2024年4月30日
FOMCや雇用統計、円買い介入でドル円のボラティリティが注目の1週間! 「4月29日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週末は日銀金融政策決定会合で現状維持が発表され、市場予想では一部で国債買い入れ額の減額が予想されていただけに、結果を受けて円売りが進みました。
植田日銀総裁は記者会見で「為替レートは経済・
昨日、月曜日は「
13時頃からまとまった円売りが断続的に
14時台に神田財務官からは「(為替介入観測につ
NY市場に入っても政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く
本日は欧州のGDPやHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されるほか、26日までの介入実績、カナダのGDPなどの発表が予定されています。
介入にしても連日で実施される可能性もあるので注意しておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きを織り込み済み
バイアス:ドル高
ポイント:利下げ時期に関する言及
今回のFOMCでは据え置きが予想されており、織り込み済みとなっています。
今回のFOMCでは利下げに向けて、どのような見通しとなっているのか?
今後の利下げのヒントになるようなものが出てくるのかに注目です。
2)経済指標
フランスGDP・HICP(消費者物価指数)
欧州ECBは6月利下げが既定路線となりつつあります。
欧州でドイツに次ぐ経済大国フランスの経済状況と物価状況を確認するGDPとHICP(消費者物価指数)の結果に注目です。
ともに弱い結果となれば6月利下げの可能性が高まるのではないかと思います。
ドイツGDP
ドイツは欧州最大の経済大国です。
ドイツの景気状況が悪ければ利下げの追い風となるのではないかと思います。
前日に発表されたHICP(消費者物価指数)が市場予想を下回っているだけに、GDPの結果に注目が集まります。
ユーロ圏GDP・HICP(消費者物価指数)
ユーロ圏全体の経済状況と物価状況を確認するGDPとHICP(消費者物価指数)に注目です。
フランス・ドイツ・ユーロ圏と市場予想を下回る結果となれば6月の利下げは確実視される展開となるのではないかと思います。
カナダGDP
カナダ中銀は7月利下げが濃厚、6月の利下げの可能性もあると思われています。
カナダの経済状況を計るGDPの結果が弱い結果となれば6月利下げの可能性も高まるのではないかと注目しています。
NZ雇用統計・失業率
欧米英に比べるとRBNZは中立に近い中央銀行です。
雇用状況が悪化していれば利下げに少し近付くのではないかと注目しています。
雇用者数・失業率の結果が市場予想を下回るのか、結果を受けてどの程度金利が動くのか金利と併せて注目しておきたいと思います。
ADP雇用統計
ADP雇用統計は週末のNFP雇用統計の前哨戦として注目されています。
FRBは物価とともに雇用市場に注目しているため、雇用指標であるADP雇用統計に注目しています。
市場予想を上回る結果となれば、利下げの先送り観測がさらに進むのではないかと思っています。
ISM製造業景況指数・JOLTS求人件数
強い経済で利下げ先送りが進んでいる米国の製造業の景況感を計るISM製造業景況指数に注目。
ISM製造業景況指数が強い結果となれば利下げ先送り観測がさらに進むのではないかと思います。
また、FRBが注目する雇用統計の前哨戦としてJOLTS求人件数があります。
求人がどの程度あるのか、JOLTS求人件数の結果に注目です。
強い結果が出てくると利下げ先送り観測が進むのではないかと思います。
米失業保険申請件数
失業保険申請件数は毎週発表され、雇用指標の先行指標として注目されています。
失業保険申請件数が増えていれば失業者が増えていると受け止められ、さらに継続申請が増えていると失業率の悪化に繋がるのではないかと注目されています。
NFP雇用統計・失業率・平均時給
FRBは雇用市場に注目しており、雇用市場の緩みが出ていないか雇用統計に注目しています。
失業率は4%が節目とされており、4%以下は完全雇用とみられることが多いようです。
また、雇用者数は10万人を割るような結果が出てこなければ、そこまで雇用市場が悪化しているとは受け止められないと思っています。
NFP雇用統計の結果と米金利について注意しておきたいと思います。
ISM非製造業景況指数
米国は消費大国でサービス業の注目度が高く、サービス業にあたるISM非製造業景況指数に注目が集まっています。
強いISM非製造業景況指数が出てくるようであれば、利下げ先送り観測が進むと考えています。
また、ISM非製造業景況指数(サービス業)の景況感が強ければ人手不足の米国としては、人件費の高騰からインフレの高止まりに繋がるのではないかと思います。
こちらも利下げ先送り観測が進む要因となるのではないかと注目しています。
3)円買い介入
外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
4月25日までの介入実績が公表されます。
今週に入って、月曜日の介入と思われる動きに関しては5月末で公表されるため、今回の結果には含まれません。
先週末にあった神経質な動きが介入であったのかは、今回の結果で確認できます。
これだけ円安が進んでいる状況で、介入があったのか?
介入がどのように実施されたのか、外国為替へ異国捜査の実施状況に注目です。
為替介入
月曜日にドル円が一時160円を突破したことで円買い介入と思われる動きが連発しています。
介入を疑う動きは複数回にわたり、東京・欧州・NY市場にまたがり実施されています。
月曜日の介入のような動きのポイントは3つ。
・休日(GW)であっても介入する(財務省にはスタンバイしている)
・東京、欧州、NY市場それぞれで介入をすることによって、諸外国の挙力を得ている
・東京、欧州、NY市場それぞれで介入をすることによって、24時間いつでも介入する準備が整ったとけん制している
このような観測が多くみられます。
また、介入の方法も大きな資金を一気に使うのではなく、一定数下落させたうえで押し目を拾う人たちの動きで上昇してくると上値をたたくという展開を繰り返しています。
これもマーケットに対して、宣戦布告したと受け止められない状況ではないかと思っています。
◎今週のイベントスケジュール
4月29日(月曜日)
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
4月30日(火曜日)
04:20 EUR デギントスECB副総裁発言
10:30 AUD 豪小売売上高
10:30 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:45 CNY 財新製造業PMI
14:30 EUR フランスGDP(速報値)
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
16:55 EUR ドイツ雇用統計・失業率
17:00 EUR ドイツGDP(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)、GDP(速報値)
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:30 CAD カナダGDP
21:30 USD 雇用コスト指数
23:00 USD 米消費者信頼感指数
5月1日(水曜日)
中国(労働節)
香港、シンガポール、韓国、スイス、フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド、ロシア、トルコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ(レーバーデー)、休場
07:45 NZD NZ雇用統計・失業率
08:00 NZD オアRBNZ総裁発言
17:30 GBP 製造業PMI(改定値)
21:15 CAD マックレムBOC総裁発言
21:15 USD ADP雇用統計
22:45 USD 米製造業PMI(改定値)
23:00 USD ISM製造業景況指数、JOLTS求人件数
23:30 USD 原油在庫量
5月2日(木曜日)
中国休場(労働節)
03:00 USD FOMC政策金利・声明文
03:30 USD パウエルFRB議長記者会見
05:15 CAD マックレムBOC総裁、ロジャースBOC副総裁発言
08:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(3月19日分)
15:30 CHF スイスCPI(消費者物価指数)
16:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
21:30 USD 米失業保険申請件数、貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
21:45 CAD マックレムBOC総裁、ロジャースBOC副総裁発言
5月3日(金曜日)
東京市場休場(憲法記念日)
中国休場(労働節)
17:00 NOK ノルウェー政策金利
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
5月4日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
08:45 USD ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言