2022年12月15日
スイス・欧州・英国と金融政策発表ラッシュ! 「12月15日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日(今朝)注目のFOMCが開催され、金融政策が発表されました。
市場予想通り0.5%の利上げを発表しましたが、同時に発表されたドットチャートが予想を上回る結果だったことでドル買いが進みました。
昨日の予想を下回るCPI(消費者物価指数)の結果を受けて、ターミナルレート(利上げの最終水準)は5%を下回るのではないかとの予想されていましたが、結果は5.1%となり金利が上昇しドル買いが進んでいます。
記者会見でも利上げを継続、サービス業を中心に雇用は強く、賃金の上昇も見られることからインフレは根強いとタカ派な内容が出てきています。
しかも、昨日の予想を下回るCPI(消費者物価指数)の結果を考慮したうえでの内容となっています。
ただ、マーケットはターミナルレート(利上げの最終水準)などを織り込んでしまい、記者会見後半はドルの上値が重くなりました。
本日は金融政策発表ラッシュで、スイス・欧州・英国と政策発表が続きます。
どの中銀も注目度が高いので大きな値動きに繋がるのではないかと思っています。
目次
◎本日の注目点
1)金融政策発表
スイス中銀
注目度:やや高い
織り込み度:0.5%利上げを6∼7割織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅とインフレ見通し
スイス中銀はマイナス金利を解除し、+0.5%まで政策金利を引き上げています。
今まで主要中銀で最大のマイナス金利は場だったスイス中銀がどこまで金利を引き上げるのか注目です。
今回は0.5%利上げを予想していますが、利上げ幅が0.25%だった場合はフラン売りの可能性があります。
また、声明文や記者会見でインフレがピークアウトしているなど、利上げ終了に繋がるような内容が出てくるとフラン売りが出てくる可能性があります。
逆に利上げを継続するような内容であればフラン買いになるのではないかと思います。
今後の利上げに関する内容に注目です。
BOE(英中銀)
注目度:高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:ポンド上値重い
ポイント:MPC投票配分と利上げ見通し
英国は42年以来の物価高となっており、英中銀は物価抑制のために利上げを進めています。
今回も0.5%利上げを予想されていますが、全員一致で0.5%利上げなのか、それとも0.25%利上げ支持がいるのかに注目です。
また、どこまで利上げを進めるのか、今後のインフレ見通しがどうなっているのか注目です。
大幅利上げを進めるようであればポンド買い、利上げペースを控えるようであればポンドの上値が重くなるのではないかと思います。
英国はスナク政権の緊縮財政を進めており景気後退が懸念されています。
英中銀の利上げでどこまで英国経済が耐えられるのか、英中銀の景気見通しに注目です。
ECB理事会
注目度:かなり高い
織り込み度:0.5%利上げを織り込み済み
バイアス:ユーロ買い
ポイント:インフレ見通しと利上げ見通し
欧州でも物価高が進んでおり、米国に続くように利上げを進めています。
ただ、米国との違いは経済の弱さとウクライナなどの地政学リスクです。
ウクライナからの避難民や欧州周辺国からの難民などが欧州に流れ込み、欧州経済を圧迫しています。
また、エネルギー価格の上昇や穀物価格の上昇など物価高も欧州経済に影響を与えています。
弱い経済でECBがどこまで利上げを進めることができるのか、ターミナルレート(利上げの最終水準)をどの辺に考えているのか、声明文や記者会見に注目です。
2)経済指標
豪雇用統計
RBAはターミナルレート(利上げの最終水準)に届いているのではないか、今後も利上げを継続するのか注目されています。
先日のRBA理事会で追加利上げはデータ次第との事なので、雇用統計の結果が底堅いかに注目しています。
労働参加率が上昇したうえで失業率が低下していれば、豪州の経済が底堅いとの見方になり、追加利上げに繋がるのではないかと思っています。
◎本日のイベントスケジュール
12月15日(木曜日)
09:30 AUD 豪雇用統計・失業率・労働参加率
16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)(改定値)
17:30 CHF スイス国立銀行(SNB)金融政策発表
18:00 CHF ジョーダンSNB総裁記者会見
21:00 GBP 英中銀金融政策発表・声明文・MPC投票配分
22:15 EUR ECB理事会・声明文
22:30 USD 米小売売上高・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見
12月16日(金曜日)
00:15 EUR ラガルドECB総裁発言