2021年8月29日
ジャクソンホールの次は雇用統計に注目か!? 「8月30日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目されていたジャクソンホール・シンポジウムが開催され、パウエルFRB議長からは年内のテーパリング開始が示唆されました。
ジャクソンホール・シンポジウムでパウエルFRB議長のスピーチが始まる前には、FOMCメンバーからタカ派発言が続き、ドル買いが進んでいただけにパウエルFRB議長のスピーチ後はドル売りで反応しています。
今後は雇用統計などを確認後、テーパリングが議論されていくのではないかと思います。
また、アフガニスタン問題によるリスクオフが一旦落ち着いている状況ですが、週末に米国は爆破テロに対する報復攻撃に出ています。
来週もアフガニスタン問題が、マーケットの関心を集める展開が続くのではないかと注目しています。
今週から9月も始まり、議会もマーケットも夏休みが終了し、本格的に動いてくると思うので、マーケットに方向性ができてくることを期待しています。
目次
◎今週の注目点
1)雇用統計
先週、ジャクソンホールでパウエルFRB議長は年内テーパリング開始を示唆する内容を示しました。
また、多くのFOMMCメンバーからタカ発言が続いたことから、テーパリング期待は高まってきています。
今週発表の雇用統計で予想を上回る結果が出てきた場合は、テーパリング期待が高まり、ドル買いが進むのではないかと予想しています。
失業率の改善と、新規雇用がどこまで数字を伸ばせるか注目です。
2)リスク要因
最も注目されているリスク要因はアフガニスタン問題です。
アフガニスタン問題は、アフガニスタンの中での問題と、それ以外の問題で考えています。
アフガニスタンの中では、タリバンはじめIS(イスラム国)などが自爆テロなど過激な行動に出ています。
これに対し、バイデン大統領は無人ドローンでタリバン幹部を攻撃するなど報復行動に出ています。
このような武力衝突が増えてくるとリスクオフが進む可能性があると考えています。
また、8月31日を期限として米軍の撤退が決まっていますが、本当に撤退できるのか注目しています。
米軍は自国軍の武器や資料、米国に協力してくれた職員やアフガニスタン人を残して撤退しています。
撤退後のアフガニスタンで虐殺や混乱が加速するのか、撤退後のアフガニスタンの状況に注目です。
アフガニスタンの問題はアフガニスタンだけでは済まないと思っています。
アフガニスタンからの撤退はバイデン大統領の失策だと世界中が考えており、米国内でも民主党からバイデン大統領の失策だとの声が上がっています。
爆破テロに対して、即報復攻撃に打って出たのはこうした米国内の支持率も関係したのではないかと思われます。
今後、支持率が低下するような事があれば、アフガニスタンへの攻撃も過激になるかもしれません。
また、支持率の低下は次の中間選挙に影響し、政権運営にも影響します。
アフガニスタンへの対応は、米国の政治問題に影響する可能性があるので要注目です。
米国以外では、アフガニスタンからの難民がどこに向かうのかが注目です。
インドや中国方面に向かうのか、西側に向かい欧州を目指すのか、今後難民問題に注目です。
難民に紛れて、過激派によるテロが世界中に広がり、再度自爆テロを警戒しなくてはいけない状況になる可能性もあるので注意したいと思います。
3)中国経済
今週は中国製造業・非製造業PMIや財新製造業PMIなどが発表されます。
コロナからいち早く回復した中国経済がピークアウトしているのではないかと懸念されています。
資源価格の下落などが注目されています。
今週発表の中国指標が予想を下回るような結果となれば、世界的に経済回復の重しとなるのではないかと注目しています。
また、資源価格の下落に繋がり、資源国通貨の重し、経済的に結びつきの強い欧州にも影響するのではないかと注目しています。
◎今週の注目通貨
1)米ドル
スタンス:買い目線
注目は雇用統計ですが、他にも経済指標ではISMの発表が予定されています。
経済指標以外では、アフガニスタン問題や政権問題に注目しています。
米国では給付金が終了し雇用が戻ってくるのではないかと期待されている反面、デルタ株の感染拡大や9月の新学期がスタートするまでは職に就くのを待っているのではないかとの懸念の両面が注目されています。
FOMCメンバーからはタカ派な発言が増えており、今週の雇用統計が強いものとなれば、9月のFOMCでテーパリングについて議論され、年内のテーパリング開始が濃厚になるのではないかと注目されています。
テーパリング開始の期待が高まれば米金利も上昇するのではないかと思うので、雇用統計の結果と併せて米金利の動向に注目です。
また、米国では債務上限問題など予算問題などが懸念され、バイデン大統領の支持率が下がるにつ入れて政権運営が難しくなり、混乱するのではないかと注目しています。
アフガニスタン問題やコロナ感染拡大、対中問題など、バイデン大統領の政治力にも注目しておきたいと思います。
地政学リスクが高まらなければ、テーパリング期待から金利は上昇し、ドルが強くなっていくのではないかと予想しています。
2)ユーロ
スタンス:売り目線
ユーロ圏は売り要因が多く、買い要因が少ないことから売りを考えています。
注目している売り要因が、アフガニスタン問題とドイツ選挙です。
アフガニスタン問題は地理的に欧州は影響を受けやすいのではないかと考えています。
テロ問題や難民問題など、過去にも影響受けたことがあるので、危機感も高いのではないかと思っています。
また、9月26日にはドイツ選挙を控えていることから、政治的混乱が懸念されるのではないかと思います。
買われる要因として注意しているのがスイス中銀による介入で、フラン売りユーロ買い介入でユーロが急騰する可能性はあるので注意しておきたいと考えています。
3)豪ドル
スタンス:売り目線から買い目線へ転換点
豪州はゼロコロナからウィズコロナへ方針転換したことから、ロックダウンは順次解除され経済回復に向かうのではないかと注目しています。
また、IMM通貨先物ポジションを見ると豪ドル売りポジションが多く積み上げられていることから、調整買いの可能性も高く、豪ドル売り戦略はそろそろ終了するのではないかと考えています。
ただ、懸念材料として中国経済の鈍化、ピークアウトや、アフガニスタン問題など地政学リスクの高まりによる資源国通貨売りに注目したいと思っています。
◎今週のイベントスケジュール
8月30日(月曜日)
英国休場(サマーバンクホリデー)
16:00 EUR スペインHICP(消費者物価指数)
18:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)
23:00 USD 米中古住宅販売保留
8月31日(火曜日)
10:00 CNY 中国製造業・非製造業PMI
10:30 AUD 豪建築許可件数
15:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(速報値)
16:55 EUR ドイツ失業率
18:00 EUR ホルツマン・オーストリア中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁発言
18:00 EUR イタリアHICP(消費者物価指数)(速報値)
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 CAD カナダ四半期GDP
23:00 USD 米消費者信頼感指数
9月1日(水曜日)
10:30 AUD 豪四半期GDP
10:45 CNY 財新製造業PMI
16:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
17:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏失業率
21:00 EUR バイトマン・ドイツ連銀総裁発言
21:15 USD ADP雇用統計
22:45 USD 米製造業PMI(改定値)
23:00 USD ISM製造業景況指数
23:30 USD 原油在庫量
9月2日(木曜日)
01:00 USD ボスティック・アトランタ連銀総裁
10:30 AUD 豪貿易収支
15:30 CHF スイスCPI(消費者物価指数)・四半期GDP・小売売上高
21:30 USD 米新規失業保険申請件数・貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
9月3日(金曜日)
10:30 AUD 豪小売売上高
10:45 CNY 財新サービス業PMI
16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏小売売上高
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
7月3日(土曜日)
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
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