2023年4月17日
CPI(消費者物価指数)やベージュブック(米地区連銀経済報告)に注目! 「4月17日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週前半は米CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)が市場予想を下回ったことでインフレ低下を織り込み米ドル売りが進みました。
ただ、週末に発表された期待インフレ率は上方修正され、ミシガン大学消費者信頼感指数も市場予想を上回り強い景況感が確認されたことでドル買いが進みました。
CMEFedWatchによる5月FOMC利上げ確率は5割~7割の間で揺れています。
今週は米国ではベージュブック(米地区連銀経済報告)などから5月FOMCの利上げのヒントを、米国以外ではCPI(消費者物価指数)などから次の金融政策のヒントを探る展開となるのではないかと思います。
また、週末には先行指標として注目されている製造業・サービス業・総合PMI(速報値)が発表されるので注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
英雇用統計
英国インフレの要因として賃金インフレがあります。
英国の労働市場が逼迫している状況が続いているのか、それとも緩和してきているのか、失業率に注目です。
特に注目しておきたいのは、賃金インフレが低下してきているのかで、平均賃金が前回値よりも低下してきているのか、市場予想を下回るのかです。
平均賃金が低下していれば賃金インフレは後退し、英国のインフレ低下に繋がるのではないかと受け止められます。
カナダCPI(消費者物価指数)
カナダ中銀は利上げを停止していますが、マックレムBOC総裁はデータ次第で利上げの再開を示唆しています。
CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回るような結果が出てくると追加利上げの期待感が高まり、逆に市場予想を下回るようであれば年内利下げの期待感が高まるのではないかと思います。
利下げの期待感が高まれば大きくカナダドル売りが進むのではないかと注目しています。
英CPI(消費者物価指数)
英国インフレが低下しているのかCPI(消費者物価指数)の結果に注目です。
欧米英で最もインフレが高止まりしているのが英国です。
ただ、欧米英で最も引き締めに消極的だったのも英中銀です。
インフレ低下が見えてこないようであれば、さらに追加利上げの可能性が高まるのではないかと思います。
ベージュブック(米地区連銀経済報告)
米国の各地域で雇用や物価、金融システムの状況がどうなっているのか注目です。
ベージュブック(米地区連銀経済報告)はFOMCの政策決定にも影響します。
雇用や物価が低下しているなど、FRBの引き締め停止に繋がる内容であれば5月FOMCの据え置き確率が上昇するのではないかと注目しています。
NZ四半期CPI(消費者物価指数)
RBNZ(NZ中銀)は先日の理事会で0.5%のサプライズ利上げを発表しました。
高いインフレが確認されれば追加利上げの可能性が高まり、NZドル買いに繋がるのではないかと思います。
前回値、市場予想と比べて上回るのか下回るのか注目です。
失業保険申請件数
米国のインフレ要因である賃金インフレを確認するために労働市場の状況に注目が集まっています。
毎週発表される失業保険申請件数は労働市場の速報指標として注目されており、悪化していれば労働市場のひっ迫は後退し賃金インフレ低下に繋がるのではないかと期待されます。
賃金インフレの低下はインフレ低下に繋がり、FRBの引き締め終了に繋がり、ドル売りが進むのではないかと注目しています。
製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
各国中銀によるハイペースの利上げ・引き締めで景気後退が懸念されています。
また、金融不安などから消費意欲の後退なども懸念され、景気後退がより加速するのではないかと懸念されています。
PMIは製造業やサービス業などの景気に敏感な担当者に今後の景気見通しについて質問し、結果を指数化したもので景気の先行指標として注目されています。
今回は速報値なので、市場予想と結果が乖離する可能性が高く、結果が市場予想を下回るようであれば景気悪化が懸念される展開になり、各国のインフレも低下、中銀の引き締めも後退するのではないかと思います。
各国の製造業・サービス業・総合PMI(速報値)の結果に注目です。
2)要人発言
日銀
植田日銀体制になり、植田日銀総裁は記者会見で現在の大規模緩和・マイナス金利・YCC(イールドカーブ・コントロール)の継続を示唆しています。
今週は日本のCPI(消費者物価指数)が発表されます。
CPI(消費者物価指数)の結果を受けて、現状の金融政策を継続するのか、それとも政策変更を検討するのか、発言内容に注目です。
金融正常化、YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正や撤廃について発言が出てくるようであれば円高が進むのではないかと思います。
FRB
5月FOMCの利上げ確率に注目が集まっています。
先週は五分五分の利上げ確率から7割の利上げ確率の間で揺れ動いています。
5月FOMCに向けて利上げを織り込ませるような発言が出てくるのか、それともハト派(据え置き)を織り込ませるような発言が出てくるのか、金利がどのように推移するのか注目です。
ECB
欧州ではインフレが高止まりしており、追加利上げの可能性が高いと見られています。
一部のECB理事会メンバーからは0.25%利上げもしくは0.5%利上げを検討との発言も出てきています。
ECBがタカ派に振れるようであれば、利上げ終了が見えてきているFRB(米ドル)の替わりにユーロ買いが進むのではないかと注目しています。
英中銀(BOE)
今週は英国の雇用統計やCPI(消費者物価指数)の発表があり、結果を受けて英中銀のスタンスに変更があるのか注目です。
欧米英で最も高いインフレが続いている英国で、引き締め(利上げ)に消極的な英中銀の政策スタンスに変更があるのか、引き締め(利上げ)に積極的になるのか発言に注目です。
積極的にスタンス変更となれば、利上げ終了が見えてきているFRB(米ドル)の替わりにポンド買いが進むのではないかと注目しています。
3)金融政策
RBA理事会議事要旨
据え置きを発表した4月RBA理事会の議事要旨では、利上げについて議論がなかったのか、今後の景気見通しについてどのように協議されたのか注目です。
ハト派な内容であれば、年内利下げの可能性が高まるのではないかと思います。
豪ドル売りが加速する可能性があるので、議事要旨の内容に注目したいと思います。
ECB理事会議事要旨
ECBは利上げを継続するのか、据え置くのか、それとも0.5%の大幅利上げに進むのか注目されています。
ECB理事会議事要旨から今後のインフレ・景気見通しをどのように協議していたのか、追加利上げについてどのように協議していたのか、次回会合のヒントになる材料を探す展開になると思います。
議事要旨の内容と欧州の金利を確認して、次回の利上げ予想に注目しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
4月17日(月曜日)
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景況指数
22:00 GBP カンリフBOE副総裁発言
4月18日(火曜日)
10:30 AUD RBA理事会議事要旨
11:00 CNY 中国GDP
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
18:00 EUR ドイツ・ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米建築許可件数
21:30 CAD カナダCPI(消費者物価指数)
4月19日(水曜日)
15:00 GBP 英CPI(消費者物価指数)
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
23:30 USD 原油在庫量
4月20日(木曜日)
01:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
01:30 GBP マンBOE外部理事発言
03:00 USD ベージュブック(米地区連銀経済報告)
07:45 NZD NZ四半期CPI(消費者物価指数)
08:00 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言
08:50 JPY 日本貿易収支
20:30 EUR ECB理事会議事要旨
21:30 USD 失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
21:45 USD ウォラーFRB理事発言
23:00 USD 米中古住宅販売戸数
23:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
4月21日(金曜日)
01:20 USD メスター・クリーブランド連銀総裁発言
06:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁発言
08:30 JPY 日本CPI(消費者物価指数)
16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
21:30 CAD カナダ小売売上高
22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)
4月22日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント