2021年12月19日
クリスマス前で閑散相場か!? 「12月20日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
今週はクリスマスを前にマーケットは閑散としていくと思われます。
欧米は冬休みはしっかりと休みます。
早いところはすでに休みに入っており、今週から徐々に休み始めてクリスマス以降はほとんど休みに入ります。
取引量は低下し、ちょっとしたヘッドラインで大きく動き、一方通行の動きになる可能性があります。
なのでリスク管理はしっかりしておきたいと思います。
目次
◎今週の注目点
1)経済指標
GDP
米国・英国・カナダでGDPが発表されます。
米国は確定値なので、前回発表の数値とあまり変わらない可能性が高いです。
英国とカナダは月次GDPなので、どのような数字が出てくるか注目しています。
英国は感染者数が増えている状況で、行動規制を課しています。
ただ、今回発表の月次GDPは行動規制の影響を受けていない数字なので、どこまで弱い数字が出てくるか注目です。
予想以上に弱い結果が出てきた場合は、来月の月次GDPはもっと悪い数字になる可能性が出てくるので注目しています。
カナダは来年の早い時期に利上げが期待されています。
今回のGDPが良い数字であれば利上げ期待に繋がり、カナダドル買いに繋がるのではないかと注目しています。
PCEデフレーター
米国は先日のFOMCでテーパリングの加速を発表しており、利上げの前倒し期待が高まっています。
PCEデフレーターはFRBが物価指標として注目している指標なので、PCEデフレーターが高い数字であった場合は利上げ期待に繋がり、ドル買いが進む可能性があるので注目しておきたいと思います。
2)リスク要因
トルコリスク
トルコは先週利下げを発表し、リラ安が進んでいます。
リラ安だけでなく、株式や債券取引停止にまで陥って、トルコのデフォルトの可能性も現実味を帯びてきました。
G20に加盟するほどの経済規模の国がデフォルトした場合、世界的にリスクオフになる可能性があります。
また、特に影響を受けるのがユーロ圏だと思います。
トルコ国債などを多く持っているのは欧州系の銀行で、銀行の連鎖倒産もしくは倒産まではいかなくても経営不振になるのではないかと考えられます。
トルコのデフォルトはリスクオフとユーロ売りに繋がる可能性があるので注意しておきたいと思います。
欧州リスク
欧州はロシア・ベラルーシリスクとポーランドリスクがあります。
ロシアのウクライナ進攻について米国や欧州は批判しています。
バイデン大統領は先週プーチン大統領と会談しましたが、ウクライナ問題は解決せずバイデン大統領は欧州に対してノルドストリーム2の停止を要求しています。
欧州はロシアからの天然ガス供給用のパイプライン、ノルドストリーム2の認可作業を一時停止しています。
欧州では天然ガス不足問題があることから、ロシアに対する制裁を優先するのか、それとも天然ガス・経済を優勢するのか注目です。
また、ベラルーシとも欧州は対立しており、ロシアからのパイプライン遮断を人質にされています。
ロシアやベラルーシと欧州の対立にも注意しておきたいと思います。
ポーランドとEUは司法権を巡り対立が続いています。
EUはポーランドに対して罰金の支払いを命じていますが、ポーランドは罰金の支払いを拒否しています。
このことから、EUはポーランドに対して支払うEU加盟国の分配金などの支払いを停止しています。
現状、ポーランドはEUに加盟していても分配金などを貰うことが出来ない状況なので、EUに加盟している旨味が少なく不満が溜まっている状況です。
このことからポーランド国内ではEUからの離脱の声が高まっており、ハンガリーも同調してきている状況です。
ポーランドでEUからの離脱が本格的に進み始めないか、ポーランドと欧州の対立に関するヘッドラインに注目です。
英欧リスク
英国と欧州の間では、現在も離脱協議が続いています。
欧州は離脱協議の一旦のゴールとしてクリスマスを考えていて、それまでに離脱協議が合意に至らなかった場合は合意なき離脱(離脱協定の破棄)の可能性が出てきます。
合意なき離脱(離脱協定の破棄)はユーロにとってもポンドにとっても売り要因となり、世界的なリスク要因に繋がる可能性があります。
特に以下の2点には注目です。
北アイルランド議定書の改定
2020年末で英国はEUから離脱しましたが、その際に離脱に関する協議の一つに北アイルランド議定書があります。
北アイルランド(英国領)とアイルランド(EU加盟国)の間には物理的な国境を設けず、関税や物の移動などについて取り決めたものです。
現在の取り決め内容に英国も欧州も納得しておらず、内容の改定について協議が続いています。
英仏漁業権問題
英国がEUに加盟している時は、欧州の国も英国領海で漁業をしていました。
ただ、英国がEUから離脱することで、英国は欧州各国による英国領海での漁業を禁止しました。
欧州各国は離脱協議で英国領海での漁業権を主張し、対立を続けています。
(離脱協定の中で英国も譲歩して、一定数の漁業に関して認めています)
なかでもフランスは英国領海での漁業権を主張しており、英国がこのまま拒否を続けるなら制裁措置を発動すると言っています。
中国リスク
中国は人権問題で米国や欧州、豪州などから批判されており、北京冬季五輪を外交的ボイコットする国が増えています。
その事に対して中国は反発しており、中国の報復行動が気になります。
また中国は北京冬季五輪を開催するため、新型コロナウイルスの抑え込みに必死になっています。
そのため強いロックダウンを課しており、景気後退が懸念されます。
さらに中国恒大集団のデフォルトが確実となり、連鎖倒産などによる景気後退も懸念されています。
中国の対立と景気後退には今週も注目が集まると見ています。
◎今週のイベントスケジュール
12月20日(月曜日)
07:00 NZD Westpac消費者信頼感指数
12月21日(火曜日)
09:30 AUD RBA理事会議事要旨
16:00 EUR ドイツGfk消費者信頼感指数
22:30 CAD カナダ小売売上高
12月22日(水曜日)
00:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
03:00 USD 米20年債入札
16:00 GBP 英GDP
22:30 USD 米GDP(確定値)
12月23日(木曜日)
米債券市場短縮取引
00:00 USD 米消費者信頼感指数
00:30 USD 原油在庫量
22:30 USD PCEデフレーター・米耐久財受注・失業保険申請件数
22:30 CAD カナダGDP
12月24日(金曜日)
ニュージーランド(NZ)、豪州、香港、シンガポール、英国、
スイス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、米国(以上、クリ
00:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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