2022年9月29日
月末要因に加えて要人発言と指標結果に注目! 「9月29日の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
昨日は英中銀が英長期債の一時的購入を発表したことで英長期金利が低下、金利の低下を好感して株高・ポンド高になりました。
英中銀はインフレを抑える為に大幅利上げを進める中、本来は進めるはずだったQT(量的引き締め)を延期し、QE(量的緩和)を再開することとなりました。
今回のQE(量的緩和)は一時的、期間限定ということで、効果がどこまであるのかは微妙だとの意見も出ています。
英長期金利の低下は世界的な金利の低下につながり、米金利は低下しドル売りが進み、株価は上昇、リスクオフは後退しています。
大幅なドル売りは直近の急激なドル買いの調整、月末のリバランスとの見解も出ています。
本日も月末要因に注意しながら、要人発言と指標結果に注目しておきたいと思います。
目次
◎本日の注目点
1)ポンド
トラス英首相が発表した減税策により財政難が懸念されポンド・英国債・英株価のトリプル安となりました。
昨日は英国債の暴落に対応するべく英中銀は英長期債の一時的購入とQT(量的引き締め)の先送りを発表しました。
英長期債の一時的購入はQE(量的緩和)と同じこと、本来であればQTに入るところをQE再開という事態になりました。
これにより英国長期金利は低下し、株価は反発上昇、ポンドも一時的に買い戻されました。
ただ、QEは一時的な対応でトリプル安の原因となった財政赤字は解消していません。
いずれポンド安が再開するのではないかと注目しています。
本日は英中銀メンバーの発言もあるので、QEについて、財政難について、どのような発言が出てくるのか注目です。
2)円安
円安圧力は強く、ドル円は144円台を維持しています。
再度え145円を試す展開となったときに介入があるのか、要人発言などに注目です。
ジリジリと上昇していく分には急激な為替変動とはいえないので、時間をかけて145円を突破する分には介入がない可能性もあります。
ドル円の水準と政府要人の発言に注目です。
3)経済指標
ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
本日はドイツHICP(消費者物価指数)の速報値が発表されるので、欧州でどこまで物価高が進んでいるのか注目です。
ユーロはECBの利上げに反応するよりも物価高による景気後退などに反応しているようなので、予想以上の物価高が確認されるとユーロが売られる可能性があります。
HICP(消費者物価指数)の結果とユーロの動きに注目です。
米・カナダGDP
本日は米・カナダでGDPが発表されます。
米国は確定値なので、予想と結果が乖離する可能性は低いと思われ注目度は少し低下しています。
カナダは月次GDPが発表されるので注目しておきたいと思います。
各中銀、引き締めを進めており、どこまで経済に影響が出ているのかに注目。
予想以上に経済が悪化していた場合は今後の政策に影響が出てくる可能性があります。
カナダは引き締めを鈍化させる可能性があるので、GDPの結果に注目です。
4)月末要因
今日・明日は月末が近い事から月末のリバランスなど急な変動が出てくる可能性があるので要注意です。
特に、今月は大幅ドル高が進んだことから昨日のような急なドル安が進む可能性があります。
ロンドンFIXやマーケットクローズ前など急変には注意しておきたいと思います。
◎本日のイベントスケジュール
9月29日(木曜日)
16:00 EUR パネッタECB専務理事、シムカス・リトアニア中銀総裁発言
16:30 EUR センテノ・ポルトガル中銀総裁発言
17:00 EUR デギントスECB副総裁、エルダーソンECB専務理事、ビルロワ・フランス中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁発言
17:50 EUR デコス・スペイン中銀総裁発言
18:00 EUR ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
20:30 GBP ラムズデンBOE副総裁
21:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)(速報値)
21:30 CAD カナダGDP
21:30 USD 米GDP(確定値)・失業保険申請件数
22:00 EUR ミュラー・エストニア中銀総裁発言
22:30 USD ブラード・セントルイス連銀総裁発言
9月30日(金曜日)
00:00 GBP テンレイロBOE外部理事発言
02:00 EUR レーンECB専務理事兼主席エコノミスト発言
03:00 MXN メキシコ政策金利発表
05:45 USD デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言