2022年6月12日
FOMC、英中銀、日銀金融政策決定会合など金融政策発表ラッシュ! 「6月13日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目のECB理事会でAPP(資産購入プログラム)の終了と7月理事会での利上げが示唆されました。
一時はユーロ買いが進みましたが、引き締めによる景気後退が懸念されユーロ売りが出てきています。
米CPI(消費者物価指数)では予想以上の結果が出てきて、物価高がまだまだ続いているとの事から金利は上昇しています。
この物価上昇はFOMCに影響し、9月利上げ期待に繋がっています。
今週は注目のFOMCや英中銀、円安が進んでいる日銀金融政策決定会合など、金融政策発表が続きます。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:ドットチャートと9月利上げ
5月のFOMCで6月利上げ幅は0.5%と示唆していることから、0.5%利上げが既定路線となっています。
注目は9月のFOMCで利上げをするのか、利上げをするのであれば0.5%の利上げ幅になるのかに注目です。
利上げを進めるということになれば金利が上昇し、ドル買いが進む可能性がありますが、同時に引き締めによる景気後退が懸念され株売りドル売りが出てくる可能性もあります。
9月の利上げ判断はドットチャートや声明文、パウエルFRB議長の記者会見から確認したいと思います。
発表・記者会見の内容とマーケットの反応に注目したいと思います。
英中銀
注目度:高い
織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み
バイアス:ポンド上値重い
ポイント:利上げの継続と景気見通し
英中銀の注目する点は、このまま利上げを続けるのかと景気の見通しです。
物価高を抑える為に利上げを続けるのであれば、利上げによる景気後退の可能性が出てきます。
対して、景気後退を懸念して引き締めを後退させると物価高が続き、消費意欲を低下させてしまう可能性があります。
どちらを英中銀が選択するのか、英中銀の判断と景気見通しに注目です。
景気見通しが悪化するような内容であればポンド売りが進む可能性があるので注目しておきたいと思います。
利上げの見通しについては声明文やMPCメンバーの投票配分から確認したいと思います。
日銀金融政策決定会合
注目度:やや高い
織り込み度:現状維持を織り込み済み
バイアス:円安トレンド
ポイント:YCC(イールドカーブ・コントロール)の取り扱いと円安けん制
先週、円安が進み3者会合を開催しています。
今回の日銀金融政策決定会合で円安が進まないように牽制発言は出てくる可能性はありますが、具体策が出てくる可能性は低いと思っています。
ただ、YCC(イールドカーブ・コントロール)のターゲットを0.25%から引き上げる可能性はゼロではないと注目しています。
仮にターゲットを引き上げた場合、円高に進む可能性があるので注意しておきたいと思います。
スイス国立銀行政策金利
注目度:普通
織り込み度:現状維持を織り込み済み
バイアス::特になし
ポイント:声明文と記者会見
スイス国立銀行は現状のマイナス金利政策を維持すると予想されています。
声明文や記者会見でも、スイスフラン高をけん制する発言が出てくると予想しています。
なので、特に予想外のことがなければ無風通過で終わると予想しています。
マイナス金利の解除など、予想外の内容が出てこないかだけ注意しておきたいと思います。
2)経済指標
英GDP
英国は物価高と引き締め政策から景気後退が懸念されています。
予想以上の結果が出てくると経済の底堅さが確認され、物価を抑える為に引き締めを進めても大丈夫という流れになり、金利が上昇しポンドが買われるのではないかと注目しています。
英雇用統計
雇用統計で注目したいのは、雇用状況よりも平均賃金です。
平均賃金が予想以上の結果となると、人件費の高騰から物価高に繋がり、景気後退懸念に繋がるのではないかと注目しています。
平均賃金の結果に対して、マーケットがどのような判断を下すのか、結果と値動きに注目です。
NZ四半期GDP
ニュージーランドは主要中銀の中でも大幅な利上げを行っています。
これだけの利上げを実施して、どこまで経済に影響が出ているのか?
また中国経済がどこまで影響を受けているのか?
四半期GDPの結果に注目です。
結果が良ければ、さらなる利上げの追い風になるのではないかと注目しています。
豪雇用統計
豪州の雇用統計で注目したいのは労働参加率です。
労働参加率が上昇している状況で、失業率が下がっているのかに注目です。
また、フルタイムの雇用が伸びているかにも注目です。
3)リスク要因
要人発言
先週ECB理事会が通過したことで、今週はECBメンバーの発言が多数出てきます。
7月理事会の利上げ幅について、年内の利上げについてどのような発言が出てくるのかに注目です。
また、引き締めを始めることで景気後退の懸念もあるので、景気見通しについても注目です。
週後半はFOMCや英中銀の発表後に、それぞれのメンバーからどのような発言が出てくるのかにも注目しておきたいと思います。
円安
先週は円安が進み、3者会合を開く展開となっています。
それでも、憂慮するとという新しい表現は出てきたものの、具体策は取れない状況です。
週末の日経新聞では、この状況でも介入を否定するなど口先介入も出てこない状況です。
今週もこのまま円安が進み、どこかのタイミングで円安クラッシュする可能性があるのではないかと注目しています。
また、一気に円安が進みすぎた場合に、口先介入などが出てくる可能性もあるので、基本は円安方向で見ておきながら急激な円高に注意しておきたいと思います。
スタグフレーション
各国中銀が引き締めを進めているものの、物価高た止まらない状況です。
物価高と景気後退が同時に興津スタグフレーション懸念が高まっています。
引き締めに関する発言が出てきたり、物価高に繋がるような指標が出てきたり、景気後退に繋がるような指標が出てきたりした場合はスタグフレーション懸念が高まり株価下落、リスクオフに繋がる可能性があるので注意しておきたいと思います。
◎今週のイベントスケジュール
6月13日(月曜日)
オーストラリア休場
15:00 GBP 英GDP
17:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁発言
20:00 EUR デギントスECB副総裁発言
6月14日(火曜日)
03:00 USD ブレイナードFRB副議長発言
15:00 GBP 英雇用統計・失業率・平均賃金
15:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:00 EUR ドイツZEW景況感指数
18:00 EUR ユーロ圏ZEW景況感指数
21:30 USD 米PPI(生産者物価指数)
6月15日(水曜日)
02:00 EUR シュナーベルECB専務理事発言
09:30 AUD 豪Westpac消費者信頼感指数
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
18:15 EUR ナーゲル・ドイツ連銀総裁発言
21:30 USD 米小売売上高・ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
22:00 EUR パネッタECB専務理事発言
22:15 EUR クノット・オランダ中銀総裁発言
23:30 USD 原油在庫量
6月16日(木曜日)
01:00 EUR ラガルドECB総裁発言
03:00 USD FOMC・政策金利・声明文・ドットチャート発表
03:30 USD パウエルFRB議長記者会見
07:45 NZD NZ四半期GDP
10:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
16:00 EUR ビスコ・イタリア中銀総裁発言
16:30 CHF スイス国立銀行政策金利発表
16:45 EUR ビルロワ・フランス中銀総裁発言
16:50 EUR バスレ・スロベニア中銀総裁発言
17:30 EUR デギントスECB副総裁発言
17:30 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見
18:30 EUR クノット・オランダ中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁発言
20:00 GBP 英中銀政策金利・声明文・MPC投票配分発表
21:30 USD 失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
6月17日(金曜日)
12時前後 JPY 日銀金融政策決定会合
15:30 JPY 黒田日銀総裁記者会見
17:30 GBP テンレイロBOE外部理事発言
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(改定値)
21:45 USD パウエルFRB議長発言
23:30 GBP ピルBOE主席エコノミスト発言
6月18日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント