB総裁発言
18:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁発言
18:15 EUR ブイチッチ・クロアチア中銀総裁発言
19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
22:00 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
22:10 GBP ラムズデンBOE副総裁発言
22:15 GBP グリーンBOE外部理事発言
22:15 EUR ウンシュ・ベルギー中銀総裁発言
22:30 USD 米建築許可件数
22:45 USD コリンズ・ボストン連銀総裁発言
23:45 USD グールズビー・シカゴ連銀総裁発言
11月18日(土曜日)
00:00 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言
00:00 EUR チポローネECB専務理事発言
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント