ECB理事会でフォワードガイダンスが変更? ユーロに注目! 「7月19日週の注目点とイベントスケジュール」

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2021年7月18日

ECB理事会でフォワードガイダンスが変更? ユーロに注目! 「7月19日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週はパウエルFRB議長の議会証言が注目されていましたが、予想通りの内容だった為反応は限定的でした。

大きく動いたのはNZドルで、四半期CPI(消費者物価指数)が予想を上回ったことで年内の利上げ期待が進み、一部では年内2回の利上げもあるのではないかとの期待も進んでいます。

同じオセアニア通貨でも豪ドルは世界的にコロナ感染再拡大から経済停滞懸念や、豪州でも一部の都市でロックダウンが実施されていることから豪ドル売りが進みました。

 

今週はECB理事会や日銀・RBAの金融政策決定会合議事要旨が発表さます。

夏休み前で今週、来週以降は取引量が低下してくると思われるので、取引チャンスをしっかりと掴んでいきたいと思います。

 

目次

◎今週の注目点

 

1)ECB理事会

 

注目度:かなり高い

織込み度:やや織込んでいる

バイアス:ユーロ安

 

先日の特別理事会で2年ぶりの物価目標の枠組み変更が発表され、「中期的なインフレの上昇率が2%に限りなく近いが、2%をやや下回るレベル」から「中期的なインフレ目標を、2%と設定」に変更。

インフレ目標を引き上げたことで今までよりもハト派色が強くなりました。

また、フォワードガイダンスについては、今週の理事会で協議するとの発言も出てきていることから、今回のECB理事会に注目が集まっている。

今週の理事会で、インフレ目標の枠組み変更に伴いフォワードガイダンスの変更が発表され、ハト派な内容に変更された場合はユーロ安が進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

またタカ派に振れる可能性として懸念されているのが、欧州での住宅価格高騰です。

世界的に住宅価格高騰が懸念されており、欧州でも住宅価格が高騰しています。

今後、ECB理事会で住宅価格の高騰をインフレ目標に加えるといった内容になった場合、イッキにインフレ目標に近づく可能性があり、引き締め方向に動く可能性が出てきます。

住宅価格に関する内容が出てくるかにも注意しておきたいと思います。

 

 

 

2)経済指標

 

製造業・サービス業・総合PMI

今週は欧州・英国・米国で製造業・サービス業・総合PMIの速報値が発表されます。

世界的にデルタ株(インド型)コロナウイルスによって感染再拡大が懸念されており、景況感が下がってくる懸念があり速報値の発表に要注目です。

 

 

小売売上高

豪州・英国・カナダで小売売上高が発表されます。

物価指標や雇用指標に比べて注目度は少し下がりますが、どのくらい経済が回復しているか計る指標なだけに為替や株価に影響が出てくるのではないかと注目しています。

 

 

 

3)議事要旨

 

今週、日銀とRBA理事会の政策決定会合議事要旨が発表されます。

日銀は特にサプライズは無いと思いますが、豪州は債券購入が再検討された会合なのでサプライズな内容が出てくる可能性があるので注目しておきたいと思います。

7月6日のRBA理事会では現在の資産購入が終わる9月以降も資産購入を継続するハト派な内容と、9月以降は週50億豪ドルから週40億豪ドルに引締めるタカ派な内容が入り混じる内容が発表されました。

この決定の詳しい内容が発表され、タカ派よりの内容なのか、ハト派寄りの内容なのか、引き締め後の利上げ等について検討されていたのか注目しています。

隣のニュージーランドはテーパリングを開始し、年内にも利上げが予想されているだけに、RBAもタカ派な内容が検討されていたのではないかとタカ派サプライズが注目されています。

 

 

 

4)米債務上限

 

米国では政府が借り入れできる上限が決められていて、上限を超えて赤字国債を発行することができません。

現在の米国は財政赤字を抱えており、「税収<支出」の状況です。

赤字国債の発行ができなくなると、国債の償還や政府機関の閉鎖が懸念されます。

現在は債務上限を超えて赤字国債を発行していますが、2019年7月に債務上限の適用を停止する特例措置が適用されています。

この特例措置が2021年7月末で失効します。

 

このままでは上記の通り、債務上限が適応され新規の赤字国債が発行できなくなります。

国債が発行できなくなると、国債の償還ができずにデフォルト(債務不履行)やバイデン大統領が掲げた大規模経済対策が実行不可能になってしまいます。

そうなると米国債は暴落、米国株も大幅下落、世界的なリスクオフになる可能性が出てきます。

 

7月末まで残り約10日間で債務上限の引き上げ、もしくは債務上限の適用を停止する特例措置の延長を議会で承認する必要があります。

イエレン財務長官は以前より引き上げもしくは延長を要請していますが、未だに承認はされていません。

残り10日間で承認されるのか注目です。

 

今まで、何度も債務上限の問題は出てきましたが、そのたびにギリギリで回避してきたので、今回もギリギリで引き上げか延期になるのではないかと楽観視している状況です。

 

 

 

 

◎今週の注目通貨

 

1)ユーロ

 

今週のユーロは売り目線で見ています。

米ドルが上昇してきており相対的に売られやすくなっているユーロに、先週のインフレ目標枠組み変更がハト派に振れたことが追い風となってユーロは売られやすい状況となっています。

また、デルタ株によりコロナウイルスの再拡大も懸念されています。

今週はECB理事会が予定されていて、インフレ目標枠組み変更後のフォワードガイダンスが発表され、フォワードガイダンスがハト派に変更されるのではないかと注目されています。

予想通りハト派に変更されればユーロ安が進む可能性が高いと思っています。

 

 

 

2)米ドル

 

今週も引き続き売られたドルを押し目買い、ドル買い目線。

来週のFOMCを控えて動きづらい展開が予想されますが、来週のFOMCもしくはジャクソンホール・シンポジウムでテーパリングのスタート時期が発表されるのではないかと期待が高まっています。

期待が高まればドル買いが進むのではないかと予想しています。

3月末、4月頭につけたドルインデックス高値を超えることができるのかにも注目しています。

懸念材料として債務上限問題が騒がれて債券売り、金利低下に繋がったときに米ドルが売られるのか注目しています。

 

 

 

3)NZドル

 

NZドルは買い目線。

先日のRBNZ理事会で資産購入額を減額、テーパリングをスタートし、四半期CPI(消費者物価指数)も予想を上回る結果が出てきたことで、年内の利上げ期待が大きく進んでいます。

このまま利上げ期待が進めばNZドル買いがトレンドとなるのではないかと注目しています。

懸念材料はデルタ株を中心に世界的にコロナウイルスの再感染拡大が進み、経済停滞懸念が出てきた場合リスクオフの資源国通貨売りに繋がり、NZドル売りに繋がるのではないかと注意しています。

 

 

 

4)豪ドル

 

豪ドルは売られやすい状況だが、買い場探し。

先日のRBA理事会で緩和政策の継続が発表しましたが、雇用指標や物価指標を見る限りではニュージーランド同様に引き締めに動いてもおかしくないと思っています。

ただ、緩和姿勢を発表していて、さらにデルタ株のコロナ感染拡大により一部の都市でロックダウンが実施されていることから豪ドルは売られやすい状況です。

RBA理事会議事要旨などでタカ派に転じるキッカケが出てくれば、豪ドル買いに繋がるのではないかと期待しています。

 

 

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

7月19日(月曜日)

 

19:00 GBP ハスケルBOE外部理事発言

 

 

7月20日(火曜日)

 

08:30 JPY 日CPI(消費者物価指数)

10:30 AUD RBA理事会議事要旨(7月6日分)

16:30 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言

21:30 USD 米建築許可件数

 

 

7月21日(水曜日)

 

08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(6月18日分)・貿易収支

10:30 AUD 豪小売売上高

21:30 CAD カナダ新築住宅価格指数

23:30 USD 原油在庫量

 

 

7月22日(木曜日)

 

東京休場(海の日)

 

02:00 USD 米20年債入札

20:45 EUR ECB理事会・政策金利・声明文発表

21:30 EUR ラガルドECB総裁記者会見

21:30 USD 米新規失業保険申請件数

23:00 USD 米中古住宅販売戸数

 

 

7月23日(金曜日)

 

東京休場(体育の日)

 

15:00 GBP 英小売売上高

16:15 EUR フランス製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

16:30 EUR ドイツ製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:00 EUR ユーロ圏製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

17:30 GBP 英製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

21:30 CAD カナダ小売売上高

22:45 USD 米製造業・サービス業・総合PMI(速報値)

 

 

7月24日(土曜日)

 

02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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