金融政策・雇用統計・ISMなど乱高下の予感! 「1月31日週の注目点とイベントスケジュール」

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2022年1月30日

金融政策・雇用統計・ISMなど乱高下の予感! 「1月31日週の注目点とイベントスケジュール」

記事を書いた人:岡ちゃんマン

 

先週は、米株の乱高下・金利上昇によるドル買い・カナダやFOMCの政策発表が注目されました。

なかでも米株・米ドル・米金利がマーケットの中心となりました。

FOMCでは予想通りの据え置きが発表されたものの、パウエルFRB議長のタカ派記者会見で利上げ観測が高まり、政策金利の見通しに使われる米2年債が急騰。
米2年債につられてドル買いが進みました。

年内の利上げ回数が上乗せされたことで株価は急落し、リスクオフが進みました。

 

また、ウクライナ情勢を巡り緊迫感が高まっていることもリスクオフが進んだ要因となっています。

 

今週は金融政策の発表が多数予定されており、月末月初の週ということで雇用統計など重要指標も多数、AmazonやFacebookなど企業決算も多数予定されており、株価や金利、ドル買いが上下に乱高下するのではないかと注目しています。

 

目次

◎今週の注目点

 

1)金融政策発表

 

Super Thurseday(英中銀)

 

注目度:かなり高い

織り込み度:0.25%の利上げを織り込み済み

バイアス:特になし

 

ポイント:インフレーションレポートと追加利上げ

 

今回の英中銀は金融政策と同時にインフレーションレポートが発表される重要な回です。
英中銀は追加利上げが織り込まれており、0.25%の利上げでもマーケットの反応は限定的ではないかと思います。

ただ、昨年11月の英中銀では利上げ予想に対して据え置き、12月英中銀では据え置き予想に対して利上げと、サプライズが続いていることから今回の政策発表でもサプライズがあるのではないかと注目されています。

 

また、今回はインフレーションレポートが発表されます。

英国でも物価上昇が問題となっており、物価上昇を抑える為に引き締め政策を行っていることから、今回のインフレーションレポートで物価見通しが上方修正されるようであれば、追加利上げの可能性が高くなりポンド買いが進むのではないかと注目しています。

逆に物価見通しが下方修正されているようであれば、追加利上げの可能性が後退しポンド売りが出てくる可能性もあるのではないかと考えています。

 

その他に注目しているポイントとして声明文で追加利上げとQT(資産縮小)のホントが出てこないかと、MPCメンバーの投票配分です。

追加利上げをどのくらい考えているのか、QT(資産縮小)を考えているのかのヒントが見えてくるようであれば、ポンド買いが出てくるのではないかと注目しています。

また、MPCメンバー9名のうち、何名が利上げに投じるのか、全員一致であった場合は追加利上げの可能性も出てくるのではないか、逆に何名かが反対した場合は追加利上げの可能性が後退しポンド売りに繋がるのではないかと注目しています。

 

 

 

ECB理事会

 

注目度:高い

織り込み度:据え置きを織り込み済み

バイアス:ユーロ安

 

ポイント:インフレ見通しと引き締め政策

 

ECBは3月でPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の終了が発表されており、APP(資産購入プログラム)の増額が発表されています。

今回の声明文や記者会見でインフレをどのように見通しているのかに注目です。

欧州は天然ガス価格の上昇などから物価上昇が問題となっています。

物価上昇を抑える為に引き締めに動くのか、APP(資産購入プログラム)の増額を減額するなどの内容が出てくるのか注目しています。

もし、引き締めに繋がるような内容が出てくるとユーロ買いが進むのではないかと注目しています。

逆に、天然ガス価格の上昇などから景気後退を懸念するような内容が出てきて、緩和を継続するような内容が出てきた場合にはユール売りが進む可能性があるので注目しています。

 

 

 

RBA理事会

 

注目度:高い

織り込み度:量的緩和の終了をかなり織り込んでいる

バイアス:豪ドル売り

 

ポイント:利上げ時期の前倒しのヒントがあるのか

 

豪州ではインフレは2008年以来最速の上げ幅を記録し、インフレ率も中銀目標の2∼3%に達しています。

今週のRBA理事会では量的緩和の終了が予想され、RBAも金融正常化に向けて舵をきるのではないかと注目されています。

RBAは24年まで利上げしないと言っていますが、前倒しして年内利上げもあるのではないかとマーケットは注目しています。

声明文やロウRBA総裁の発言から利上げの前倒しについてヒントが出てくるようであれば豪ドル買いに繋がる可能性があるのではないかと注目しています。

 

ただ、リスク要因や米金利の上昇などから豪ドルの上値は重くなっています。

緩和スタンスの維持や利上げ時期が24年を強調するような内容であれば、バイアスに追い風となり豪ドル売りが進むのではないかと注目しています。

 

 

 

2)経済指標

 

ADP雇用統計・NFP雇用統計

FRBは3月利上げが確実視されていて、年内の利上げ回数に注目が集まっています。

雇用状況はFRBの責務の1つなので、雇用状況が良ければ利上げ回数の上乗せに繋がるのではないかと注目しています。

また、米国で問題となっている物価上昇の要因の一つである人件費にも注目です。

米国では人手不足から人件費が高騰しています。

さらに人件費が上昇していないか、平均賃金にも注目です。

平均賃金が予想を上回る上昇をしていた場合も、物価上昇に繋がり利上げ期待に繋がるのではないかと注目しています。

 

 

 

ISM製造業景況指数・ISM非製造業景況指数

米国では物価上昇と強い雇用状況から利上げが進む状況ですが、足元の景況感は悪化してきているのではないかと注目されています。

マークイット社が発表している製造業・サービス業・総合PMIは12月までは好調でしたが、1月はイッキに減速していました。

ISMが発表する製造業景況指数や非製造業景況指数がマークイット社の製造業・サービス業・総合PMI同様に減速しているようであれば、米国の景気見通しが後退し株価下落などリスクオフが進む可能性があるので要注意です。

 

 

 

カナダ雇用統計

カナダでは高いインフレ率から中銀が利上げに動くのではないかと注目されています。

1月の金融政策発表で利上げの期待もありました。

今週発表の雇用統計で強い雇用が示されれば、次回3月の政策発表で利上げの可能性が高まるのではないかと注目しています。

 

 

 

NZ雇用統計

ニュージーランドでは豪州同様に予想を上回る物価上昇が見えています。

今週発表の雇用統計で雇用状況や労働参加率、失業率が改善されていれば追加利上げの可能性が高まり、NZドル買いに繋がるのではないかと注目しています。

ただ、米金利の上昇やリスクオフなどからNZドルの上値は重く、予想を下回る結果が出てきた場合はイッキにNZドル売りが進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

 

 

 

3)リスク要因

 

東欧・中東リスク

現在マーケットが最も注目しているリスク要因です。

ポイントはロシアのウクライナ侵攻と中東でのドローン攻撃です。
特にウクライナ情勢を巡りロシアと欧米諸国の対立は緊張感が高まっています。

ロシアはウクライナ侵攻計画はないと言いながらも、国境付近に軍部隊を集結させています。

これに対して欧米諸国は批判していますが、今の所ロシアがゴリ押ししている状況です。

どこかのタイミングで欧米諸国が制裁を発動させるかもしれませんが、その際にはロシアも天然ガスの供給をストップし反撃すると思われます。

制裁合戦に発展しないか、ロシア・ウクライナに関するヘッドラインに注目です。

 

また、中東でもイランフーシ派によるドローン攻撃などでリスクが高まっています。

中東でのリスクは原油価格の直結します。

ロシア・ウクライナリスクは天然ガス価格にも影響します。

リスク要因はマーケットをリスクオフにするだけでなく、資源価格上昇のリスクにつながります。

資源価格の上昇は原材料コストや燃料コストの上昇に繋がり、結果的に物価上昇に繋がります。

各国の中銀は物価上昇を抑える為に引き締め政策を急いでおり、早い引き締め政策は株式市場の重しとなっています。

 

このようなことから、今週は東欧・中東リスクに関するヘッドラインに注目です。

 

 

 

米株・米金利

FRBの引き締めを懸念して株価が急騰・急落を繰り返しています。

利上げ期待が高まると株価の重しとなり株価下落、リスクオフが進みます。

今週の雇用統計で利上げ期待が進むと株価下落に繋がる可能性があるのではないか、ISMが悪化していると株価が大きく下落するのではないかと注目しています。

 

また、最近のマーケットはFRBの利上げ観測に注目が集まり、利上げ観測の指針として用いられる米2年債に注目が集まっています。

2年債の上昇・下落と米ドルの相関性がかなり高くなっています。

今週もドル買いが継続するのか、米2年債に注目しながら、指標結果でどのように動くのか注目です。

 

 

 

日本金利

世界的に金利が上昇してきている中で、日本の10年債利回りも上昇し0.165%まで上昇しています。

日銀はYCC(イールドカーブ・コントロール)を実施しており、ターゲットは10年債利回りが0.1%(±0.1%)となっています。

現在の金利上昇ペースであれば今週にも日銀のターゲット上限0.2%に届くのではないかと注目しています。

0.2%に迫ったときに日銀が指値オペを実施し、金利を抑えるかに注目です。

仮に指値オペを実施した場合は円安が進む可能性があるので注意しておきたいと思います。

 

 

 

 

 

◎今週のイベントスケジュール

 

 

1月31日(月曜日)

 

中国市場休場(旧正月)

 

22:00 EUR ドイツHICP(消費者物価指数)

 

 

2月1日(火曜日)

 

シンガポール・香港・中国市場休場(旧正月)

 

06:45 NZD NZ貿易収支

09:30 AND 豪小売売上高

12:30 AUD RBA理事会・金利・声明文発表

16:45 EUR フランスHICP(消費者物価指数)

17:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)

17:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)

18:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)

18:30 GBP 英製造業PMI(改定値)

19:00 EUR ユーロ圏失業率

22:30 CAD カナダGDP

23:45 USD 米製造業PMI(改定値)

 

 

2月2日(水曜日)

 

シンガポール・香港・中国市場休場(旧正月)

 

00:00 USD ISM製造業景況指数

06:45 NZD NZ雇用統計・失業率

10:30 AUD ロウRBA総裁発言

19:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)

22:15 USD ADP雇用統計

 

 

2月3日(木曜日)

 

香港・中国市場休場(旧正月)

 

00:30 USD 原油在庫量

09:30 AUD 豪貿易収支

16:00 TRY トルコCPI(消費者物価指数)

17:50 EUR フランス総合・サービス業PMI

17:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI

18:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI

18:30 GBP 英総合・サービス業PMI

19:00 EUR ユーロ圏小売売上高

21:00 GBP Super Thurseday 英中銀金融政策・声明文・インフレーションレポート発表

21:30 GBP ベイリーBOE総裁記者会見

21:45 EUR ECB理事会・金融政策・声明文発表

22:30 EUR ラガルドECB総裁記者会見

22:30 USD 失業保険申請件数

23:45 USD 米総合・サービス業PMI

 

 

2月4日(金曜日)

 

中国市場休場(旧正月)

 

00:00 USD ISM非製造業景況指数

09:30 AUD RBA四半期金融政策報告

18:30 GBP 英建設業PMI

21:15 GBP ブロードベントBOE副総裁、ピルBOE外部理事発言

22:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給

22:30 CAD カナダ雇用統計・失業率

 

 

2月5日(土曜日)

 

00:00 CAD IveyPMI

03:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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