2023年5月1日
FRB・ECBの金融政策に加え、米重要指標などマーケット大荒れの予感の1週間! 「5月1日週の注目点とイベントスケジュール」
記事を書いた人:岡ちゃんマン
先週は注目の植田日銀総裁が就任後初めての日銀金融政策決定会合が開催されました。
政策変更はないとの市場予想から発表時間は12時前後ではないかと思われていましたが、12時半を過ぎても発表されていないことから一時円高が進みました。
13時ちょうどに現状維持が発表されると円安が進み、声明文で「金融政策運営について1年から1年半程度の時間かけ多角的にレ
今週はFOMCにECB理事会など金融政策発表が控えており、ISMや雇用統計の発表も控えており、マーケットが大きく荒れるのではないかと注目しています。
目次
◎今週の注目点
1)金融政策
FOMC
注目度:かなり高い
織り込み度:0.25%利上げを織り込み済み
バイアス:ドル安圧力がやや強い
ポイント:利上げ終了と今後の利下げの可能性、銀行規制強化について
今回の0.25%利上げがFRBの利上げ終了となるのではないかと予想されています。
声明文や記者会見で次回以降の利上げについてどのような見通しを持っているのか注目です。
もし、追加利上げの可能性が出てくるような内容が出てきた場合は、ドル買いが進むのではないかと注目しています。
また、金融引き締めに繋がる可能性がある銀行規制について、どのような見解を持っているのか注目しています。
銀行規制による景気後退が進むようであれば、年内利下げを織り込む展開になるのではないかと思っています。
ECB理事会
注目度:高い
織り込み度:0.25%利上げを7~8割織り込み済み
バイアス:ややユーロ買い圧力
ポイント:利上げ幅と今後の利上げ見通し
ECBは0.25%利上げを実施すると予想されていますが、一部では0.5%利上げの可能性について噂されています。
0.5%利上げとなった場合は大きくユーロ買いが進むのではないかと考えています。
また、今後の追加利上げについて積極的な内容が出てきた場合もユーロ買いが進むのではないかと考えています。
声明文や記者会見の内容に注目です。
RBA理事会
注目度:やや高い
織り込み度:据え置きを8割織り込み済み
バイアス:特になし
ポイント:利上げ幅と今後の見通し
RBAは4月の理事会で据え置きを発表し、5月の理事会でも据え置きを発表すると予想されています。
4月会
それでも、声明文で追加利上げの可能性が残るような内容であれば豪ドルが底堅くなる可能性があるので注意しておきたいと思います。
2)経済指標
ISM製造業景況指数
FRBによるハイペースの引き締めに加えて金融不安などから米国経済の後退が懸念されています。
景気の先行指標であるISM製造業景況指数に注目が集まっています。
金融不安に関する景気後退不安はサービス業よりも製造業に大きく影響するのではかと思っています。
そのため、どこまでISM製造業景況指数が弱くなっているのか注目です。
JOLT求人件数
米国の求人情報であるJOLT求人件数は労働市場の分析データの1つとして注目されています。
米国では人手不足を要因として人件費が高騰、物価高のの要因となっています。
労働市場がどの程度逼迫しているのか、市場予想を上回るのか下回るのか、結果に注目です。
ADP雇用統計
米国のインフレ要因の1つに人手不足があるため、雇用統計に注目が集まっています。
週末のNFP雇用統計の前哨戦としてADP雇用統計の結果に注目です。
どの程度市場予想を上回る雇用者数が出てくるのか、それとも予想を下回る結果になるのか注目です。
ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景況指数は非製造業(サービス業)の企業に対して、今後の景気について質問し結果を指数化したもので、景気の先行指標として注目されています。
消費大国の米国はGDPのうち消費が占める割合が大きく、非製造業(サービス業)の景況感は重要視されています。
金融不安が広がっただけに、消費意欲が低下しISM非製造業景況指数の結果が50を割り込むような結果になるとイッキに景気後退が懸念される展開になるのではないかと注目しています。
NFP雇用統計・失業率・平均時給
物価上昇の要因の1つである人件費の高騰を確認するために平均時給が市場予想を下回るか、前回値と比べて低下しているのかに注目しています。
雇用者数と失業率よりも平均賃金に注目し、その上で失業率が悪化しているのかに注目したいと思います。
平均時給や失業率が悪化していた場合、年内利下げ期待が進み金利低下・ドル安が進むのではないかと思います。
金利と併せて注目しておきたいと思います。
カナダ雇用統計・失業率
カナダ中銀による利上げは停止しており、年内の利下げが注目されています。
雇用者数が低下し、失業率が悪化しているようであれば年内の利下げが意識され、カナダドルが売られる展開が予想されます。
失業率がどこまで悪化しているのか注目です。
3)要人発言
FRB
FOMC後に各FOMCメンバーからの発言に注目。
FOMC声明文やパウエルFRB議長の記者会見の内容と、その後のFOMCメンバーからの発言に違いが出てこないか注目です。
5月FOMCを最後に利上げ終了と予想していますが、6月以降に追加利上げの可能性を残すような発言が続くようであればドルが買い戻される可能性があります。
また、年内利下げについて発言が出てくるようであればドル売りが進むのではないかと考えています。
発言の内容に注目です。
ECB
欧州では物価高が続いており、5月のECB理事会で利上げをしても6月以降でも追加利上げの可能性が高いと予想されています。
ECB理事会後にECBメンバーから6月以降の理事会で追加利上げの可能性についてどのような発言が出てくるのか注目です。
追加利上げの可能性が高くなればユーロ買いが進むのではないかと考えています。
また、そろそろECBのターミナルレート(利上げの最終水準)についても注目されると思うので、ターミナルレート(利上げの最終水準)についての発言にも注目です。
4)リスク要因
SVB破綻に始まった金融不安ですが、一旦は落ち着きを取り戻したように見えましたが、先週にファーストリパブリック銀行の決算報告をキッカケに同行の資金流出が発覚。
その後も資金流出が継続し、株価も下落が止まらない状況となり、週末にファーストリパブリック銀行の破綻が報じられています。
ファーストリパブリック銀行に関してはJPモルガンなど大手銀行などから買収の提案が出てきており、このまま買収してリスク要因が後退するのか注目です。
FRBによる銀行規制強化が進むことで中小の銀行が経営不振になり、連鎖破綻などにならないか注目です。
また、米国では債務上限問題が再浮上しています。
債務上限に関する法案が上院議会で承認されるのか注目です。
銀行不安や債務上限問題がリスク要因として認識された場合はリスクオフが進む可能性があるので要注意です。
◎今週のイベントスケジュール
5月1日(月曜日)
中国、香港、シンガポール、韓国、トルコ、南アフリカ、スウェ
22:45 USD 米製造業PMI(改定値)
23:00 USD ISM製造業景況指数
5月2日(火曜日)
中国市場休場(メーデー)
13:30 AUD RBA理事会・政策金利・声明文発表
16:50 EUR フランス製造業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ製造業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏製造業PMI(改定値)
17:30 GBP 英製造業PMI(改定値)
18:00 EUR ユーロ圏HICP(消費者物価指数)(速報値)
20:20 AUD ロウRBA総裁発言
23:00 USD JOLT求人件数
5月3日(水曜日)
東京市場休場(憲法記念日)
中国市場休場(メーデー)
07:45 NZD NZ雇用統計・失業率
08:00 NZD オアRBNZ総裁発言
10:30 AUD 豪小売売上高
13:55 AUD エリスRBA総裁補佐発言
21:15 USD ADP雇用統計
22:45 USD 米総合・サービス業PMI(改定値)
23:00 USD ISM非製造業景況指数
23:30 USD 原油在庫量
5月4日(木曜日)
東京市場休場(みどりの日)
03:00 USD FOMC政策金利・声明文
03:30 USD パウエルFRB議長記者会見
08:00 AUD オアRBNZ総裁発言
10:30 AUD 豪貿易収支
10:45 CNY 財新製造業PMI
16:50 EUR フランス総合・サービス業PMI(改定値)
16:55 EUR ドイツ総合・サービス業PMI(改定値)
17:00 EUR ユーロ圏総合・サービス業PMI(改定値)
17:30 GBP 英総合・サービス業PMI(改定値)
21:15 EUR ECB理事会・政策金利・声明文
21:30 USD 米失業保険申請件数・貿易収支
21:30 CAD カナダ貿易収支
21:45 EUR ラガルドECB総裁記者会見
23:00 CAD カナダIveyPMI
5月5日(金曜日)
東京市場休場(こどもの日)
01:50 CAD マックレムBOC総裁発言
10:30 AUD RBA四半期金融政策報告
10:45 CNY 財新サービス業PMI
17:00 EUR エルダーソンECB専務理事発言
17:30 GBP 英建設業PMI
18:00 CHF ジョーダンSNB総裁発言
21:30 USD NFP雇用統計・失業率・平均時給
21:30 CAD カナダ雇用統計・失業率
5月6日(土曜日)
02:00 USD クックFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁発言
02:00 USD ベイカーヒューズ社リグカウント
04:00 USD 米消費者信用残高